登録日:2009/06/12(金) 00:39:18
更新日:2024/10/02 Wed 13:30:20
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東のエデン(ひがしのエデン)は、日本のテレビアニメである。
2009年4月より
フジテレビ『ノイタミナ』枠にて初のオリジナルアニメとして放送された。
原作・シリーズ構成・監督:神山健治
キャラクター原案:羽海野チカ
アニメーション制作:Production I.G
OPテーマ:FALLING DOWN/OASIS
EDテーマ:futuristic imagination/school food punishment
また、全11話の他に、物語の決着とセレソンを選んだ人物の謎が明かされる劇場版が二作公開された。
2009年11月28日
「東のエデン 劇場版 The King of Eden」
2010年1月予定(3月13日に延期)
「東のエデン 劇場版 Paradise Lost」
東京のテアトル新宿等から公開、全国順次ロードショーされた。
また、本編中にも登場した豊洲のシネコンでも上映される。
2010年 11月22日 月曜日 、日本各地に10発の
ミサイルが落下するテロが発生する。
人々はこのテロ事件を『迂闊な月曜日』と呼んだが、奇跡的に1人も犠牲者が出なかったこともあって次第に危機意識を失っていった。
それから3ヵ月後、アメリカ ニューヨークへ卒業旅行に出かけていた大学生・森美咲は、
仲間と別れてワシントンD.C.を訪れ、ホワイトハウスの噴水にコインを投げようとして警官に呼び止められる。
そこに全裸で拳銃と
携帯電話を持った謎の日本人の青年・滝沢朗が現れ、咲は難を逃れる。
意気投合した2人は一緒に日本へ帰国することとなるが、その日東京へ11発目の
ミサイルが打ち込まれる。
その時、滝沢の
携帯電話にジュイスと名乗る女性からのメッセージが入る。
これはたった一人でこの国の“空気”に戦いを挑んだ男の子と、彼を見守った女の子の、たった11日間の物語。
■登場人物
CV:
木村良平
主人公。
記憶喪失の青年。セレソンNo.09。
何らかの理由で咲と出会う以前の記憶を消したため、本名・年齢は不明。
「滝沢朗」はニューヨークの隠れ家にあった複数のパスポートの名前の一つ。
自分が日本の「王様」になることによって、上がりを決め込んだ大人と
ニートを歩み寄らせ、既存の価値観と新しい価値観の融合を促すことによって新しい空気を生み出し、日本を変えようとした。
そして物語の中で、自らテロリストを演じ、ある種のスケープゴートになる。
CV:
早見沙織
ヒロイン。卒業旅行に行ったワシントンD.C.でトラブルを引き起こすも滝沢と出会い難を逃れ、日本に帰国。
その後も滝沢と会い、好感情を深めていく。
CV:
江口拓也
東のエデンメンバー。
咲のサークル仲間で大学4年生。
咲に好意を抱いており、その好きっぷりはもはや
ストーカー並。
CV:川原元幸
東のエデンメンバー。
東のエデンの参謀。
「凄腕
ニートを支える凄腕
ニートになろうと」
CV:
齋藤彩夏
東のエデンメンバー。
愛称は「みっちょん」(滝沢は「みったん」と呼ぶ)
「……みったん……違う」
CV:斉藤貴美子
東のエデンメンバー。
大型免許あり
CV:田谷隼
東のエデンメンバー。
プログラマーであり、パンツを師匠と慕う
通称「パンツ」
滝沢が近藤から手に入れた
ノブレス携帯を解析し、過去の履歴まで開いてみせた。
そこに何かMr.OUTSIDEに繋がる事が印されていた様だが、
それを滝沢に伝えようとした所で、No.01に襲われた。
CV:宮内敦士
セレソンNo.01。
何かと滝沢を狙う。裏主人公であり、滝沢とは相対する関係。少数精鋭の国家を理想としている。
元財務官僚であり、現在はATO商会の執行役員を務める。
無責任で自分勝手なエゴイスト集団である国民と、自らの私利私欲しか頭にない政治家に絶望している。
財務官僚時代から相続税100%法案の実現を目指しており、既得権益にしがみ付く老害と、それを食い潰そうとしている
ニートの両方を締め上げることで日本を変えようとした。
スケープゴートになることを嫌う物部は、戦前の最強官庁である
内務省を復活させて、自らが表舞台に立つことなく、
内務省を通じて陰から日本を動かそうとしていた。
劇場版ラストでついに滝沢と直接対話するも「あり方や行動方針の違い」から微妙に話がかみ合わずそのまま別れたが、その直後…。
CV:白熊寛嗣
セレソンNo.04。
警視庁の刑事であり、かつてはセレソンとして、警察を「正しい人間が評価される組織」に改革しようとしていたが挫折し、女とギャンブルに
逃げるようになった。
ノブレス携帯の残高が残り僅かになった為滝沢の
ノブレス携帯を奪うが、その後に指紋認証の存在に気付いた
ドジっ娘。
CV:小川真司
セレソンNo.05。
滝沢にセレソンシステムの仕組みを伝えた。
CV:
森田成一
セレソンNo.10。スカイ・クロラ。
日本を
ミサイル攻撃した張本人。非正規労働者であり、派遣切りに合う。
幼稚な性格の持ち主であり、某ネット掲示板に書き込んだ「告発文」を、
ニートからバカにされたことを理由に、日本全土に
ミサイル攻撃を行った。
人の死に対する想像力がまるで無く、板津を車で轢いた際には、自分の申請で旅客機を撃ち落として多くの人間の命を奪ったことを何とも思っていなかったことが露呈し、一時的に共闘していた(実際は物部に利用されていた)物部から叱責されている。
60発の
ミサイル攻撃が、物部の下準備と滝沢の申請によって阻止された後には、滝沢を逆恨みして何度も暗殺申請を行うも、そのたびに却下されていた。
そして劇場版では打倒滝沢に燃える中ジュイスの助言にも我慢出来ず
ノブレス携帯を破壊したが、ラストではその結果
再会した物部との間に思わぬ情報のズレが出来てしまい、
裏事情を知らないまま物部にもブチ切れ…。
CV:五十嵐麗
セレソンNo.11。
ジョニー(後述)をちょんぱするという「ジョニー狩り」を行っていた。日本人の男性を見限っており、海外から優秀な外国人を日本に「輸入」することで、日本を変えようとした。
女性や子供を性犯罪から守るために、性犯罪者を対象にジョニー狩りを行っていた。
物部と滝沢の両者と面識があり、彼らをリアリストとロマンチストと評している。
用語
◆セレソン(Selecao)
ノブレス携帯(後述)を持つ12人の人間。
「この国(日本)を正しき方向へ導く」義務がMr.OUTSIDEによって一方的に課せられている。
「正しき方向」の基準はMr.OUTSIDEが独善的に判断しており、一般常識的なそれと同一とは限らない。
以下の事項に該当したセレソンはサポーター(後述)に殺される。
「任務を途中放棄し逃亡した場合」
「長期にわたり
ノブレス携帯を使用せず何の成果も挙げられなかった場合」
「100億円を個人の欲望の為に使用し続けた場合」
「国(日本)を救う目的が果たせぬまま残金が0円になった場合」
但し劇場版及びノベライズ版でのおまけ小説では
残高のあるノブレス携帯を破壊・紛失したセレソンにペナルティが起こる描写が無かったため、少なくとも携帯を物理的に喪失すれば命の危険も無くなると思われる。
また、最初に義務を果たしたセレソンが現れた場合、その一人以外のセレソンは全て
自動的に「消される」。(但し
決着がつく前に携帯を喪失したセレソンは除く)
滝沢はセレソンシステムの行いを「
ゲーム」と称している。
◆サポーター
義務を果たさないセレソンを消すために存在するセレソン。
12人のセレソンの内誰がサポーターなのかは、Mr.OUTSIDEしか知らない。
◆
ノブレス携帯(-けいたい)
各セレソンが持つ
携帯電話。
初期段階では100億円の電子マネーがチャージされており、
ジュイスと通話し、「正しき方向へ導く」為に必要な願いを告げると物理法則的に可能な事象ならば、
(殺人などの非合法的願望も含め)電子マネーの残高が続く限り全て叶う。
地味に現実では未だ実現していない全国共通決済システムかも知れない
大半のセレソンはこれを自身の願いを叶えるために使っている。
セレソンシステムの有効圏内は日本国内に限られ、海外ではジュイスとの通話や日本に拠点を置く、
あるいは日本と接点の強い企業・団体や大使館への依頼以外は制限される。
指紋認証のセキュリティがあるため、他人には使用できない。また、電子マネーの現金化も不可能。
液晶上部に12個のセレソンナンバーが常時点灯されているが、セレソンが死ぬと対応したナンバーも随時消えていく。
◆ノブレス・オブリージュ
セレソン達の間で使用される合言葉。「高貴な義務」を表す。
◆東のエデン(ひがし-)
本編中では複数の意味を持つ。
- 咲が大学時代に設立し所属していたサークルコミュニティの名称
様々な方法で得たリサイクルグッズを売ったり譲ったりしていた。
現在、活動は下火となっているが、これは後述の検索エンジンが関係する事件が起きたため。
平澤が開発し、エンジンの名称もサークル名から採った。
QRコードを更に発展させた形の画像処理プログラムで携帯のカメラや、
PCで取り込んだ画像を読み取り、ネット上のアーカイブ画像から該当する画像を探し当てる。
「レイヤー」と呼ばれる画像に書き込みを貼り付ける機能も実装している。
画期的過ぎるシステムが逆に仇となり、とある事件を引き起こす事となる。
◆ジョニー
作中で男性生殖器を表す際に用いられる俗称。
◆Mr.OUTSIDE(ミスター・アウトサイド)
12人の人間をセレソンにした張本人。
本人曰く、「義務を果たしたセレソンは自然に自分に会える」らしい。
◆Juiz(ジュイス)
CV:玉川紗己子
各セレソン専属のコンシェルジュ。
セレソンの依頼をそれぞれの残高を使用して遂行するが、有効範囲は日本国内に限定される。
セレソンが日本国外にいても
ノブレス携帯を通じて会話する事は可能。
その能力は極めて高い。セレソンにより態度が異なる。
■小説
メディアファクトリー発行の雑誌「ダ・ヴィンチ」誌上にて、神山健治氏による小説が連載されている。
内容は本編とほぼ同一だが、細かい部分で補完がされている。
また劇場版の小説化もされており、ラストと短編で本編で描かれなかった他のセレソンの様子が追加されている。
■余談
ノブレス携帯はこの作品のためにアニメスタッフがデザインした端末と思われがちだが、実際はNEC製でありモックアップも存在する。
詳しくは
ノブレス携帯の項目を参照していただきたい。
ノブレス携帯のロゴは
攻殻機動隊の笑い男や個別の11人のマーク、
イギリスのエレクトロニカアーティストAPHEX TWINのロゴを手掛けたポール・ニコルソンによる物である。
※同時期に放送していた韓国ドラマ「エデンの東」とはタイトルが非常に似ているが全くの無関係作品である。
Noblesse oblige、 追記・修正後も救世主たらんことを。
- エデンの東ってジミーが出てる洋画の名作。知っておいて損はないかな。 -- 名無しさん (2013-11-27 00:14:51)
- ズボォォォォォォォォォォン!! -- 矢頭 (2014-08-16 17:14:26)
- ちょっと、パンツのところだけCV 書き忘れられてる。 -- 廣中 (2014-08-16 17:18:54)
- ED曲好きだけれど、声が籠ってて何言っているのかがわからない。 -- シーヴ (2014-08-25 18:58:14)
- あの携帯が欲しかった、またこういう作品が見たい -- 名無しさん (2016-10-31 17:39:43)
- 聖書で弟のアベルを殺したカインが追放されたのがエデンの東(にあるノド)、それをテーマにした小説がスタインベックの『エデンの東』。その後の映画やドラマはこの小説を原案・原作にしたもの(韓流ドラマもそう) -- 名無しさん (2019-09-02 13:17:18)
- 時代が追いついたというかアニメの世界がマシといえるほど衰退してきてる -- 名無しさん (2023-03-20 18:43:34)
- ネタバレになるが、物部はどうなったのだろうな…。「銃で襲ってきた不審者に車を激突させた所を発見された記憶喪失の国会議員」って正当防衛の勇者扱いなのか、やり過ぎたバカと見做されるのか…。 -- 名無しさん (2024-10-02 13:27:26)
最終更新:2024年10月02日 13:30