富士通 “サグラダファミリア”みずほ銀、2回止めた東証…流動性なきタテ社会で、入社以来40年ずっと同じシステムを見る先輩も
大卒後、SE職で新卒入社し4~5年で現在のコンサル会社に転職したインタビュイー(現在20代) |
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- 非開示の離職率「5年で3~4割」
- 富士通に採用されやすいタイプ
- 上位が香港研修に行けるプレゼン大会も
- プロジェクトの流れ
- SEの組織&プロジェクト体制図例
- やりがいはデカいプロジェクトの成功
- 「タテすぎる組織」「技術やらないSE」がギャップ
- 客先常駐、勤務地は8割首都圏
- 有休「年15日も取れるはずがない」
- 使われないカムバック制度
- バランス型、国立大卒に適している
非開示の離職率「5年で3~4割」
富士通は2011年以降の10年間、新卒を年500~750人、安定して採用し続けている。社員32,568人(単独=2020年3月末)の会社にしては、多くもない。離職率は非開示だが、「新入社員研修のクラスで一緒になった人たちでいうと、私の知る範囲で、入社5年以内に3~4割が辞めています。優秀な人から辞めていると感じます」(元社員=以下同)。年1050人ずつ採用し続けても、その3割が辞めると、現状の3万人規模は維持できない。
同社の新入社員は、2つのタイプに分けられるという。
②:終身雇用を求める安定型の人
「同期を見ていると、①と②が3:7くらいの割合のイメージ。②の人も、不満はあるので転職活動はしているのですが、辞めそうにないです」
辞めてもいいし、残ってもいい。選択の幅が広がる点で、やはり大企業からキャリアをスタートさせるメリットは大きい。なかでも、同期との人間関係は財産となる。「新卒入社組は仲がよくて、ネットワークができたのが大きいです。3か月の新人研修では、40人のクラスに分かれて、3回クラス替えがあるので、120人と顔なじみになる。そこでできた同期の友人たちとは、今も毎月会って、情報交換しています」
学校みたいだ。ベンチャーにはこれがない。
富士通に採用されやすいタイプ
採用プロセスから、具体的に見ていこう。年によって微妙に変わるが、大枠は同じだ。2010年代のある年は、4つの職種に分けて総合職のみを採用。①営業(110人)、②SE(200人)、③開発(150人)、④法務や財務などのコーポレート(40人)で、計500人だった。
純粋な理系は「開発」の人たちで、AI技術者など。デバイス開発やスパコン研究(「京」「富岳」などで有名)の部署に、配属先が内定時から決まっている。研究室推薦の院卒・博士卒がメインで、国立大卒が多い。逆に、営業は私大文系の学卒が中心だ。SEはその中間で、私大と国立大で半々くらい、文系・理系も半々、といったところである。
「大学では、横国が多い印象があり、あとは北大、阪大など旧帝大。私大は早慶中心で、下は
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採用ページでは紹介されているが、外国人はレアキャラで、1%しかいない。
富士通のデリバリー組織全体像
デリバリー組織図とプロジェクト体制図例
富士通ソリューションスクエア(大田区蒲田)
社員が利用できる各種制度の利用者数。カムバック制度は数字がなく、利用者ゼロらしい。
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2020年10月1日、富士通は「当社の納入したハードウエアに障害が生じて多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを、おわびいたします」と謝罪声明を出した。東証は2005年と2012年にも、システム障害を起こしている。
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