総広告費

「2018年 日本の広告費」は6兆5,300億円、前年比102.2%

  • 総広告費は7年連続のプラス成長
  • インターネット広告費は、5年連続の二桁成長
  • マス媒体由来のデジタル広告費※は、582億円(新設項目)

2018年(1~12月)の日本の総広告費は6兆5,300億円、前年比102.2%で、戦後最長といわれる景気拡大に伴って増加し、7年連続で前年を上回った。

2018年(平成30年)の広告費の特徴

  1. 2018年の総広告費は、持続する緩やかな景気拡大に伴い、通年で前年比102.2%となった。先行き不透明な世界経済や度重なる自然災害、弱含みの個人消費や高まらない所得実感など不安材料は多かったものの、好調な企業収益や雇用環境などが日本経済の成長を後押しし、また媒体別では引き続き好調なインターネット広告費が総広告費全体をけん引する結果となった。市場全体としては、まさに構造変化の真っただ中にあると言える。一方、インターネット広告のみで解決できないマーケティング課題を、従来からある媒体と組み合わせるなどして解決する統合ソリューションがより深化した。データやテクノロジーを活用し、各媒体の強みをさらに高めていく動きがより顕著となった。
  2. 媒体別にみると、「新聞広告費」(前年比92.9%)、「雑誌広告費」(同91.0%)、「ラジオ広告費」(同99.1%)、「テレビメディア広告費」(同98.2%、地上波テレビと衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は、前年比96.7%となった。「インターネット広告費」(同116.5%)は、運用型広告を中心に堅調な伸びを示し、加えて、今回初推定したマスコミ媒体由来のデジタル広告費※の増加による効果もあり(前年は仮推定・非開示)、広告費全体を大きく押し上げる結果となった。「プロモーションメディア広告費」(同99.1%)は、「交通広告」「POP」「展示・映像ほか 」が増加。
  3. 業種別(マスコミ四媒体、衛星メディア関連は除く)では、21業種中5業種で増加した。
    • 主な増加業種は、「精密機器・事務用品」(前年比123.2%、メガネ型拡大鏡)、「外食・各種サービス」(同104.0%、飲食業、人材派遣)など。
    • 主な減少業種は、「出版」(同87.2%、出版案内、婦人・家庭誌)など。

なお、2018年の名目国内総生産(GDP) の対前年伸び率は0.6%。GDPに対する総広告費の比率は1.19%で、前年より0.02ポイント増加した。

  • マスコミ四媒体由来のデジタル広告費とは、マスコミ四媒体事業社などが主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費のこと。新聞デジタル、雑誌デジタル、ラジオデジタル、テレビメディアデジタルのことで、これらのデジタル広告費はマスコミ四媒体広告費には含まれない。なお、テレビメディアデジタルの内訳である「テレビメディア関連動画広告」は、キャッチアップサービスなどインターネット動画配信における広告費のことを指す。

(1)日本の総広告費と名目国内総生産

  日本の広告費 名目国内総生産(GDP) 名目国内総生産に対する
日本の広告費の比率(%)
(億円) 前年比(%) (億円) 前年比(%)
  2005年(平成17年) 59,625 101.8 5,241,328 100.6 1.14
06年(18年) 59,954 100.6 5,268,797 100.5 1.14
改定 05年(17年) 68,235 102.9 5,241,328 100.6 1.30
06年(18年) 69,399 101.7 5,268,797 100.5 1.32
07年(19年) 70,191 101.1 5,316,882 100.9 1.32
08年(20年) 66,926 95.3 5,207,157 97.9 1.29
09年(21年) 59,222 88.5 4,895,010 94.0 1.21
10年(22年) 58,427 98.7 5,003,539 102.2 1.17
11年(23年) 57,096 97.7 4,914,085 98.2 1.16
12年(24年) 58,913 103.2 4,949,572 100.7 1.19
13年(25年) 59,762 101.4 5,031,756 101.7 1.19
14年(26年) 61,522 102.9 5,138,760 102.1 1.20
15年(27年) 61,710 100.3 5,313,198 103.4 1.16
16年(28年) 62,880 101.9 5,359,864 100.9 1.17
17年(29年) 63,907 101.6 5,451,219 101.7 1.17
18年(30年) 65,300 102.2 5,484,961 100.6 1.19

(注)名目国内総生産(GDP)は内閣府「国民経済計算確報」および「四半期別GDP速報」による。

(注)2007年に「日本の広告費」の推定範囲を2005年に遡及して改定した。(第2次)

(2) 日本の総広告費と名目国内総生産(GDP)の推移

日本の総広告費と国内総生産(GDP)の推移
日本の総広告費と国内総生産(GDP)の推移

(3) 日本の広告費(年別・媒体別前年比)

  総広告費 媒体別前年比(%)
金額
(億円)
前年比
(%)
マスコミ
四媒体
  衛星メディア
関連
インターネット プロモーション
メディア
新聞 雑誌 ラジオ 地上波
テレビ
2005年
(平成17年)
68,235 102.9 99.3 98.3 99.3 99.1 99.9 111.7 148.0 103.6
06年
(平成18年)
69,399 101.7 98.0 96.2 98.7 98.1 98.8 111.7 127.8 103.0
07年
(平成19年)
70,191 101.1 97.4 94.8 96.0 95.8 99.1 110.8 124.4 101.9
08年
(平成20年)
66,926 95.3 92.4 87.5 88.9 92.7 95.6 112.1 116.3 94.2
09年
(平成21年)
59,222 88.5 85.7 81.4 74.4 88.4 89.8 104.9 101.2 88.2
10年
(平成22年)
58,427 98.7 98.1 94.9 90.1 94.8 101.1 110.6 109.6 95.6
11年
(平成23年)
57,096 97.7 97.4 93.7 93.0 96.0 99.5 113.6 104.1 95.4
12年
(平成24年)
58,913 103.2 102.9 104.2 100.4 99.9 103.0 113.7 107.7 101.4
13年
(平成25年)
59,762 101.4 100.1 98.8 98.0 99.8 100.9 109.6 108.1 100.1

(注)2007年に「日本の広告費」の推定範囲を2005年に遡及して改定した。

  総広告費 媒体別前年比(%)
金額
(億円)
前年比
(%)
マスコミ
四媒体※
  インター
ネット
プロモーション
メディア
新聞 雑誌 ラジオ テレビ
メディア
 
地上波
テレビ
衛星
メディア
関連
2014年
(平成26年)
61,522 102.9 101.6 98.2 100.0 102.3 102.8 102.4 109.6 112.1 100.8
15年
(平成27年)
61,710 100.3 97.6 93.8 97.7 98.6 98.8 98.6 101.5 110.2 99.1
16年
(平成28年)
62,880 101.9 99.6 95.6 91.0 102.5 101.7 101.6 103.9 113.0 98.9
17年
(平成29年)
63,907 101.6 97.7 94.8 91.0 100.4 99.1 98.9 101.3 115.2 98.5
18年
(平成30年)
65,300 102.2 96.7
(27,026)
92.9
(4,784)
91.0
(1,841)
99.1
(1,278)
98.2
(19,123)
98.2
(17,848)
98.1
(1,275)
116.5
(17,589)
99.1
(20,685)

(注)2018年の( )は広告費(億円)

(注)2014年より、テレビメディア広告費は「地上波テレビ+衛星メディア関連」として区分し、2012年に遡及して集計した。

(4) 2018年 21業種のマスコミ四媒体広告費伸び率

※衛星メディア関連は除く

2018年 21業種のマスコミ四媒体広告費伸び率