木
「木」とは、植物のうち一種のことを意味する表現。
「木」の基本的な意味
木とは、植物の種類のことであり、多年生の維束管植物のうちシダ植物・種子植物が茎の部分が硬く木質化したものを示す漢字である。樹・樹木・木本(もくほん)とも呼ばれる。立ち木のことを示す他、建物や家具などの材料として使えるよう加工したものを示す場合にもこの漢字が用いられる。木と草の違いは形成層の有無とされる。樹皮の内側に形成層を持ち、この部分の細胞を年々蓄積してほぼ無限に肥大成長で幹を太くし、上方に伸長成長して高く育っていくのが木である。この蓄積された細胞が作る層が年輪となる。樹木と呼べる状態になるのはシダ植物、種子植物のみであり、現在はそのほとんどが種子植物である。
ただし、草に区分されるイチゴと木に区分されるサクラ・リンゴ・ナシが同じバラ科であることからもわかるように、植物学上では本質的な違いはないともされており、厳密な区分はされていない。
また、陰陽五行説においては第一位としてこの漢字が使用され、その際には方位としては「東」、季節としては「春」などを配される。
「木」の発音・読み方
「木」は音読みでは「モク」「ボク」、訓読みでは「き」「こ」と読む。難読としては木通(あけび)・馬酔木(あせび)・木瓜(ぼけ)・木賊(とくさ)・木天蓼(またたび)・木乃伊(みいら)・木菟(みみずく)・木綿(もめん)・白膠木(ぬるで)・木菟(ずく)・木槿(むくげ)などがある。
「木」の語源・由来
以下のように諸説あるが、いずれも詳細は不明である。・スサノオノミコトがヤマタノオロチを対峙した後に自身の「毛」を抜き地に散らすことでスギなどの「木」を作ったとされる神話が存在することから、「毛」が転じたとする説。
・「イキ(生)」のうち上の音が脱落したとする説。
・「毛」と同じく「生えるもの」を指す「キ・ク(生)」を語源とするという説。
・草と対比した際により強くキッと突っ立っているように見えることを原義とするという説。
「木」の使い方・例文
読み別の使い方「モク」:木製・木曜日・木星・木工・材木・木造建築・木馬
「ボク」:大木・御神木・用木・幼木・朴訥・老木・倒木・低木・流木
「き」:木の幹・木を植える・立ち木・枯れ木・並木・草木・雑木林・植木
「こ」:木陰・木漏れ日・木の葉・木立
例文
・あちらの道には木が多く並んでいる。
・昨日の台風であそこの木が倒れてしまった。
・あちらにあるサクラの木は広葉樹で、このスギの木は針葉樹だ。
・イチョウの木は針葉樹であるが、その木の葉は尖っていない。
・木陰で涼んでいると、向こうから人がやってきた。
・今年の秋は木の実の生りがいい。
・木製のベンチに腰掛ける。
・木登りする子供を見守る。
・紅葉の木が今年も綺麗に色づいている。
・木漏れ日が心地いい。
・五重塔は木造建築とは思えないほど立派な建物だ。
・百日紅の木の幹はツルツルとしていてとても上りにくそうだ。
・この島にある木はどれも樹齢1000年を超えているらしい。
・御神木のすぐそばから温泉が噴き出した。
・ずらりと並んだ桜並木は千本桜とも呼ばれ、春の風物詩となっている。
・枯れ木も山の賑わい
・庭の木の枝が方々に伸びているので植木屋さんに連絡をした。
・夕暮れに木の葉と木の枝がシルエットだけになって浮かび上がっている影絵が人気を博している。
・毎日水をやっている幼木がどんな気に成長するのか楽しみだ。
・小さいころから庭にある木はもう老木で、もう花をつけることがない。
・鬱蒼とした雑木林の中で一本のリンゴの木を見つけた。
・木曜日に拾った流木で木工作品を作ろうと思う。
「木」の英訳
「木」の英訳は、生きている立ち木のことを示す場合は「tree」、切り倒された後の用材としてのものを示す場合は「wood」と訳される。き【木/▽樹】
読み方:き
1 地上部の茎が木質化している植物。樹木(じゅもく)。「—を植える」「—の枝」
2 建物・器具などの材料として使えるようにした用材。木材。「—の机」
3 (「柝」とも書く)歌舞伎・人形浄瑠璃・相撲などで用いる拍子木。開幕・閉幕などの合図に用いる。
[下接語] 青木・荒木・植木・埋め木・末(うら)木・老い木・冠(かぶ)木・唐(から)木・枯れ木・草木・朽ち木・頸(くび)木・黒木・挿し木・下木・白(しら)木・雑木・立ち木・垂(たる)木・乳切(ちぎ)り木・接ぎ木・積み木・取り木・生(なま)木・並木・生(な)り木・庭木・鉢の木・幅木・肘(ひじ)木・冬木・古木・曲げ木・丸木・瑞(みず)木・本(もと)木・割り木(ぎ)赤木・網代(あじろ)木・浮き木・受け木・腕木・埋もれ木・枝木・雄(お)木・押さえ木・親木・笠(かさ)木・形(かた)木・堅木・鰹(かつお)木・雁(がん)木・木木・経(きょう)木・差し木・算木・軸木・締め木・正真木・心(しん)木・滑り木・炭木・隅木・擂粉(すりこ)木・添え木・杣(そま)木・台木・千(ち)木・付け木・爪(つま)木・釣り木・常磐(ときわ)木・年木・止まり木・止め木・苗木・流れ木・新(にゅう)木・鼻木・版木・板(ばん)木・拍子木・榾(ほた)木・枕(まくら)木・股(また)木・棟(むな)木・雌(め)木・横木・寄せ木・連木・若木
け【▽木】
こ【木】
ぼく【木】
読み方:ぼく
〈ボク〉
1 き。立ち木。「木石/花木・灌木(かんぼく)・巨木・古木・枯木・香木・高木・雑木(ざつぼく・ぞうぼく)・神木・大木・低木・倒木・伐木・腐木・流木・霊木・老木」
2 木材。「木剣・木刀/坑木・土木・銘木・用木・肋木(ろくぼく)」
〈モク〉き。「木工・木材・木質・木製・木造・木馬・木皮/材木・撞木(しゅもく)・樹木・草木」
〈き(ぎ)〉「木戸・木場/植木・草木・雑木(ぞうき)・台木・苗木・生木・並木・版木」
[名のり]しげ
[難読]木通(あけび)・馬酔木(あしび・あせび)・卯木(うつぎ)・空木(うつぎ)・木耳(きくらげ)・木豇豆(きささげ)・木霊(こだま)・木末(こぬれ)・木椎(さいづち)・木偶(でく)・木賊(とくさ)・接骨木(にわとこ)・白膠木(ぬるで)・合歓木(ねむのき)・木瓜(ぼけ)・木履(ぼっくり)・木天蓼(またたび)・木乃伊(ミイラ)・木菟(みみずく)・木菟(ずく)・木槿(むくげ)・木綿(もめん)・木綿(ゆう)・寄生木(やどりぎ)
ぼく【木】
もく【木】
読み方:もく
⇒ぼく
もく【木】
木
【英】:tree
概要
閉路を含まない連結なグラフを木という. 連結なグラフ に対して, の部分グラフであって点集合 をもつ木を, グラフ を張る木(spanning tree)といったり, グラフ の全域木, 極大木, 全張木あるいは, 単にグラフ の木などという. 根と呼ばれる1点が指定された木を根付き木(rooted tree)という. さらに, 根付き木は, (有向グラフとして)枝の向きに沿って根からすべての点に行くことができるとき, 有向木(directed tree)と呼ばれる.
詳説
平面上 (空間内) の幾何的な問題を解く際に対象領域を分割しながら部分領域に対応する木のノードを考えて分割の階層構造を木 (構造のデータ構造) を用いて表現する. 分割のしかたにより様々な木が得られそれぞれ特別な名前がつけられている. 計算幾何の代表的な問題である点位置決定 (point location) 問題(与えられた平面上のn点からなる直線分の平面グラフに対して, 質問点が与えられたとき, を含む面 (領域) を求める問題) および領域探索 (range search) 問題(与えられた平面上の点の集合に対して, 質問多角形が与えられたとき, に含まれるの点を列挙する問題)を例にとり説明する.
これらの問題は, いずれも, 与えられた対象物の集合(以下台集合と呼ぶ)に対して, 質問が与えられたとき, とある種の条件をみたすの要素を列挙する問題であり, その意味で探索問題と呼ばれている. 同一の台集合に対して, 質問(問い合わせ)が繰り返し行われることも多いので, 台集合に前処理を施して質問に高速に応答できるように工夫する. すなわち, 質問に高速に応答できるようにを計算機内で違った形(データ構造)で表現する. 実際のデータベースでもこのような工夫がなされている.
このような状況下では, を表現するデータ構造のための記憶領域, を構成するための手間(および作業領域), および質問に応答している時間 (探索時間) のつの基準に基づいて性能を総合的に評価しなければならない.
点位置決定問題に対応する1次元の問題は, 一直線上に与えられた個の点の集合で分割された区間の集合に対して質問点が与えられたときを含むの区間を求める問題となる. これは, およびを平衡探索木で表現しておけば, の手間で応答できる. を構成するための手間および記憶領域はいずれもである. さらに点集合に新しい点が付加されたり古い点が除去されたりして台集合とが変化するのが普通である. このときにはそれに応じても更新しなければならないが, この更新操作をダイナマイゼーション (dynamization) という. 1回の更新に要する手間がのダイナマイゼーション技術が多数知られている.
領域探索問題に対応する1次元の問題は, 一直線上に与えられた個の点の集合に対して質問区間が与えられたときに含まれるの点をすべて列挙する問題となる. これもを平衡探索木で表現しておけば, の手間で応答できる. ここでは列挙される点の個数である. 更新の手間もである.
次元の点位置決定問題や領域探索問題は1次元のこのような探索問題(の系列)に帰着して解かれている. たとえば, 点位置決定問題に対して有名な手法であるスラブ法 (slab method) では, グラフの頂点を通る (軸に) 垂直な直線を引いて平面を垂直な帯に分割する. この垂直な帯がスラブ (slab) と呼ばれる. 一つのスラブ内では, 横切るグラフの線分は上下関係で一列に並べることができるのでそれを平衡探索木で表現しておく. すると, 点位置決定問題は, 質問点に対して, を含むスラブを二分探索で見つける. 次にそのスラブ内で平衡探索木を利用してのすぐ上にある線分を求め, その線分を境界にもつ下の面をを含む領域として求めればよい. これは2次元の問題を個のスラブでの問題(1次元の問題)に帰着していると見なせる. 応答の手間はとなるが, 必要とするデータ構造を構築するための手間と記憶領域はとなる. これに対して, サーナクとタージャン (Sarnak-Tarjan) の残存化スラブ法 [2] では, 座標の値を時刻と考えて, 連続する2つのスラブの構造の変化が定数であることに注目して, 過去に遡っても探索が可能になるようにデータ構造に工夫をしている. これは点位置決定問題に対して, 理論的に最適なアルゴリズム (前処理時間, 記憶領域, 応答時間) の一つである.
領域探索に対しては多角形は軸に平行な辺からなる長方形の場合が多く, そのときにはk-d木 (- tree), 四分木 (quadtree), 領域木 (range tree) などのデータ構造が有効である.
領域木は平面上の点集合の領域を座標の中央値に基づいて二分割を繰り返してできる分割に対応する二分木で, 各ノードには対応する対象領域内にある点をすべて記憶しておく. すなわち区間木 (interval tree) の各ノードに対応する区間に入る点を平衡探索木などで記憶しているものである. すると軸に平行な質問長方形が与えられたとき, の区間が区間木の分割に対応して互いに共通部分をもたない区間の和集合として表現されるが, そのような区間に対応するノードで一次元の領域探索をすることでに含まれるSの点を効率的に列挙できる.
-木は次元の空間の領域分割を表現するデータ構造の一つであり, 2次元の場合では, 根に全体領域が対応し, その左右の子には座標に注目して左右に二等分された点集合の領域が対応する. 次に分割された左(右)点集合領域を座標に基づいて上下に二等分しそれぞれ左(右)の子の左右の子に対応させる. 以下交互に繰り返して対応する領域に点が1個になったら分割を終了する. この分割法を表現したものが2-木である. 次元のときは, 座標, 座標, , 座標といってまた, 座標に戻り循環しながら分割していったものを表現する. これに対して, 四分木は次元平面の領域分割を表現するデータ構造で, 根に全体領域が対応し, 根のつの子には座標の中央値および座標の中央値を通る水平線および垂直線をひいて四分割された部分領域が対応する. さらにそれぞれの子に対応する部分領域を同様に水平線および垂直線で四等分しての4つの子に対応させる. このようにして得られる分割を表現するデータ構造が四分木である. 分割された領域に対象物がなくなると分割を停止する.
-木も四分木も探索は同様で, 軸に平行な質問長方形が与えられたとき, と共通部分をもつ領域に対応するノードで1次元の領域探索をすることでに含まれるの点を効率的に列挙できる.
八分木 (octree)は3次元空間の点の集合の分割を表現するデータ構造で, 3次元の領域探索などに用いら, 2次元平面における四分木に対応する. 計算幾何の様々な探索問題に対するアルゴリズムとその詳細については文献 [1] を参照のこと.
[1] 伊理正夫監修, 腰塚武志編集, 『計算幾何学と地理情報処理(第2版)』, 共立出版, 1993.
[2] N. Sarnak and R.E. Tarjan, "Planar Point Location Using Persistent-Search Trees," Communications of the ACM, 29 (1986), 669-679.
木
木
木
木
木
木
木
木
木曜日
木(tree)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 19:56 UTC 版)
「制約論理プログラミング」の記事における「木(tree)」の解説
論理プログラミングでは任意の有限木(tree)を表す項(term)を基本データとしているため、制約論理プログラミングでも木は基本的な計算領域として扱うことができる。ユニフィケーションによる等号制約(=)が基本的な制約である。項は以下の再帰的な定義で表される。 任意の定数 c は項である。 任意の変数 X は項である。 任意の関数記号 f と複数の項からなる複合項 f(t1, .. ,tn) は項である。 例えば、f(X,g(a,b,h(Y))) は項である。データの並びを表すリスト(例: [1,2,3] )も先頭要素と残りの要素の2つの引数からなる項の特別な表現方法と見なすことができる。 制約論理プログラミング言語のProlog Ⅲは無限木の等号制約と不等号制約を扱うことができる。
※この「木(tree)」の解説は、「制約論理プログラミング」の解説の一部です。
「木(tree)」を含む「制約論理プログラミング」の記事については、「制約論理プログラミング」の概要を参照ください。
木
出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 07:29 UTC 版)
発音(?)
名詞
熟語
手書きの字形について
木
「木」の例文・使い方・用例・文例
- 雨が降らなかったせいで草木が枯れてしまった
- その木は実がたわわになっている
- 道路の向こう側に木がある
- 木が道路に倒れている
- これらの木は東京の湿気の多い気候によく適応している
- 彼女は木にもたれ掛かっていた
- 秋の色に赤々と輝く木々
- 木材の長さに目をやる
- 通り沿いの桜の木
- 木に囲まれた城
- 木を3メートルずつ離して植えた
- 周囲が10メートルの太い木
- 彼は木曜日にヨガの教室に通っている
- この木の葉は秋には黄色くなる
- 彼の木綿のズボンはまるでスカートのように膨らんでいた
- 冬になると木々の葉が落ちる
- 実を結ばなくなった老木
- この木はあまり実がならないだろう
- よく実のなる木
- 木の葉が色を変えると,まもなく冬がくる
木と同じ種類の言葉
品詞の分類
「木」に関係したコラム
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