かわいくてセクシー、国旗背負った試合で戦果を挙げたくらいの有名スポーツ選手。まさか自分を長期に相手する気なんかないんでしょ、と思うのはヒロインじゃなくてもモテ男に女性なら抱きやすい警戒心。まして、ヒロインは今の状態は頑張って手に入れてきてい
て、一つ一つ稼いでお金をそこに、注いできて得られたもの。心ない男性の酷い思い出が辛すぎて忘れられなくて男性を信用しきれない。
ヒロインは少女期に、母親の働きかけさえ頑なに拒絶反応。
暴力の絡むピンチを目の当たりにして、自分の身も省みずに救いだす勇敢さは、助けてもらった人には神様みたいに感じ、美しささえ見えるかもしれない。
捨て猫を拾うようなものと違って、このストーリーは、その弱き者と思っていた相手が物凄いスポーツエリートだった。
そのスポーツの輝かしい過去なくして二人がただ知り合う話だと、HQ臭さはなくなるだろう。
いかにもな敏腕事業家ぶりと、ヒロインをとろかす甘い賛辞。その、何もかも揃ってる彼が、最高の恋人として居てくれる。かりそめでもいいじゃないの、となるのもホントに無理はない。
彼は素敵だ。百戦錬磨の彼を射止める、他にもフレイボーイ陥落のストーリーは、HQには豊富にあるが、このストーリー、彼からの申し出により、というところがよく、ヒロインをいい気分にさせるツボを心得ていて、読み手のこちらも雰囲気に呑まれそうになる。
最高の恋人であり、最適の恋人であるだろう。
こんなことありえない、そんな人が世の中に居るはずない、そう思えることをネタにしていただいて、またひとつ、ハーレクインの偶然が幸運をもたらした。
出会いがこの話の全て、どんなときも疎かにできないものだ、と忠告をくれたような感じだ。
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