渋谷区の公衆トイレ、女性用なくSNS上で議論 共用中心に建て替え
東京都渋谷区は2月、同区幡ケ谷3丁目にある公衆トイレを建て替え、個室の共用トイレ二つと、男性の小便器という構造にした。その結果、男性の小便器は残る一方で女性トイレがなくなったとして、インターネット上を中心に議論が起きている。
建て替えられたのは区立幡ケ谷公衆便所。京王新線幡ケ谷駅から600メートルほどの住宅地の一角にある。もとは男性トイレ、女性トイレ、共用の「だれでもトイレ」が1カ所ずつあった。
建て替え後は共用トイレが2カ所になった。バリアフリーでベビーベッド、オストメイト用設備などを設ける。男性の小便器は二つで、その空間と共用トイレは区切られている。
一方で女性トイレはなくなった。この点を同区の須田賢区議が3月6日、自身のツイッターで指摘し、引用ツイートが相次いだ。須田区議は取材に、「区の公衆トイレとしては、安全安心を最優先とすべきだ。防犯上の観点などから女性トイレをなくすのはおかしい」と話す。
同区は翌7日、ホームページ上で「今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くない」などとする見解を公表した。取材に対し、担当者は「性別に関係なく誰もが快適に利用できるトイレをめざすなかで、今回のように共用トイレを中心にすることもある」と説明。男性の小便器を残した理由は「共用トイレの利用が集中しすぎないようにするため」と話した。安全対策としては、区内の公衆トイレに防犯カメラの設置を計画していることを挙げた。
同区は2018年、「トイレ環境整備基本方針」を策定。「多様性を受け入れるトイレ環境づくり」「みんなが選べるトイレ環境づくり」などを掲げ、日本財団と協働で17カ所の公衆トイレの整備を進めている。整備の際は共用トイレを必ず設置しているという。
- 【視点】
性犯罪への懸念から、女性専用トイレが設置されていないことに不安を抱く女性が多いのは当然だと言えるでしょう。今回の件では、最も尊重される必要のある意見だと思います。ただし、性的多様性に配慮して「だれでもトイレ」を増やした結果、女性が不利益を被
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