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嫌がらせで退職、母娘と偽り…「これ以上は」難民認定の同性カップル

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大貫聡子 花房吾早子
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 カナダ難民認定を受けた日本人女性のカップル。彼女たちは日本でどんな経験をし、どんな思いで海を渡ったのか。

 難民決定通知書や2人への取材によると、50代のハナさんは関西地方出身。女性であることの生きづらさを感じながら生きてきた。「跡継ぎ」を望んだ祖父はハナさんが男でなかったことに落胆。両親や親族からは結婚するよう求められた。職場ではセクハラを何度も受けた。性的指向を周囲に話してからも、心ない言葉を浴びせられることが続き、2009年には自殺をはかった。

 14年にエリさんと出会い、19年4月、同性婚を認めているカナダを旅行で訪れ、結婚の届け出をした。

 帰国後の同年7月には、居住市にあった同性パートナーシップ制度を利用し、証明書を取得。「ふうふ」としての生活を始めようとした。

「借りられる家は少ない」制度で得られる法的保護は…

 だが、2人で暮らす家を借り…

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この記事を書いた人
花房吾早子
大阪社会部|平和・人権担当
専門・関心分野
原爆、核廃絶、ジェンダー、LGBTQ+
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    永田豊隆
    (朝日新聞記者=貧困、依存症、社会保障)
    2024年5月18日23時6分 投稿
    【視点】

    同性カップルの日本人女性がカナダで難民認定を受けたというニュースは衝撃的でしたが、女性たちが受けた差別や日本の後進性を知ると、カナダ政府の判断は合理的だと感じます。 不動産業者からはまともな物件を紹介されない。職場で嫌がらせをされ、異性婚と

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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年5月19日17時40分 投稿
    【視点】

    日本の難民受け入れについて取材してきた者として、色々と考えさせられました。カナダが「迫害」をかなり幅広く解釈していることに率直に驚きました。ただ、単に「偏見が強くて生きづらい」というのではなく、国に守ってもらえない(国が差別を容認している、

    …続きを読む
Think Gender

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]