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年齢設定

登録日:2016/08/30 Tue 14:32
更新日:2024/10/16 Wed 08:36:09
所要時間:約 13 分で読めます




このゲームの登場人物は、みーんな18歳以上だよっ!お兄ちゃん♪

フィクションのキャラクターにも年齢というものはある。
場合によっては余り意味がないか、設定上の数字でしかない事もあるが、場合によれば結構いろいろなネタや問題となる事もある。
ここではそうしたあれこれを記述する。


●目次


◆リアルで年齢設定が影響しているもの

エロ

一定年齢以下の相手との性行為には法的規制が存在するため、メディアによっても差はあるがエロゲーではそのあたりを表に出せない。
書籍では「女子高生」とタイトルに付く官能小説などごく普通なのだが(18歳の高校3年生は合法)、エロゲ的には高校を出してしまうと問題になりかねないので「学園」を用いることでツッコミを回避するなどの例がある。
書籍もエロゲも業界の自主規制であることは同じなのだが、歴史的な経緯によりエロゲの方が厳しい傾向にある。

また、ロリメインのゲームというのもあるが、審査を通るか否かという問題もあるのでお茶を濁す事も珍しくはない。
記事冒頭のセリフも実在のもので、どう見てもようじょなキャラが「この物語はフィクションであり〜」のような部分ではこう言っている。
「好きな数字は12(18未満)」「出席番号12番」「年齢3012歳」とか、そういった部分の設定数値で暗に年齢のほのめかしを行うといった事例もある。
要するに商業流通させるための大人の事情ってやつの仕業なんだ。

他にもロリ系キャラだが年齢は18歳以上というケースもある。
こうしたキャラクターも一般誌でエロのない漫画ならば、出演は単なる趣味性か何らかの設定上の演出に過ぎないのだが、エロゲに関してだけは
「商業的にロリ枠は確保したいが、少女絡みの事件があった等で審査がキツい時期にリリースせねばならない」
といった切実な金銭面の問題によって、設定年齢が高くなるようなシナリオ・設定面での仕掛けを入れている可能性がある。


法律上の年齢制限

上ともつながる問題だが、リアルでは10代がしてはいけないことというのが存在している。ざっと挙げると…
  • 飲酒・喫煙・投票券購入(公営競技): 20歳以上
  • 結婚: 18歳以上(2022年3月以前は女性に限り16歳以上)
  • 運転免許: 原付16歳以上、自動車18歳以上
  • パチンコなど:(性ではない)風俗営業法に基づく入店規制が18歳未満禁止。
なので、
…と年齢調整や規制が入ったり議論を呼ぶケースが存在する。


マーケティング

○○歳の主人公、というものは需要と供給の関係でも生じる部分がある。

『釣りバカ日誌』や『サラリーマン金太郎』など、映画やドラマにもなっている「サラリーマン漫画」というジャンルがある。
が、この種の漫画のメッカが少年ジャンプのような「少年誌」であった事はない。普通はビッグコミックやビジネスジャンプなどの「青年誌」に掲載されるものである。

つまり「少年」を冠していない雑誌を大人が買って大人が読み、その購買によって支えられているわけだ。
少年誌は通常その逆と考えられ、主人公の年齢層も中高生程度かせいぜい20代半ばくらいと若めである。

とはいえ少年誌掲載漫画でも
…など、大人が主役の名作・ヒット作も多数存在する。だがやはり主流か否かで言えば主流ではない。

こうなるのは何故かと言えば、購買層と主人公の年齢は近い方がよいというマーケティング的な意識の問題が存在する。
「子供のヒーローを出すことで子供たちに希望を持ってもらいたい」といった言葉は存在するが、子供たちの憧れや希望といったものは必ずしも主人公の年齢に絶対的に依存しない事も、上記のヒット作が示す事実である。*1
若年層向け作品で主要人物の低年齢傾向が主流であるのは、出版社など製作者の意図とは違う部分の要求によることがある。

1stガンダムの年齢設定は低すぎるのでは? 何であんな若い子たちが…」という意見が存在する*2が、「アニメは子供向け」といった意識が根強かった放送当時、あまり年齢が高いキャラクターを出すことには問題があったのだと思われる。
実際、購買層の年齢が上がったなど事情の変化があるオリジンではそれを反映してか、ブライト・ノアなど一部キャラクターは設定年齢が19→25(成人し、士官学校も出ていて不思議がない年齢)などに引き上げられている。
キシリア・ザビなどに至っては10歳くらい上がっている。編集部は脳天をビームガンで打ち抜かれやしないだろうか。

ネット上では前述のガンダムへの意見のように「若くして活躍しすぎるのはリアリティがない」とか「おっさんが活躍している方がいい、自然だろう」といったコメントが散見される事があるが、マーケティング意識による部分は購買層の意見で変化しうる。
つまりアンケハガキとか、積極的に送ろう!(推奨)

なおプリキュアは概ね中高生、スーパー戦隊仮面ライダーは殆ど20歳前後かそれ以上の大人が主役の番組だが、これは子供たちにとって頼れるヒーローの側面を押し出したものと思われる。
実際、昭和の仮面ライダーでは「メイン視聴者の子供に近い年齢のキャラを出した方が受けるのでは?」と少年ライダー隊などと呼ばれる子供の支援要員を出したのだが、実際に番組を見ていた子供の視聴者にとっては

「自分がどんなに夢見ても絶対に叶わない、ライダーと共演する様を見せつけられる」

ということになり、否ばかりではなかったものの思ったほどの効果はなかったようだ。
美少女ばかりのアニメやゲームに、特に強くもなく活躍もしない男のオタクを混ぜて男性人気を取ろうとするようなものだろうか?


◆ネタとしての年齢設定

創作としては「え? あんたそんな年だったんかい」とネタにされるとか、なんらかの伏線になっている。
高校生なのに飲酒・喫煙やらをしていてアレコレ言われ、留年して成人している学生である事が発覚したりとか。

17歳教のようなものは、実在の人物アイドルも入っていたり。
こういう人々がいるかと思えば、長門有希などのように肉体の構成年齢は数歳だが知能や外見は10代以上、というキャラクターもいる。
スレイヤーズ』の魔族などのように、数百歳のキャラクター故に殆どの人物が生まれる前の過去の戦争などを実際に知っているなどのパターンも存在する。
他には転生などで記憶を引き継いでいるため、外見の割に老成しているとかもある。

人間ではないとか呪いなどにより外見年齢が固定されている、というパターンは一般作品のロリババアによく見られる。
推理漫画などでは○○年に生まれたらこの人と接点はないはずだ、とかいうネタはたまになくもない。

博士キャラなどは飛び級をしているため、主人公らと同級生だが年が違ったり色んな経験をすっ飛ばしていたりというのもある。
母親キャラがそんな年の子がいるにしては若すぎィ! というのもこの辺のギャップネタであろう。
…ごくたまにマジで子供の頃に産んだとか、いろいろヤバい設定によるケースもあるが。

またゲームキャラなどには生年月日が明確なため、ファンにBBAなどとしてイジられるケースもある。『ストリートファイターシリーズ』の春麗がいい例で、詳しくは同項目下部などを参照して頂kスピニングバードキッ!
あと、人外で無茶苦茶長寿というのはよくあるが、カプコン仲間のモリガン(生年1678年とあるので300歳以上は確実)は、種族のサキュバスの平均寿命が「400年」という設定もあるので、同族基準でも若くない(ただし種族自体が不老)という変則設定。

ただ、最近では春麗の年齢(生年)が消されるようになった。このように昔は明示されていた生年月日が消えるケースは他の作品にも見られるようである。


自己設定

「自分で設定年齢を決めている」というキャラも、少なくはあるがいない訳ではない。ウサミンハチガイマスヨー、ジュウナナサイデスヨー

著名なキャラクターでは江戸川コナンなどが該当すると思われる。
黒の組織の投薬で若返らされた工藤新一は「工藤新一」としていられなくなり、とっさに「江戸川コナン」という架空の名前の人物を作った。
その時に「若く見える高校生」という無理がある設定ではなく、ちゃんと小学生という事にしたため高校生・工藤新一の生年月日は使えなくなっている。
また、コナンの戸籍はあったとしても生年をずらした偽造にならざるを得ない。
灰原哀も同じ事情を抱えているので、やはり何かの際に生年月日を示す場合、生年はいじっているのが確実と言ってよい。
コナンらには帝丹小学校1年の同級生がいるので、設定した年齢は6〜7歳で十〜十数年ほどずらしていると思われる。

なお灰原は不明だが、コナンは初期の回で「体重18kg」と言う場面がある(「図書館殺人事件」)ので、実は体格的には小学1年生どころか幼稚園の年長レベルだったりする。
劇中でも男子同士で極端な体型ではない光彦と比べても明らかにコナンの方が小さい。

同じくサンデーの漫画では、『烈火の炎』の陽炎も似た部分がある。
彼女は時間系の術の呪いにより戦国時代から年を取らなくなっている(肉体年齢は22で停止)ため、過ごした時間の年齢としては400歳にもなる。
このため、現代人としての戸籍はないか、あっても偽造していると思われる。
当然、その時々の世間話などで「何年生まれ」など口にすれば辻褄合わせでずらしたりしているはずである。
そしてその矛盾が隠しきれなくなれば、自分を知る集団から離れている。
年齢設定の部分はともかく、周囲との年齢のズレが大きくなると離れるのは原作でも描写がある。

彼らのように芸能人のプロフと違い、「何らかの事情で本来の戸籍の情報すらない、使えない」というパターンはシリアスな作品にたまに見られる。大人向け漫画の中には
…といったようなキャラクターも存在している。
このような人物は明確な生年月日が不明で、ひいては作中が何月何日かなどの設定が明確に存在している作品でも「その時点での推定年齢は何歳」などとあいまいになる。

「今日が俺の誕生日だ(という事にした)」とか、感動的だったりシャレになっていなかったりでガチに重いネタも見受けられる。

またスパイものの工作員などが身分を偽装する場合も、やはり「設定」された偽名・職業・年齢と実年齢が違っている事もある。
ギャグ漫画ではあるが安永航一郎の「火星人刑事」では、作中の刑事は何年も学校などに潜入して女子高生等を演じている。元ネタのスケバン刑事のサキは本物のJKなんだけどね…
中には幼稚園児に化けているキャラすらいる。


残念だが当然のロスト

戸籍と言えば、三国志もののように時代がとても古かったり、戦乱の時代などの設定であれば記録が散逸・存在しない・焼かれた等のパターンもある。
また「奴隷反乱を起こして国を乗っ取った王」といったキャラも普通に存在しうる。
このような場合、歴史モノにおける生年(人によっては没年も)不詳といった記載は、手抜きなどではなく本当に研究しても分かっていない事がある。

こうしたキャラクターたちを扱う作者は(さすがに赤子や幼児設定は無茶だが)「とても若くして頭角を現した」という設定のもとで、付け髭や老け顔気味で何とか誤魔化しているすごく若い王や将軍などの設定を作ることができる。
逆に没年や死因から逆算して結構高齢だったのでは…として、おっさん化などすることも可能である。
場合によっては、通説では遭遇したことがないはずの、年代が違う武将同士の夢のコラボやバトルなどもできたりする。


年齢の脳内設定

人間は「見た相手の年齢を推定し、それに相応しい立場や態度を想定する」という事をしている。
作中で外見と中身の年齢にギャップを認識されるキャラクターは、これを利用している事がある。

例えばコナンの「あれれ〜」とか「おかしいぞ〜」的なやつ。
コナンがこのような行動をするのは「周囲から小学生と見られていること」を認識したうえで利用、つまり「子供として演技している」からである。
空気を読まずに大人の意見に口を出したり、突飛に見える行動を取っても怪しまれずに済んだりなどを計算してやっている。
そのため演技をしている暇がない場面があったり、「行動が利口すぎておかしい」とカンのいい大人に気づかれ、行動と実際の精神年齢が違う、演技であるということが察知されたりしてしまう事がある。
こうした時は「なんのこと? ボクただの子供だよ?」とごまかす事もあるが、隠し通せないと諦めるか相手に名乗ると決めた時は「江戸川コナン、探偵さ」と明言し、「事件現場をウロチョロして変な行動を取るガキ」(だいたい小五郎が言う)の仮面を捨てる。
アニメにおいては高山みなみにより「あれれ〜」などのセリフと「探偵さ」では声のトーンが違うなども含め、演じ分けが成されている。

他にも『スレイヤーズ』の冥王フィブリゾなどは、本性を隠してただの人間の子供として主人公に近づいたりしている。
無力で幼い一般的存在に見せかけることで、相手を騙したわけである。
前述した火星人刑事の幼稚園担当者も、園児に混じってお遊戯をするなどして社会的に擬態している。これが結構辛いと作中で言ってたりも…

しかし外見が幼いからと言って、子供の演技をして相手を騙すなどしない者もいる。
大人や指導者としての自覚が強いタイプもおり、その場合は子供扱いなど望まなかったり嫌うケースもある。
子供扱いされたら「私は○○歳だ!」と免許を見せたりするようなキャラもこれに類するだろう。

つまり外見年齢と落差があるキャラに一般的な態度と言うより、例に挙げたキャラが何らかの目的で
「相手の脳内設定した(するであろう)年齢」に応じた行動を取る選択をしていると言える。

小ネタとしては「若すぎる母親」ネタも似ている。
斉木楠雄のΨ難』『ワールドトリガー』では母親が姉と間違われるシーンがあるが、言った側はお世辞ではなく本気で「え…?」と言ったり驚いている。

この反応はプロセスとしては
  1. (『主人公』の親族かな? 若いなー。てことは母親じゃないか)
  2. 「お姉さんですか?」
  3. 「母です」
  4. 「えっ…」
となる。
「外見年齢から母という可能性を排除」して姉と言ったら、「排除した選択肢の方だった」ので驚いているわけだ。

この場合「コナンの行動を見て(年不相応に)賢すぎると違和感を抱く」といった反応や、「年齢がとても低いから先生じゃなくて生徒かと思った」といった飛び級博士キャラなどへのリアクションの類型と言える。


時空の歪み

両津勘吉は、子供の頃にベーゴマ遊びなどをしていた経験があることを作中で語っている。
また東京都足立区に実在した火力発電所、通称「おばけ煙突」が取り壊された頃の思い出話も描かれている。
しかし第一次ベーゴマブームや実在の建物が壊された頃から年齢を逆算してしまうと、スマホやドローンなどを使った遊びや社会風刺ネタなど、今現在のことも描くこち亀の中では今いくつなんだ…となってしまう。
このような矛盾についてはサザエさん時空に詳しく書かれている。

作中に何らかの特殊な設定があり、そのため外見が若いキャラクターがいるが、その人物とは関係なく作中全般の時間が普通に経過しているパターンは該当しない。
「サザエさん時空」の名が示す通り、日常要素が強い作品において発生しやすい例であると考えられる。



追記・修正は設定年齢19歳、蟹座のB型にお願いします。

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最終更新:2024年10月16日 08:36

*1 「子供枠」そのものはDBで言えば悟飯や悟天、るろ剣では弥彦など作品によっては配置されているが、必ずしも彼らが子供受けしたかというと微妙な所である。

*2 シリーズ内でも指摘をする人はおり、『V』でワタリー・ギラ大尉が自分を破った敵パイロットが子供だと気が付いた後「子供が戦争をするもんじゃない(中略)みんなおかしくなってしまう」と言い出し、そのままショックで自決してしまった。