兵庫県加古川市で2007年に小学2年女児を刺殺したとして、県警は27日、殺人容疑で勝田州彦容疑者（45）を再逮捕した。容疑者は04年の女児殺害事件で服役中の今月、06年の同県たつの市の小4女児刺傷容疑で逮捕された。17年間未解決だった刺殺事件は重大局面を迎えた。県警は連続女児襲撃事件を視野に全容解明を急ぐ。捜査関係者が明らかにした。

容疑者は午前10時25分ごろ、捜査本部がある加古川署への移送のため、たつの署前で待ち構える報道陣の前に姿を見せた。頭にフードを深くかぶってマスクをしており、表情はうかがえなかった。背中を丸め、しっかりとした足取りで移送車に乗った。

捜査関係者によると、再逮捕容疑は07年10月16日午後6時ごろ、加古川市の小2女児（当時7）宅の玄関先で、刃物で刺して殺害した疑い。

女児は自宅近くの公園で遊んだ後、1人で自転車で自宅へ。家の脇に自転車を止めて玄関に入る直前に刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は失血死で、意識があった搬送時、救急隊員に「大人の男」に刺されたと話した。

県警は殺人容疑で加古川署に捜査本部を設置。これまで延べ5万人超の捜査員を投入してきたが、物証や目撃情報が乏しく難航していた。

だが今年5月以降、未解決だった加古川市とたつの市の両事件と類似点があるとして、04年の岡山県津山市の小3女児刺殺事件で無期懲役判決を受け服役中の容疑者を任意聴取。容疑者は7月以降に両事件への関与をほのめかしたとされ、今月7日にたつの市の事件の殺人未遂容疑で逮捕された。（共同）