読み始めから、まるで競技大会を決勝戦から見ているようなハードな物語だった。当たり前に結婚の願望がある者同士の出会いが、愛に拘らず結婚して生活している事なんてザラだろうに、拘って拘って流産はその罰だなんて、実際そんな経験をしている人が読んだら
、かなり傷つくのではないかと印象を持った。この物語、何よりもヒーローマットが素晴らしい。しかし、事を急ぎ過ぎたのは明らかで、結婚は子供を持つ(4人)のが最優先であるからいけない。希望人数はあくまでも希望であって、礎となる愛情なり信頼を築くのが先だろうと読みながら思うそのテンポに展開が先走る。だから、気持ちが付いていかなくて苦悩した。やっぱりかと思うがそれを読ませたい作意は、何かしら現代の若者の結婚観を後押ししているかのようで 諦めさせるのが狙いかと歪曲して考えてしまう。これはロマンスを読ませるのだからマットの気持ちはふんだんで、他とは違う盛り上がりにヒーロー側を書いているのが面白い。ただ、男性側の気持ちの動きに機微に女性とは違う愛の盛り上がりに信憑性が伝わらずもったいないなと私には思えた。この先生の描く男性キャラはトータルバランスが良く大好き
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