ブラジル部族最後の生き残りが死亡 26年間外界と接触絶ち生活
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【8月30日 AFP】ブラジルの先住民で、「穴の男」と呼ばれていた男性が死亡しているのが確認された。国立先住民保護財団(FUNAI)が発表した。男性は外界と接触がない未接触部族の最後の生き残りで、26年間1人で暮らしていた。
FUNAIによると、男性は23日、ボリビアと国境を接するロンドニア(Rondonia)州の先住民居住区タナル(Tanaru)にある小屋のハンモックで亡くなっているのが発見された。
男性以外の部族のメンバーは、牧場経営者や違法採掘者により殺害された。1人になってからは、外部との接触を一切拒否し、自給自足の生活を送っていた。
名前や年齢は分かっておらず、自分で建てた小屋の中に深い穴を掘っていたことから「穴の男」と呼ばれた。穴は動物を捕ったり、自分が隠れたりするためのものだったとみられる。
先住民の権利擁護団体「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」によると、男性の住む先住民居住区はブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林の中でも危険な地域で、広大な牧場に囲まれ、違法採掘・伐採業者の脅威に常にさらされていた。
当局は男性の死因について明らかにしていないが、暴力を振るわれた形跡はなく、小屋やその周辺に人がいた証拠もないという。
FUNAIは、自然死だとしている。
地元メディアは、男性の体がコンゴウインコの羽根で覆われていたと報じている。このことから専門家は、男性が自らの死を予期していたと推測している。(c)AFP