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「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典イメージぴよ画像「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

減価償却

pointこの用語のポイント

point会計上の計算方法だよ

point基本は「使った分だけ費用にしなさい!」だよ

point財産が目減りした分だけ費用になるよ

pointちゃんと計算するのは大変だから「これは何年くらい使えるよね」が決められているよ

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簡単に書くよ

減価償却(読:ゲンカショウキャク)とは

会計の話で出てくる計算方法のひとつ
であり

「(買ったときに払ったお金を一気に全部費用にするのではなく)実際に使った分だけ費用にしましょうね」なやり方
です。
見方を変えると

「財産の価値は時と共に減っていくよ。その減った分を費用と見なすよ」な考え方
です。


image piyo

詳しく書くよ

別にIT用語というわけでもないですけどね。
某・資格試験の過去問に出てきたので取り上げておきます。

順番に見ていきましょう。
まずは予備知識として「収益」と「費用」について簡単に説明します。
「そんなの説明されなくても知ってるよ!」な人は適当に読み飛ばしてください。

商売をしていると、お金が動きます。
このお金は

1.入ってくるお金
2.出ていくお金


の2つに分けられます。

減価償却

この2つのうち

1.入ってくるお金

をカッコ付けて言った表現が「収益」です。

減価償却2

また

2.出ていくお金

をカッコ付けて言った表現が「費用」です。

減価償却3

以上を踏まえて

「高い物を買ったときに、それを一気に全部、費用にするんじゃなくて、使った分だけを費用にしましょうね」な会計上の計算方法

が「減価償却」です。

……と言われてもピンと来ませんよね。
大丈夫です。
例を挙げて説明します。

例えば、そうですね。

ピヨ太君が新しく事業を始めることにしました。
職種はタクシードライバーです。

減価償却4

タクシードライバーとして働くためには自動車が必要です。
ピヨ太君は、ガソリンがなくても走る夢のような車「ピヨピヨカー」を100万円で買いました。

減価償却5

ピヨ太君はピヨピヨカーに乗って一生懸命働きます。
その結果、1年目の収益は40万円でした。

減価償却6

ピヨ太君は2年目も頑張ります。
2年目の収益も40万円でした。

減価償却7

ピヨ太君は3年目も頑張ります。
3年目の収益も40万円でした。

減価償却8

ピヨ太君は4年目も頑張ります。
4年目の収益も40万円でした。

減価償却9

ピヨピヨカーは4年目が終わった時点で壊れました。
いわゆる寿命というやつです。

減価償却10

来年からどうしよう……と少し不安になったピヨ太君ですが、気持ちを切り替えました。
そろそろタクシードライバーという仕事に飽きてきていましたからね。
来年はケーキ屋さんでもやるつもりです。

減価償却11

ここでピヨ太君の儲け具合を振り返ってみましょう。
ピヨ太君の儲けは

1年目:40万円-100万円=-60万円
2年目:40万円-0円=40万円
3年目:40万円-0円=40万円
4年目:40万円-0円=40万円


です。

1年目はピヨピヨカーの支払い100万円があったので60万円の赤字でした。
2年目から4年目までは支払いがないので収入の40万円がそのまま儲けになります。

減価償却12

実は、ですね。
よく考えると、この計算は少しおかしいのです。

費用というのは収益を得るために使うものです。
それを踏まえて、ピヨ太君の儲け具合を見てください。

書いてある内容を素直に読むと

1年目は100万円使って40万円の収入を得た

です。

この部分は一旦スルーしましょう。
次に

2年目から4年目は0円使って40万円の収入を得た

です。

これって、おかしいと思いませんか?

ピヨ太君はピヨピヨカーを使って40万円の収入を得ました。
実際に出て行ったお金は0円ですが、それは1年目にピヨピヨカーの代金を支払い済みだからです。

厳密に考えれば、元手が0円で40万円の収入を得たわけでは、ありません。
ピヨピヨカーがあったからこそ40万円の収入を得られたわけです。

ということは、1年目に支払ったピヨピヨカー代金の一部は、2年目以降の先払いだったと考えられます。

ピヨピヨカーは100万円で買いました。

減価償却13

買ったピヨピヨカーは4年間使いました。

減価償却14

ということは、1年あたり25万円分のピヨピヨカーを使ったと言えます。

減価償却15

4年分をまとめて考えると、さらに分かりやすいと思います。

ピヨ太君は4年間で160万円(40万円×4年間)の収入を得ました。
4年間で発生した支出は100万円(ピヨピヨカーの代金)です。

4で割って1年あたりの数字に直すと、収入が40万円で支出が25万円になります。

いかがでしょう。

1年目:40万円-100万円=-60万円
2年目:40万円-0円=40万円
3年目:40万円-0円=40万円
4年目:40万円-0円=40万円


よりも

1年目:40万円-25万円=15万円
2年目:40万円-25万円=15万円
3年目:40万円-25万円=15万円
4年目:40万円-25万円=15万円


の方が本来の形に近いと思いませんか?

減価償却16

もし、これが

1.1年目に(100万円分の)ピヨピヨカーを使って40万円の収入を得た
2.1年目の頑張りのお陰で、2年目以降は寝ていても40万円の収入が入ってきた


であれば

1年目:40万円-100万円=-60万円
2年目:40万円-0円=40万円
3年目:40万円-0円=40万円
4年目:40万円-0円=40万円


が正しいでしょう。

減価償却17

ですが、実際のピヨ太君は

1.1年目に(25万円分の)ピヨピヨカーを使って40万円の収入を得た
2.2年目も(25万円分の)ピヨピヨカーを使って40万円の収入を得た
3.3年目も(25万円分の)ピヨピヨカーを使って40万円の収入を得た
4.4年目も(25万円分の)ピヨピヨカーを使って40万円の収入を得た


です。
働きづくめの4年間だったのです。

費用と収益の対比を考えれば

1年目:40万円-25万円=15万円
2年目:40万円-25万円=15万円
3年目:40万円-25万円=15万円
4年目:40万円-25万円=15万円


の方が本来の形に近いでしょう。

減価償却18

そんな考えから

1年目:40万円-100万円=-60万円
2年目:40万円-0円=40万円
3年目:40万円-0円=40万円
4年目:40万円-0円=40万円


ではなく

1年目:40万円-25万円=15万円
2年目:40万円-25万円=15万円
3年目:40万円-25万円=15万円
4年目:40万円-25万円=15万円


のように計算しましょう!というのが減価償却です。
何年も使う高価な物(固定資産)は、買った時点で費用にするんじゃなくて、使った分を使った年に費用にしてね!です。

とはいえ「使った分を」とか言われても困りますよね。
今回の例では4年でピヨピヨカーが壊れましたが、1年で壊れる可能性も10年以上使える可能性もあります。
実際に壊れるまで、何割くらい使ったか計算できません。

そこで、物によって「これは何年くらい使えるよね」が決められています。
この「これは何年くらい使えるよね」を「耐用年数」と言います。

例えば、自動車の耐用年数が4年だったとしましょう。
新しい自動車を100万円で買ったら、1年あたり25万円ずつ費用にします。
※今回、説明しているのは「定額法」と呼ばれる減価償却のやり方です。他に「定率法」というやり方もあります。そこら辺のあれやこれやは他のところで勉強してください。


……というのが、減価償却という考え方の解釈のひとつです。

減価償却には別の解釈の仕方もあります。
ついでなので簡単に説明しておきます。

余裕がある方は頑張って読んであげてください。
脳みそから煙が出そうな人は無理をする必要ありません。
ゆっくり休んでください。

ちょっと休憩3

あっ、読んでくださるのですね。
ありがとうございます。

それでは、いってみましょう。

先ほどのピヨ太君の例を思い出してください。
ピヨ太君はピヨピヨカーを100万円で買いました。

減価償却19

この時点でピヨピヨカーの価値は100万円です。
そのまま売れば100万円近くにはなるでしょう。

減価償却20

1年経ちました。
ピヨ太君は1年間、ピヨピヨカーを使いました。

1年後のピヨピヨカーの価値は、どれくらいでしょうか?
おそらく100万円の価値はありませんよね。
せいぜい75万円くらいでしょう。

減価償却21

1年経つ間に、ピヨピヨカーの価値は25万円も減りました。
この25万円分は、どこに行ったのでしょうか?

答えは

収入を得るために使われた

です。

ピヨ太君はピヨピヨカーを乗り回して収入を得ました。
その結果、ピヨピヨカーの価値は25万円分減りました。
ピヨピヨカーの25万円分の価値は収入を得るために使われたわけです。

確か、収入を得るために使われた支出は「費用」と呼ぶのでしたね。

1年の時間経過によって、ピヨピヨカーの25万円分の価値は費用に変身しました。

減価償却22

時間が経てば経つほど(使えば使うほど)、財産としての価値は目減りしていきます。
その目減りした分は収入を得るために使われたはずです。
ということは、その目減りした分は費用です。

そんな考えから、財産の一部(使った分)を費用化するのが減価償却です。

これも、減価償却という考え方の解釈のひとつです。

できれば両方とも押さえておいた方が良いと思いますけどね。
まずは覚えやすい方で覚えてあげてください。

あと、減価償却の話では「定額法」と「定率法」という用語が出てくると思います。

定額法は「毎年、同じ金額を費用化するよ」なやり方です。

100万円の財産を毎年10万円ずつ定額法で減価償却するとしましょう。
そうすると

1年経過:10万円を費用化(財産の価値は残り90万円)
2年経過:10万円を費用化(財産の価値は残り80万円)
3年経過:10万円を費用化(財産の価値は残り70万円)


のように減価償却されます。

減価償却23

一方の定率法は「毎年、同じ割合を費用化するよ」なやり方です。

100万円の財産を毎年10%ずつ定率法で減価償却するとしましょう。
そうすると

1年経過:(100万円の)財産の10%(=10万円)を費用化(財産の価値は残り90万円)
2年経過:(90万円の)財産の10%(=9万円)を費用化(財産の価値は残り81万円)
3年経過:(81万円の)財産の10%(=8.1万円)を費用化(財産の価値は残り71.9万円)


のように減価償却されます。
最初は費用化される金額が多く、徐々に少なくなっていくやり方です。

減価償却24

ただし、定率法でも、ある程度償却が進んだら定額法に切り替わります。
定率法のままでは、いつまで経っても0円にならないからです。

減価償却25

大雑把な概要としては、そんなところでしょうか。
あとの具体的なことは他のところで勉強してください。
たまに改正されるので、具体的なことは専門的に解説しているところで最新の情報を見た方が良いと思います。


image piyo2

一言でまとめるよ

まぁ「減価償却」って単語が出てきたら「『使った分だけ費用にしなさい!(財産が目減りした分だけ費用になるよ)』な考え方なんだな~」と、お考えください。

一番上に戻るよ
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