落語家の笑福亭鶴瓶さんが出演するCMなどを公式サイトなどから削除していたスシローが、一転してそのことを詫びる文書を発表したことが大きな話題となっている。
報道によれば、中居正広氏が女性トラブルに関連したとされるバーベキューに、鶴瓶さんが参加していたことを過去の番組内などで明かしていたことから、スシロー側はそれを受けてか鶴瓶さんが出演のCMなどが告知なく削除。
当初スシロー側は「所属事務所様を通じて当初の報道に対し書面にてご見解を頂きましたが、状況の全体像が不明確であったため、所属事務所様にお伝えした上で、広告素材の使用を一時見合わせるという判断をいたしました。」と説明していた。
ところがネット上などからは、このスシロー側の対応に関して流石に過剰反応だという声が相次ぐ格好となり、逆に炎上状態に。この騒動を受けて出された今回の文書には「笑福亭鶴瓶様および所属事務所の皆様にもご迷惑とご心痛をおかけし、深く反省しております。」との反省の弁が。また今後、広告などを順次再開することも報告されている。
不祥事3連発によるイメージ低迷後からCM出演
2024年7月時点での国内における店舗数は644店と、はま寿司・くら寿司といった他のライバル回転寿司チェーンを抑えて、店舗数ベースでは国内1位の座にあるスシロー。
今回取沙汰されている笑福亭鶴瓶さんといえば、2023年よりイメージキャラクターとしてCMなどに出演しており、いわば同チェーンの顔といった存在だ。
この23年のタイミングといえば、その前年である22年6月には在庫のないウニやカニをキャンペーン品として宣伝し、景品表示法に基づく措置命令を受けた“おとり広告”騒動を皮切りに、続く同年7月には店内に「ビール半額」とのポスターを掲げながら、実は定価で販売していたことが発覚し、大いに顰蹙を買うという出来事が。
さらに同年8月には、テレビ番組の企画では高価なメバチマグロのみを使用と謳いながら、実際には安価なキハダマグロを用いていたという“偽造マグロ”疑惑の浮上という、まさに“不祥事3連発”で、世間からの評判がガタ落ちになっていた。
そんな時期に鶴瓶さんはスシローのイメージキャラクターとなり、失墜した同チェーンのイメージ回復に一役買っていたわけだが、そんなある意味で“恩人”である鶴瓶さんを、一時的ではあるもののあっさりと切り捨てようとしたということでも、今回批判が大いに集まることに。
なんでも、先述した鶴瓶さんのバーベキュー報道の影響で、スシローには「お客様から様々なご意見を頂戴いたしました」ということで、要はクレーマーといった類の向きからの突き上げに対して、すっかりビビッて広告を止めてしまったというのが実情のよう。
それが今度、それ以上の数の批判を集める大炎上になったことを受けて、あわてて復活させるという、なんともダサいムーブを取ることになったのだが、ネット上ではスシローに対し「カスハラに簡単に屈する企業」といった声もあがるなど、またもや評判が下がる格好となったようだ。
ワイ、スシロー好きなんだよなぁ。
でもごめんな。
カスハラに簡単に屈する企業は好きじゃないんで鶴瓶さんを復活させるまで絶対に利用しません。— キング・オブ・にゃんにゃんちゃん (@arekarasan) January 30, 2025
スシローさん、鶴瓶さんのCMもやめるの?直接お電話した方がいるのかしら?
どこの企業も、クレーマー対応が過剰すぎます。カスハラ対応には毅然と対応しましょうと、なっできてるのに…#スシロー
— MoMo (@ChaduStay) January 29, 2025
マレーシア出店を果たすなど海外進出は順調
とはいえ、スシローに限らず大手の飲食チェーンといえば、個人客商売であることはもとより、優待目当ての個人投資家が株を多く所有していることもあり、世間からの評判や声には殊更敏感にならざるを得ないのは、理解できなくはないところ。
実際、上記の“不祥事3連発”で世間を騒がせていた時期は、スシローの持株会社である株式会社FOOD&LIFE COMPANIESの株価はピーク時の半分まで下落。さらに、その後のいわゆる“寿司テロ騒動”の勃発時にも株価が急落し、ほぼ一日で時価総額168億円が吹き飛ぶといった、苦い経験もあったのも記憶に新しい。
それだけに今回、いわゆるカスハラやネットの声に右往左往するという、何とも情けない姿を見せた同社の株価は、もちろん下落か……と思いきや、7日は3,545円の始値から俄かに急騰し、終値は622円高の4,140円と、なんと17.68%の値上がりとなったのだ。
なんでも、この7日に発表された2025年9月期第1四半期決算が、売上収益991億4100万円(前年同期比15.9%増)、営業利益95億7900万円(56.4%増)などと、すこぶる好調だったことが大きかったよう。
さらに同日の日経の朝刊には、マレーシアのクアラルンプール市内に同国では初、また東南アジアでは4か国目となるスシローが開店したことが報じられ、同チェーンの海外進出が軌道に乗っていることをアピールできたことも、株価高騰の理由となったようだ。
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