新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古沖で、渡り鳥アジサシの繁殖地になっている岩礁(通称シュワブ岩)に緑色のネットが掛けられていることが30日、分かった。市民らは「工事でジュゴンが姿を消し、ウミガメも浜辺を追われ、アジサシの飛来も減った。さらに巣作りも奪うのか」と怒りの声を上げた。
シュワブ岩は埋め立て区域内にあり、シュワブ沖の平島、長島と並ぶアジサシの繁殖地。辺野古で見られるエリグロアジサシやベニアジサシは環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。
沖縄野鳥の会の山城正邦会長によると、環境省の指針では、繁殖が始まっている場合は終了まで見守る必要がある。一方、繁殖していなければ事業主が営巣防止対策を取ることができるという。山城会長は「毎年のように飛来・繁殖がある場合、今回の対策が適切なのか」と疑問を呈した。
沖縄防衛局は同日、沖縄タイムスの取材に「環境省の指針に基づいてネットは28日に設置した」と回答した。