看護師の三井絹子(みつい・きぬこ)は、高校生のひとり娘・茜(あかね)を育てるシングルマザーだったが、その茜の言動が最近とみに不可解なものになってきていることが気にかかっていた。平気でウソをつき、楽しげに笑っていたかと思えば急に泣いたり激高したり…挙句の果てには、まるで複数の人格がその身に宿っているかのように支離滅裂なことを言い…これはもしや!? 絹子が危惧したのは離婚した夫のことだった。実は夫は統合失調症にかかり心を病み生活が破綻し、仕方なく別れた末に絹子と茜の眼前で電車に飛び込み自殺をしたという経緯があるのだが、まさかその影響、もしくは血筋が茜にも及んでいるのでは…そう恐れたのだ。日増しに激しさを増していく茜の異常言動に向き合い、恐れ、悲しみ、絶望しながらも、母として娘のためにできることをすべく努め、心身をすり減らしていく絹子だったが…!?(※本コンテンツは合冊版「スキャンダルまみれな女たちVol.21~特集/忌まわしき過去の呪縛」の内容と重複しています。ご注意ください)