記事のポイント
- ダボス会議に合わせ、今年も「世界で最もサステナブルな企業100社」が発表された
- 2025年の1位は、仏の電気・産業機器メーカーのシュナイダーエレクトリック社となった
- 日本からは昨年に引き続き、エーザイ、リコー、シスメックスの3社がランクインした
カナダのメディア・投資調査会社のコーポレート・ナイツ社は、1月22日、「2025年 世界で最もサステナブルな企業100社(グローバル100)」を発表した。今年1位に選ばれたのは、フランスの電気・産業機器メーカーのシュナイダーエレクトリック社だ。同社は2021年にも1位となり、2回首位を取った初の企業となった。日本企業では、エーザイ(35位)、リコー(51位)、シスメックス(98位)の3社がランクインした。(オルタナ副編集長=北村佳代子)
コーポレート・ナイツ社は毎年、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(通称「ダボス会議」)に合わせて、「世界で最もサステナブルな企業100社」を発表する。今年で21年目を迎える。
本調査は、売上高が10億ドル以上の世界の上場企業を対象に、環境、社会、ガバナンス(ESG)観点でのパフォーマンスを評価し、サステナブルな企業の上位100社を選定する。
本発表に際してコーポレート・ナイツ社は、米国で発足したばかりの第2次トランプ政権に触れながら、「ほとんどのビジネスリーダーは、政治の風向きが変化しようとも、気候危機の悪化に対する懸念は高まる一方にあることを認識している。気候変動がもたらす高額な影響と低炭素技術のコストの低下が、引き続きサステナブルソリューションへの投資を促進している」とコメントした。
■トップ10までの企業一覧と、日本企業3社
「世界で最もサステナブルな企業」の10位までの企業は以下のとおり。
1.シュナイダー・エレクトリック/フランス (昨年は7位)
2.シムズ/オーストラリア (1位)
3.ヴェストス・ウィンド・システムズ/デンマーク (3位)
4.ブランブルズ/オーストラリア (2位)
5.台湾高速鉄道/台湾 (4位)
6.SMAソーラーテクノロジー/ドイツ (10位)
7.アルストム/フランス (18位)
8.スタンテック/カナダ (9位)
9.オーステッド/デンマーク (17位)
10.エンフェーズ・エナジー/米国 (14位)
日本企業では、エーザイが通算9度目の選定で、昨年と変わらず35位となった。
リコーは通算13度目の選定で昨年の72位から51位に、シスメックスは通算6度目で昨年の100位から98位にランクを上げた。
1位になったシュナイダーエレクトリック社は、エネルギー管理とオートメーション技術に強みを持つ、B2Bが主体の電気・産業機器メーカーだ。データセンターの電力消費の削減支援や、AIを活用したスマートエネルギーやスマートビル管理、マイクログリッド、EV充電、水管理などの技術を提供する。
同社のサステナブル投資とサステナブル関連収益の水準の高さ、ジェンダー多様性での優れた取り組み、低炭素な生産体制などが評価された。
国別では米国企業が15社、カナダ企業が11社ランクインしたほか、英・仏・中国の企業がそれぞれ8社入った。
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