(4)奥歯の“白い被せもの”の保険適応条件緩和
保険歯科診療において今年のトピックスは6月から奥歯の白い被せものの適応条件が緩和したことだろう。一般社団法人「ジャパンオーラルヘルス学会」(旧日本歯科人間ドック学会)副理事長で市川歯科医院(東京・虎ノ門)の市川信一院長が言う。
「一般にはまだその情報が浸透していないせいか、患者さん自身が積極的に求めてくることはありませんが、条件に合致する人に説明すると、大半の患者さんはCAD/CAM冠を希望されます」
CAD/CAM冠とはレジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材をコンピュータで設計したデータを基に機械で削り出して作る白い被せもののこと。従来のものより短時間で作れるメリットがある。ほかに天然歯に近いから大口を開けて笑っても気にならない、金属を使ってないので金属アレルギーの人も心配ない、などの利点があるとされる。
しかし、これまで奥歯に関しては、CAD/CAM冠は金属アレルギーのある人を除いては第二大臼歯が上下左右4本すべてがそろった人にのみ、第一大臼歯への使用が認められていただけだった。奥歯には強い咬合圧がかかるからだ。