同じアパートの人を好きになる話でおばあ様のために夫婦を装う。好きになっちゃって結婚。HQは、類型化出来てしまえるほどの骨格とハピエンというお約束ごとの中で、二人の恋愛感情の姿の有り様を、如何に見せるか。なので、基本ここに作家の個性とか設定の
面白さとか、展開に引き込まれるか、などなどで味付けに力量がかかる。
絵は整っており、話の運びも素直で、安全運行で無事安全圏にたどり着いた感じ。
メインでなくてもおばあ様と同僚のお友だちにはもう少し見た目の存在感が欲しかった。
出会い、雪の日の展開、二人で「結婚ごっこ」を「楽しむ」ところ、パーティ、、、折角みどころというか、盛り上がりどころがわりと散りばめられてたはずなのに、なぜか萌えが足りない。
見せ場に、読み手を高揚させる仕掛けが余り用意されなかった感が残る。
この作品は私にはどうもその脚色具合が普通すぎて、一緒に乗れない自分がいた。決してハズレではないし、失敗作かなと思うHQが少なくない中で、むしろキチンとしていて、そつがなく、さらりと読むには全然レベル悪くないのだ。
それでも、読後感想にわざわざ特別にこのコミックについて語りたい、何か感じ取ったものを人に伝えたいということも生まれて来ない。
反面、クライマックスについて、それ仕事中に一体どうなんだ、とも感じる自分がいる。数分間というすきま時間、その短いところにどうしてもという軽さの物事ではないだろう。プロポーズの設定をそこに持ってきたかったから、休憩中に割り込んだ?
ヒロインが不信感を抱くことになった出来事があからさまに設けられたあざといストーリー仕立てだなとも思え、ここの描写に最もネガティブインパクトを感じてしまった。
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