この作者の他の作品(「あの山越えて」名作ですぞ)から飛んできました。
作品のテイストはよく似ていますが、本作品の方が寓話性に富んでいます。
舞台は田舎の小さな港町。登場人物は小さな食堂の女主人「ソラ」と不思議な少年「カイ」そして不思議な
「術」を操る「ジイ」と呼ばれる老人。
物語は一話完結のオムニバスらしく(全編を読んでないのであやふやでごめんなさい)
港町を訪れた様々な訪問者と三人の絡み合いが描かれる。訪問者(犬も出てきましたね。)たちはそれぞれに家族や職場や本人自身の内側に何らかの問題を抱えており、三人との交流によってもつれた糸がほどけたりほどけなかったり。
「あの山越えて」はとても現実的な物語だけれど、この作品は「ソラ」「カイ」「ジイ」の三人の存在そのものが非現実的なので寓話というかメランコリィというか不思議な作品です。
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