しん‐どう【振動】
振動
物体がある一点を中心に,ある周期をもってゆれ動くことですが,この動きによって人の生活等が阻害されることを振動による公害といいます。したがって,公害を発生させる振動は「不快な振動」「好ましくない振動」といえます。振動 (しんどう)
振動
ある量が、基準値付近で時間とともに大きくなったり小さくなったりする現象のことで、機械系、電気系などあらゆる分野で用いられる用語である。自動車ではおもに機械振動が対象になる。振動を表すには、変位、速度、加速度などに加えて、どの周波数成分がどの程度の振幅であるかを示す必要がある。振動にはその発生状態からいくつかに分類される。加えていた力を取り除いたあとに起こる振動を自由振動(突起を乗り越えたあとに数回起こる車体の上下振動など)、加えつづけている力で定常的に起こる振動を強制振動(運転時のエンジン振動など)、継続時間が1秒にも満たないような、非常に短い振動を衝撃振動という。
参照 周波数振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/20 15:36 UTC 版)
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振動(しんどう、英語: oscillation)は、周期運動(periodic motion)の一種。状態が一意に定まらず揺れ動く事象をいう。英語では、重力などによる周期が長い振動と、弾性や分子間力などによる周期の短い振動は別の語が充てられる[1]が、日本語では周期によらず「振動」という語で呼ばれる。周期性のある振動において、単位時間あたりの振動の数を振動数(または周波数)、振動のふれ幅を振幅、振動の一単位にかかる時間を周期という。
概要
振動は、同じ場所での物質の周期的な運動であるが、物理学においてさまざまな現象の中に現れ、基本的な概念の一つとして扱われる。物理的にもっとも単純な振動は単振動である。また、振動する系はそれぞれ固有振動(数)をもつ。振動の振幅を減少させる要因がある場合には、振動が次第に弱まる減衰振動となる。外部から一定の間隔で力を与えることなどにより振動を引き起こすことを強制振動とよぶ。強制振動の振動数がその系の固有振動数に近い場合、共振(または共鳴とも)を引き起こす。
振動は、自然現象の理解において、なくてはならない基礎的な概念である。波動は、空間的な広がりをもつ振動であると解釈することができ、波と振動は相互作用することが多い。古典物理学だけでなく、電磁気学では、電気回路や電場・磁場の振動を扱う。
公害としての振動
物が振動すると、音や衝撃を発生させるため、強度の振動は構造物や人体に重大な影響として現れる。この振動が発生する原因としては、自動車や工事などの機械による振動や、地震などの自然原因による振動などがある。
日本では振動は環境基本法で定義されている公害のひとつであり、振動規制法によって規制される。主に、幹線道路を走行する自動車、鉄道を走行する車両、工場の機械設備や土木建築現場の建設機械などの作動によって引き起こされ、周辺住宅などに与える振動は公害とみなされる。
また、上記の公害とは別に、回転機器などにおいては、固有振動と一致すると共振によってより大きな振動となり、破損にいたることもある。
事象の大きさによる分類
- 振り子など、マクロな事象には古典力学で扱われる。自由振動などを参照。また、振動している物体からは音波が発生する。
- 熱振動など、ミクロな事象は量子力学的に扱われる。結晶中の格子振動はフォノンとして、分子内の振動は振動準位として記述される。理論的には、調和振動子として近似的に扱われることも多い。不確定性原理に由来する振動は零点振動を参照。
数学における振動
数学においては、関数や数列の極限が定まらないとき、振動するという。極限や振動 (数学)を参照。
代表例
力学
量子力学
熱力学
気候と地球物理学
化学
電気回路
音響
光学と電磁気学
振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 15:54 UTC 版)
もっとも狭義の乗り心地は、振動に関するものである。人体の振動に対する感覚は、振動の向きと周波数に依存しており、どの程度の振動を人体が等しく感じるのかを実験により測定し、等感覚曲線を描くことで振動の影響を評価する仕組みを用意している。 国際標準化機構 (ISO) では、西ドイツの基準を参考に1974年にISO 2631として「全身振動の評価法」という国際基準を定め、その後1985年にpart 1からpart 4の評価対象振動ごとの規格にまとめられた。この際に1974年の規格はISO 2631-1となったが、内容はほとんど変更されなかった。1997年の改定によってISO 2631-1は大きく改変されている。 ISO 2631-1において振動を評価する際には、人体を基準に振動の向きを定めている。立っているとき、座っているときのいずれも、身体の前後方向がX軸、左右方向がY軸、上下方向(頭と尻または足を結ぶ方向)がZ軸となる。寝ているときも同様の向きであるが、床面に対する人体の向きが変化したため、床面方向がZ軸、床面と鉛直方向がX軸となる。同一の振動であっても、座っているあるいは立っているときと寝ているときで、異なる向きとして評価されることになるので、人が寝ることがある建屋内などでの振動測定において問題となる。ISO 2631-2においてはこの問題に対応するために、Z軸とX/Y軸の複合特性で評価する方法を規定している。 振動が人間の健康、快適性、知覚、動揺病に影響を与える程度は、振動の周波数に依存する。また振動の向きに応じても異なるため、振動の軸ごとに周波数に応じて補正をかける係数が用意されている。ISO 2631-1では、周波数補正特性として主要補正特性のWk、Wd、Wfの3種類、さらに付加補正特性としてWc、We、Wjの3種類を用意しており、以下のような用途が定められている。 周波数補正特性の適用に対する概略指針周波数補正特性健康快適性知覚動揺病Wkz-座席 z-座席, z-立位, 垂直臥位, x,y,z-足部 z-座席, z-立位, 垂直臥位 - Wdx-座席, y-座席 x-座席, y-座席, x,y-立位, 水平臥位, y,z-背中 x-座席, y-座席, x,y-立位, 水平臥位 - Wf- - - z Wcx-背中 x-背中 x-背中 - We- rx,ry,rz-座席 rx,ry,rz-座席 - Wj- 垂直臥位(頭部) 垂直臥位(頭部) - たとえば、座った状態の人間の快適性を評価する際には、Z軸方向はWkで、X軸とY軸方向はWdで補正する。主要補正特性(基本特性)に関しては外部リンクのように補正特性が与えられており、たとえば座った状態のZ軸に関する補正特性であるWkに関していえば、4ヘルツから12.5ヘルツの範囲が感覚的にもっとも敏感であるとされる。 こうした周波数補正特性をかけて計算した時刻tにおける振動加速度の瞬時値を a w ( t ) {\displaystyle a_{w}(t)} (単位は並進振動に対してメートル毎秒毎秒 m/s2、回転振動に対してラジアン毎秒毎秒 rad/s2)とし、測定時間をT秒間としたとき、 a w = ( 1 T ∫ 0 T a w 2 ( t ) d t ) 1 2 {\displaystyle a_{w}=\left({\frac {1}{T}}\int _{0}^{T}a_{w}^{2}(t)dt\right)^{\frac {1}{2}}} …(1) の式で振動加速度の実効値 a w {\displaystyle a_{w}} を求める。ただしこれは波高比(英語版)(クレストファクター)が9未満の場合に適用される。 波高比が9以上となる、時折発生する衝撃の不快さを評価するためには、別に2つの測定方法が定義されている。1つは移動実効値法で、短い積分時定数を使用して時折の衝撃と過渡振動を考慮に入れる。周波数補正特性をかけて計算した時刻tにおける振動加速度の瞬時値を同様に a w ( t ) {\displaystyle a_{w}(t)} 、移動平均に対する積分時間を τ {\displaystyle \tau } 、時間をt、観測の時間を t 0 {\displaystyle t_{0}} としたとき、 a w ( t 0 ) = ( 1 τ ∫ t 0 − τ t 0 a w 2 ( t ) d t ) 1 2 {\displaystyle a_{w}(t_{0})=\left({\frac {1}{\tau }}\int _{t_{0}-\tau }^{t_{0}}a_{w}^{2}(t)dt\right)^{\frac {1}{2}}} …(2) を計算し、MTVV (Maximum Transient Vibration Value) をMTVV=max( a w ( t 0 ) {\displaystyle a_{w}(t_{0})} )として与える。ISOでは、MTVVの計算において τ = 1 {\displaystyle \tau =1} 秒を用いることを勧告している。これは、波高比9未満の場合の実効値計算法を1秒ずつ行い、その中で最大のものを採用することに相当する。 もう1つの方法は4乗振動ドーズ法(VDV法)で、(1)式において、2乗ではなく4乗を使うことで、時折発生する強い衝撃に敏感に反応するようにするものである。 こうして求めた周波数補正特性振動加速度実効値は、周波数補正特性の計算が振動軸ごとであることから各軸別になっている。そこで多軸振動を評価するために、以下の式が与えられている。 a v = ( k x 2 a w x 2 + k y 2 a w y 2 + k z 2 a w z 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{v}=\left({k_{x}}^{2}{a_{wx}}^{2}+{k_{y}}^{2}{a_{wy}}^{2}+{k_{z}}^{2}{a_{wz}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(3) ここで a w x , a w y , a w z {\displaystyle a_{wx},a_{wy},a_{wz}} は、X軸、Y軸、Z軸について(1)式で求めた周波数補正特性振動加速度実効値で、 k x , k y , k z {\displaystyle k_{x},k_{y},k_{z}} は次元のない倍率因子である。この式で求めた全体値は快適性の評価のときだけに使うべきだとされているが、特定の軸が卓越していないときは健康の安全面の評価にも用いられることがある。 健康に対する振動評価をするとき、 k x = k y = 1.4 , k z = 1 {\displaystyle k_{x}=k_{y}=1.4,k_{z}=1} を使用して周波数補正特性振動加速度実効値を求める。健康への影響に関しては振動に暴露される時間も影響することから、実効値と暴露時間の2軸に対して、健康に危険があると判断される領域を定義する健康指針警戒区域が定められている。実効値で0.5 m/s2の振動のとき、暴露時間が8時間を超えると危険があるとされ、より大きな振動では暴露時間がより短くても危険であると判定される。 一方、座っている状態の人に対する快適性の評価に関しては、座面上のX、Y、Z軸およびこれらの軸の周りの回転 r x , r y , r z {\displaystyle r_{x},r_{y},r_{z}} 、および背もたれと足部における並進軸(X、Y、Z軸)の合計12個の変数に対して評価する方法が以下のように定義されている。 座面: a s z = ( x s 2 + y s 2 + z s 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{sz}=\left({x_{s}}^{2}+{y_{s}}^{2}+{z_{s}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(4) 座面の回転: a s r = ( 0.63 2 r x 2 + 0.4 2 r y 2 + 0.2 2 r z 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{sr}=\left(0.63^{2}{r_{x}}^{2}+0.4^{2}{r_{y}}^{2}+0.2^{2}{r_{z}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(5) 背もたれ: a b = ( 0.8 2 x b 2 + 0.5 2 y b 2 + 0.4 2 z b 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{b}=\left(0.8^{2}{x_{b}}^{2}+0.5^{2}{y_{b}}^{2}+0.4^{2}{z_{b}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(6) 足部: a t = ( 0.25 2 x t 2 + 0.25 2 y t 2 + 0.4 2 z t 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{t}=\left(0.25^{2}{x_{t}}^{2}+0.25^{2}{y_{t}}^{2}+0.4^{2}{z_{t}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(7) (4) - (7)式の合計値として以下のように計算する。 a s e a t = ( a s z 2 + a s r 2 + a b 2 + a t 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{seat}=\left({a_{sz}}^{2}+{a_{sr}}^{2}+{a_{b}}^{2}+{a_{t}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(8) 公共交通機関における乗り心地の評価としては、ISO 2631-1では(8)式の値に対して以下のように与えている。 0.315 m/s2より小さい: 不快でない 0.315 - 0.63 m/s2: 少し不快 0.5 - 1 m/s2: やや不快 0.8 - 1.6 m/s2: 不快 1.25 - 2.5 m/s2: 非常に不快 2 m/s2より大きい: 極度に不快 ただし、鉄道車両のように振動条件が変化する場合には、振動加速度実効値の分布から統計的に求める方法なども提案されている。このほかに動揺病(乗り物酔い)の起こしやすさを評価する方法もある。 高速鉄道において多く発生する30ヘルツ前後の振動に関しては、ISO 2631-1の周波数補正特性では低すぎる評価となるという指摘もされている。
※この「振動」の解説は、「乗り心地」の解説の一部です。
「振動」を含む「乗り心地」の記事については、「乗り心地」の概要を参照ください。
振動
「振動」の例文・使い方・用例・文例
- 電車の振動でその子は寝入ってしまった
- エンジンの規則的な振動
- 耳小骨連鎖は中耳の中で音の振動を増幅させるシステムである。
- 音が鼓膜に届くと鼓膜は振動する。
- 電話の受話器の振動板
- 落下試験と、振動試験で確かめる。
- 振動検査の結果を手に入れることは出来ますでしょうか?
- 電車が通るたびに家が振動する。
- その機械に振動や衝撃を与えないでください。
- あなたはその装置を振動させないで下さい。
- 振動の原因を解明する
- 1秒あたりの振動数
- 振動電流.
- 振り子の振動.
- エンジンの振動.
- 超音波振動.
- 弦は弾くと振動する.
- 彼らの家は重い車が外を通るたびに振動した.
- 時計の振り子の振動をいつまでもじっと見ていた.
- 時計の振り子が振動する
振動と同じ種類の言葉
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