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ももんがとは? わかりやすく解説

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ももんが【鼯鼠】

読み方:ももんが

リス科哺乳類体長1520センチ尾長1014センチ前・後肢の間に飛膜をもち、目が大きく外形習性ともムササビに似る。本州四国九州分布北海道には近似種エゾモモンガがすむ。ばんどりももんがあ


モモンガ

(ももんが から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 01:29 UTC 版)

モモンガ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目(齧歯目)Rodentia
: リス科 Sciuridae
亜科 : リス亜科 Sciurinae
: モモンガ族 Pteromyini
: モモンガ属 Pteromys
: モモンガ P.momonga
学名
Pteromys momonga
和名
モモンガ、ニホンモモンガ、ホンドモモンガ
英名
Japanese dwarf flying squirrel
Japanese lesser flying squirrel
木に登るモモンガ
滑空するモモンガ
木に登るオオアメリカモモンガ(Glaucomys sabrinus)

モモンガ(摸摸具和)は、ネズミ目(齧歯目)リス科リス亜科モモンガ族に属する小型哺乳類の総称。滑空によって飛翔する性質を持つリスの仲間。また、狭義には特に、ニホンモモンガ (Pteromys momonga) を指す。

前脚から後脚にかけて張られた飛膜を広げて滑空する。ニホンモモンガは、体長14-20cm、尾長10-14cm、体重150-220gで、体重1500gまでに大きくなるムササビよりはるかに小さい。

樹上性のリスや、より大型のムササビ類とともにリス亜科を構成する。なお、フクロモモンガウロコオリスは名前や形態が似ているが、リス科ではない。

夜行性で日中は樹洞等に潜む。

分類

リス亜科 (Sciurinae) モモンガ族 (Pteromyini) に分類される[1][2]。モモンガ族は、Thorington (2002)、霍野 (2007) などにより、しばしば別の亜科(モモンガ亜科)とみなされてきた[3][4]が、Steppan (2006) によると、リス亜科の1とされている[5][6]

「モモンガ」の名の由来

モモンガは、平安時代にはムササビと区別されておらず、「モミ」または「ムササビ」と呼ばれていた(『和名類聚抄』巻十八)。この内の「モミ」が転じて「モモ」となり、江戸時代に「モモングァ(漢字の当て字は『摸摸具和』)」という語形が生まれ、「モモングァー」「モモンガー」を経て、最終的に「モモンガ」になったと推測されている。ちなみに、「モミ」から変化した「モモ」や「モマ」は今も各地に方言語形として残っているが、モモンガの意味で使用する地域は少なく、多くはムササビや化け物の意味で使用されている。

漢字による表記では前述の「摸摸具和」以外に中国語風の「鼯鼠」が用いられることがあるが、中国語の鼯鼠とはモモンガ亜科の総称であり、ムササビ(白頬鼯鼠)も含む。

本州では妖怪扱いされていた時代もあり、子供を脅かすときや、誰かの悪口を言ったりするときに、「ももんがあ」ということがある。[7]

北海道アイヌ民族からはエゾモモンガが子守する神として知られていたという。

類似の動物

古来日本ではモモンガ、ムササビの類は齧歯目リス科の動物として知られた。ムササビとの相違点については「ムササビ#モモンガとの相違点」を参照。

タイリクモモンガ、アメリカモモンガなどがペットとして日本でも愛玩されていたが、近年タイリクモモンガは飼育禁止、アメリカモモンガは輸入規制対象となり、一般から縁遠くなったと言える。

一方、これまた日本でペットとして愛玩されているフクロモモンガ有袋目であり、メスは腹部育児嚢を持つ。このことがフクロモモンガと言われる所以である。フクロモモンガについては、収斂進化を参考にすると理解が深まる。

人獣共通感染症 

2005年4月に輸入アメリカモモンガ由来の感染により、静岡市内の動物取り扱い業者の従業員2名がレプトスピラ症を発病した。輸入した108頭は、炭酸ガスで安楽殺後、焼却された[8]。患者は高熱と血尿の症状があり多臓器不全の症状を発症していた[9]

脚注

  1. ^ Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder: “Mammal Species of the World. A Taxonomic and Geographic Reference (3rd ed) :Sciurinae”. Johns Hopkins University Press (2005年). 2014年4月23日閲覧。
  2. ^ D.W.マクドナルド 編、今泉吉典 監修『小型草食獣 動物大百科 5』平凡社、1986年、154-157頁。 
  3. ^ Thorington, R. W., D. Pitassy, and S. Jansa. (2002). Phylogenies of flying squirrels (Pteromyinae). J. Mamm. Evol. 9:99-135.
  4. ^ 霍野晋吉『くわしいリスの医・食・住』どうぶつ出版、2007年https://books.google.co.jp/books?id=6u7383uN51YC&pg=PA38&lpg=PA38&dq=モモンガ亜科&source=bl&ots=FDeVV3rOij&sig=kU9JW2I4lKyWCDyafGV6ASCO5xM&hl=ja&sa=X&ei=hBw-Vba2HIe6mAXf84AQ&ved=0CEYQ6AEwCg#v=onepage&q=モモンガ亜科&f=false2015年4月27日閲覧 
  5. ^ Steppan, Scott J. & Hamm, Shawn M. (2006): Tree of Life Web ProjectSciuridae (Squirrels). Version of 13 May 2006. Retrieved 10 December 2007.
  6. ^ Steppan, S. J.; Storz, B. L.; Hoffmann, R. S. (2004). "Nuclear DNA phylogeny of the squirrels (Mammalia: Rodentia) and the evolution of arboreality from c-myc and RAG1". Molecular Phylogenetics and Evolution 30 (3): 703–719.
  7. ^ 夏目漱石坊っちゃん』の主人公の台詞として、「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被りの、香具師の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい」という表現がある。青空文庫
  8. ^ 静岡市保健所保健予防課 大輪達仁 長坂好洋 厚生労働省健康局結核感染症課 三木 朗. “輸入動物(アメリカモモンガ)に由来するレプトスピラ症感染事例-静岡市(概要)”. 2019年9月17日閲覧。
  9. ^ 白輪剛史「動物の値段」、角川文庫、2014年12月。 

関連項目


ももんが

出典:『Wiktionary』 (2021/07/15 11:53 UTC 版)

名詞

ももんが【摸摸。鼯むささびと同じ用字〉。野衾(wp)

  1. 分類学広義)](モモンガ片仮名表記限定) ネズミ目(wp)齧歯目リスムササビ亜科分類される、モモンガとその近縁種総称飛膜滑翔する植物食性(wp)(wp)小型哺乳類一種。同亜科属す大型グループであるムササビ似ているが、体長(wp)1520cm遥か小さい。
  2. 分類学狭義)]( 同 上 ) 1のうち、日本在来種、すなわち、ニホンモモンガのみを指す。
  3. 一般](表記規定なし語義1もしくは語義2に相当する動物の、分類学に依らない日本語名称古くは「ももんがあ」「ももんがー」などと言った

由来

平安時代(wp)にはムササビ区別されておらず、「モミ」とも呼ばれていた。これが転訛して「モモ」となり、そこに鳴き声の「グヮ」が加わって江戸時代に「モモングヮ(『摸摸具和』)」という語形生まれ、「モモングヮー」「モモンガー」を経て最終的にモモンガになった推測されている。因みに、「モミ」から音変化した「モモ」や「モマ」は今も日本各地方言として残っているが、モモンガの意味使用する地域少なく多くムササビ化け物の意味使用されている(むささび・もま事件参照)。

翻訳

語義1


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