EUと英米加、ウイグル弾圧めぐり対中制裁 中国は即座に報復
このニュースをシェア
【3月23日 AFP】欧州連合(EU)と英国、米国、カナダは22日、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でのイスラム系少数民族ウイグル人弾圧をめぐり、複数の中国高官を対象とした制裁を発表した。中国は即座に報復として、欧州の個人・団体に対する制裁を発表した。
EUと英国、カナダは、ウイグル人の人権を侵害したとして、新疆ウイグル自治区の旧・現当局者である朱海侖(Zhu Hailun)氏、王君正(Wang Jungzheng)氏、王明山(Wang Mingshan)氏、陳明國(Chen Mingguo)氏の4人と、国営企業「新疆生産建設兵団(Xinjiang Production and Construction Corps)」に対する制裁を発表。米国は王君正、陳明國の2氏に制裁を科した。
英外務省は「協調した行動は、新疆ウイグル自治区での中国による人権侵害の非難において、また同自治区での中国による差別的かつ抑圧的慣行を終わらせる必要性において、国際社会が団結しているというシグナルを可能な限り明確に送るものだ」と表明した。
新疆ウイグル自治区での広範な人権侵害と強制労働の疑惑をめぐり、EUと英国が対中措置に踏み切ったのは今回が初めて。EUと英国がこれまでに人権侵害をめぐり中国に責任を問うたのは、1989年の天安門(Tiananmen)事件を受けた武器禁輸措置が最後だった。
一方、中国はEUの制裁を非難し、即座に報復措置を発表。欧州議会(European Parliament)の議員5人を含む10人とEUの2組織、シンクタンク2団体に対し、中国への入国を禁じた。(c)AFP/Max DELANY