走行車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 00:58 UTC 版)
青函トンネルは海底の長大トンネルであるため、走行する車両には運輸省(現在の国土交通省)が省令で定めた防災基準を満たす構造であることが要求されている。なお明示された条件ではないが、本トンネルは海底を通ることから湿度が常に100%であるため、これに耐えうる構造であることも重要である。 火災事故防止のため、トンネルを通行する営業用列車が電車または電気機関車牽引の客車・貨車のみに制限されており、内燃機関を用いる車両(気動車・ディーゼル機関車)は救援目的のディーゼル機関車を除き、当線内は自走・牽引は出来ない。さらに青函トンネルを通る冷凍コンテナは、熱感知機の反応で列車が足止めされないよう、機関車の運転席からの遠隔操作によりコンプレッサーの動力となるディーゼルエンジンを切るための専用回路を搭載したタイプに限られている。 本州と北海道間で車両を輸送する際は、内燃機関を停止した上で基本的に電気機関車の牽引により甲種輸送される。 なお、1988年(昭和63年)10月にはオリエント急行の車両が本トンネルを通行しているが、オリエント急行に使用される車両は内装に木材を使用している上、食堂車では石炭レンジを使用しており、火災対策上通行が認められない車両であった。しかし、この時には各車両に車内放送装置と火災報知器を設置した上、防火専任の保安要員を乗務させるという条件で特別に通行が認められている。 北海道新幹線開業時に、青函トンネルを含む海峡線の架線電圧を新幹線にあわせて25,000 V (50 Hz)に昇圧し、保安装置もそれ以前のATC-LからDS-ATCに変更された。
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