ハーレクインで描かれるものは希望に満ちた未来であり、春の暖かさであり、光の射す穏やかな喜びであると思う。辛い過去は遠くに追いやられ、愛溢れる環境に二人が立つ。その基盤に二人の愛するものが居る。
それにしてもあの「悪魔の女」が人でなしの所業
故に今度の親権を言い出せない様に、証言や証拠を揃えて法廷で争うことは出来たろうに、過去に親世代時点でも持ち込まれたことなのに、彼等はお人好しで。。。
親権剥奪が出来ていれば後年の憂いは遠ざけられていたものを。
そこはお話の世界なのだから、読み手の溜飲をある程度下げてくれても良かったのに。
世の中のその類の過激な、痛ましいケースを報道で見聞する度に、地獄を創り出したほうにもっと報いを、との処罰感情がある。例えば亡くなった子が居ても判決の懲役年数がその子どもの生きた年数よりも短いとか、結構結果に納得してないことはある。生まれて僅かな年数しかまだ生きてない子どもに大人がすることじゃないことをしたら、お話の世界だからこそ、読み手としては、そんな悪魔をこれからのさばらせないようにして欲しい気がしてる。苦しめたのは、過去の事件の時だけじゃない。その後10年以上経つほど大人になっても深刻にずっと後遺症を残したのだから。
物語とは作者がご自分の世界観で作る創作の世界、私は、ああしてくれればこうしてくれれば良かったのに、というのは読み手としてはみ出していて、ソレは違う、介入しすぎ、と確かに思ってはいるのだが、此処は悪魔の女への対応が私の読後感に少し影を落とした。
メイン二人の感情の描写、全体に冷えた空気感をもっと変える、熱さが欲しかった。
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