2024年4月に岩手県盛岡市で、16歳未満の教え子の少女にわいせつな行為をした罪に問われている学習塾経営の43歳の男の裁判が盛岡地方裁判所で始まった。
男は起訴内容を認め、検察側は懲役6年を求刑した。

【被害者の少女は“教え子”】
不同意性交等の罪に問われているのは、岩手県盛岡市青山の自営業43歳の男。

起訴状によると、男は2024年4月21日の午後6時ごろから約2時間の間に自宅アパートで、16歳未満の少女であると知りながら、この少女と性行為に及んだ罪に問われている。

12月18日に盛岡地裁で開かれた初公判には、紺色のジャケット姿で傍聴人と同じ扉から入廷した。
坊主頭で眼鏡を着用した中肉中背。真面目そうな表情から、入廷する際は被告人だと気付かなかった。

まず、中島真一郎裁判長から起訴内容について間違いがないかを問われると、男は「間違いありません」述べ起訴内容を認めた。これにより裁判は刑の重さが争点となった。

検察側の冒頭陳述によると、男は同種の前科前歴を含め前歴が3件あり、過去には再犯をしない旨の誓約をしていた。

犯行当時は盛岡市内の自宅近くで学習塾を経営。その傍らでキッチンカーでの移動販売もして生計を立てていたという。

一方、被害者の少女はというと、男が自宅の近所に経営する学習塾にかつて通っていた、男にとっての「教え子」だった。

【誓約をやぶり別の少女にメッセージ】
検察側によると事件の発覚後、男は逮捕・勾留されていたが、被害者らとの間で示談が成立したため、処分保留で釈放されて在宅捜査に切り替わっていた。

塾の教え子たちとは今後一切連絡を取らないこと・なるべく早く県外へ転居すること・経営する学習塾を閉業すること、これらの内容で誓約書を示して約束したからだ。

しかし、男が誓約内容をあっさり破ったため、被害者側は処罰を求める感情がより強まったという。

男は「塾の教え子たちとは今後一切連絡を取らない」と誓約したにもかかわらず、釈放されて間もなく、被害者とは別の塾の教え子に携帯電話からメッセージを送信していたという。

被告人質問で弁護側がこの理由について問うと、男は「うっかり間違えて連絡してしまった」と釈明。

この上で「このほかの教え子には連絡をしていない」「これからは未成年と接することがない環境をつくる」と述べ反省の態度を見せた。

そして男は、今後は示談で誓約した内容を守り続けること、塾が入る建物は12月中に引き払い県外に引っ越すことを改めて誓った。

【最後に述べた反省の弁 裁判は即日結審】
最後に検察側は「教え子という、ある程度親密な関係性にあることを利用した」、「精神的な未熟さにつけ込んだ卑劣かつ身勝手な犯行だ」と指摘し、懲役6年を求刑。

これに対し弁護側は、被告が反省していることなどから情状酌量を求め、執行猶予付きの判決を求めた。

裁判の終わりに男は「このようなことは二度と繰り返しません」と述べ、閉廷した。

判決は2025年2月4日に言い渡される。

岩手めんこいテレビ
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