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調査報告書

国境なき医師団は、活動現場で目撃した危機的状況を国際社会に伝えるため、個別のテーマで独自に調査・編さんした報告書を随時発表しています。

ピックアップ

報告書『Gaza: Life in Death Trap(ガザ・死の罠の中で生きる)』(2024年12月)   

2023年10月7日から激化した、パレスチナ・ガザ地区での紛争。イスラエル軍の攻撃で4万4000人以上が殺害され、10万5000人以上が負傷。人口の約9割の190万人が避難を余儀なくされた。24年10月中旬現在、ガザ地区に36ある病院の過半数は機能停止に追い込まれている。国境なき医師団(MSF)は、14カ月にわたって繰り返された民間人への攻撃、医療施設を含む社会インフラの破壊、人道援助活動の拒否というイスラエルの行動を目撃してきた。12月18日に報告書『Gaza: Life in Death Trap(ガザ・死の罠の中で生きる)』を発表。ガザ地区の深刻な人道状況をまとめるとともに、イスラエル当局の行動を強く批判。イスラエルの同盟国に対し、イスラエルへの無条件の支援を止め、明らかに民族浄化の兆候が見られるガザ地区北部でのジェノサイド(集団殺害)を防ぐ義務を果たし、人道支援を拡大するよう呼びかけた。

報告書『Driven to oblivion: the toll of conflict and neglect on the health of mothers and children in South Darfur(忘却の彼方へ:南ダルフールの母子の健康に及んだ紛争と放置の代価)』(2024年9月)

2023年4月からおよそ1年半にわたり内戦が続くスーダン。全土で続く戦闘で、医療は壊滅的な影響を受けている。国境なき医師団(MSF)は2024年9月、報告書『Driven to oblivion: the toll of conflict and neglect on the health of mothers and children in South Darfur(忘却の彼方へ:南ダルフールの母子の健康に及んだ紛争と放置の代価)』(英文) を発表。南ダルフール州で妊産婦や子どもが予防可能な症状で命を落としている現実を報告している。
現在、医療、食料、生活インフラに膨大なニーズがあるにも関わらず、国際的な対応は全く足りていない。MSFは、国連、国際機関、資金拠出機関と援助国に対し、妊産婦の健康と栄養対策における資金の増額、活動の拡充、物資の供給を緊急に行うよう求めた。

報告書『 A War On People: The Human Cost of Conflict and Violence in Sudan (人びとに対する戦争―スーダン内戦と暴力による犠牲者)』(2024年7月)

2023年4月から内戦が続くスーダン。国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」およびその支援組織が、全土で凄惨な暴力を振るっている。市民の保護体制は崩壊し、人びとは無差別の攻撃、拷問、性暴力にさらされている。医療従事者や医療施設への攻撃も繰り返され、市場や住宅も破壊されるなど、壊滅的な被害をもたらしている。国境なき医師団(MSF)は2024年7月、患者やスタッフから聞き取った証言をまとめた報告書『A War On People: The Human Cost of Conflict and Violence in Sudan(人びとに対する戦争―スーダン内戦と暴力による犠牲者)』(英文)を発表。紛争当事者に対し、市民とそのインフラや住宅地に対する攻撃の即時停止と、人道援助の規模拡大を要請した。

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