絵を描く人は、相手を観察しますよね。何を描こうとするかにもよりますけど、対象の真実を表現したければよく見ないと。そうやってその奥のものを見抜いた、なんて、ストーリーでは語ってないとはいえ、ほんとは最初から好きだった、ということはそういうこと
でしょう?
ストーリー中の二人の共同作業は、互いに愛を深める素晴らしい機会でした。提案してきたスワンソンサイドの作戦は彼らの期待以上に成果を出しましたね。
転売を翻意させてより良い経営を目指すことが可能となったのは、家族的な経営を好む彼らのスタイルに、このヒロイン達の共同作戦がはまってしまったから。
ほのぼの感が多く、華やかさやセレブ的高級感はありません。そこが、このストーリーの二人の穏やかで地に足のついた恋愛を裏打ちしています。パーティ、会食、創作菓子コンペ、いずれも、別世界演出もできたと思うのです。
でも、そこは、彼の人間味を出せる背景には繋がりませんから、こちらの舞台に彼を連れてきて、冷徹な仮面を被っていないシーンを見せることで、この作品の趣旨が生かされました。
ヒロインの世界に彼の方から顔を出す、前半とクライマックスとで、二度にわたりこの彼女の本当にやりたい舞台への彼自ら足を運ばせる登場を持ってきて、別々に生きてきた彼の方からの、歩み寄りや感情の滲み出しみたいなものを感じさせる効果を生んでいると感じました。
表紙の絵は向かい合ってるのは良いと思うのですが、二人それぞれの雰囲気を変えるべきだったような気がしています。。。地味な顔立ちは避けられないとしても、表紙の二人は大変重要に思います。コミカルな面が出ているのは、その他のHQにない魅力でそれはそのままに、二人がスッキリし過ぎて単純に見えるので、もっと危なげで何かありそうに見えるといいような気がしています。
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