[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ベイカレント〝コンサルバブル〟で年収相場も上げ潮、シニコンで1100、マネージャー1400万円に

情報提供
1枚目インタビュイー写真
麻布台ヒルズ森JPタワー入館証となる身分証はiPhoneに搭載。シニコン以下がse3、マネージャ以上はiPhone15。社用PCはThinkPad「X13」。マネージャ以上はVAIOも選べる。

ITエンジニア派遣会社「PCワークス」(本社・藤沢市)をコンサルに衣替えして急成長を遂げたベイカレント。今年1月には、虎ノ門ヒルズから10年ぶりに麻布台ヒルズに本社移転した。「自分が入社した頃は、社用PCの貸与すらなく、(ハケンさんが派遣先企業のPCを使うように)クライアント企業から借りて使え、と。社員名簿もなくて、いろいろ未整備な組織でした。今では、夜はバーカウンターになってアルコール類も買える、洒落たカフェまである。『なに気取ってんだよ』というのが正直な感想です」――。コロナ禍より以前、まだコンサル数が1千人前後だった頃に入社し、コンサル数4倍、売上が5~6倍に爆増する成長過程を内部から見てきた〝ベテラン〟マネージャー(30代)に、同社の実情を聞いた。

Digest
  • キレイすぎてとまどうオフィス
  • 年収水準が上がり、昇進基準は厳しく
  • 個人売を含まない「マネ売」マネージャー昇格には2億円
  • シニマネは10人超のチーム×複数の成功が必要
  • 複数案件に入るエキスパートキャリア
  • 上層部の降格を開始
  • 401Kをやっと導入

ベイカフェ
13階にある『BAY CAFE』。応接フロアからも行けて、南東方面には、お客さんと東京タワーをバックに記念撮影するスポットも。

キレイすぎてとまどうオフィス

ベイカレントコンサルティングは、ビルとして日本一の高さとなった『麻布台ヒルズ森JPタワー』(約330メートル)12~14階の3フロアに入居。高いコンサルフィーを原資とする高い賃料スペースでぜいたくに運営される自社専用の喫茶コーナーは、13階の一角にある。その名も、『BAY CAFE』。

この13階の半分と14階すべてがコンサルの作業場で、フリーアドレスの予約制で運営されている。12階は、3分の1が、同社の中心ともいえるプロデュース本部(旧BP部隊)で、残り3分の2がバックオフィス部門と、応接会議室である。

麻布台ヒルズ全景
採用面接でもルックスを採点する会社らしさで、まずは見た目から。日本一の高さを誇る一等地のビルに入居。今でもシニマネ以上は経費でイメージコンサルティングを受け、アドバイスに沿って自費でファッションや小物、髪形を整える。

「麻布台ヒルズに移転したときは、キレイすぎてとまどいました。虎ノ門時代は駅を降りてすぐオフィスでしたが、麻布台ヒルズは神谷町駅からビルまでが遠くて、『ガーデンプラザA,B,C』を通り抜けて、タワーに辿りつくまで10分くらい、左右ブランドショップ街を通り抜けます。インバウンドの外国人観光客だらけで、仕事モードな場所ではなく観光地。ランチ相場も1500円から。時間もないので、昼はオフィスまで来る600円くらいの弁当ケータリングサービスで済ます人が多いです」(30代社員、以下同)

コンサル会社のフリーアドレス制はごく一般的であるが(※珍しいところでは三井物産も本社建て替えを機に導入)、あえて予約制にしているのは、やはり2024年春で4千人にもなったコンサル数を抱えながら、実質1.5フロアだけでは、座席数に余裕がないから。

「概算で1フロア600人分くらいの座席数(つまり900席)。プロジェクトワーク優先で、アベイラブル(クライアントにチャージできていない状態)だと別オフィス送りとなり、本社オフィスは予約できません。巨大プロジェクトでは、オランダヒルズなど近くのオフィスを別途、借りています。全体の半数くらいは、クライアント先のプロジェクトルーム常駐、というイメージです」

年収水準が上がり、昇進基準は厳しく

ベイカレントのキャリアパスと報酬2024
ベイカレントのキャリアパスと報酬水準

快適なオフィス環境は会社選びで1つの基準とはなるが、より重要なのは社員の賃金水準であろう。2024年2月期は31.6億円をオフィス関連費用(オフィステナント料+移転費用+減価償却費)として計上しており、社員1人あたり約80万円。過半の社員は、麻布台のオフィスに来ないで働く。これで給料のほうが安かったら本末転倒である。

過去7~8年のコンサル業界の伸びはバブルの様相を呈しており、ベイカレントを含む総合コンサル会社――ビッグ4(デロイト、PwC、EY、KPMG)、アクセンチュア、アビーム――の給与水準相場は、20年ほど前と比べ、3~4割上がっている。

コンサル業界は、コンサルの頭数×単価×チャージ率で会社の売上高が決まる単純な人工(にんく)商売で、Tech企業のようなレバレッジはきかない。急成長するには、コンサル数を増やすことが大前提となり、そのうえで相応のプロジェクトを獲得し続け、炎上せず課金(チャージ)を続けられるか、となる。「高給人材派遣業」と呼ばれる所以だ。

1300万円の改定通知書
給与改定通知書(マネージャー)

ベイカレントは、過去3年で売上を倍増させ、コンサル数も2倍に増やした。労働市場において賃金の競争力がなければ、質を保ちながらの「かき集め採用」はできない。実際、ベイカレントの年収は他の総合コンサル会社よりも、少し高めである。過去5年でも同じランクで約100万円は上がっている。

各ランクの年収と昇進するための基準は以下で説明するとおり。毎年4月1日から報酬が改定される。

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り3,956字/全文5,720字

それぞれの指標を達成できれば昇格

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、こちらよりご連絡下さい(永久会員ID進呈)
新着記事のEメールお知らせはこちらよりご登録ください。