登録日:2014/06/27 Fri 20:52:04
更新日:2024/12/30 Mon 17:04:40
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以下、先のイベントで負った
トラウマに直接塩を抉りこむような展開につき注意。
◇これまでのあらすじ
主人公・
シグルドは、
王子殺しの汚名を着せられながらも自らの無実を証明するため、
大陸最高戦力であるグランベル正規兵を相手に最後の戦いを仕掛け、父バイロンから
聖剣ティルフィングを継承し、
同じ聖戦士の末裔である仇敵のランゴバルド卿、宰相レプトールに勝利する。
かつてシグルドに銀の剣を与え、レプトールとの戦いの時にも加勢してくれた
アルヴィス 率いるヴェルトマー軍。
その側近であるアイーダの手筈のもと、シグルド軍は念願だったバーハラ王都への凱旋を果たす。
ここまでの道のりは決して勝利の勢いのまま進んでいたわけではなかった。シグルドは勝利の度に大きな犠牲を生んでいた。
自身にとって唯一の肉親であるバイロン卿を失い……
共に国を担うものとしての将来を誓い合ったキュアン、さらに妹である
エスリンを失い……
戦渦に巻き込まないために、子供のオイフェと
シャナン、息子
セリスを疎開させる別離……
仲間たちも最愛の人との幸せを噛みしめつつも、悲報の数々に動揺を隠せなかった。
大切の人を想う反面、どこか不安を抱えながらもシグルドと共に王都へと向かう。
※ここから先は悲劇が待っています。
知りたくない人、心の準備ができていない方はブラウザバックして下さい。
刺激が強すぎる恐れがあります、本当に覚悟はいいですか…?
――バーハラ王都郊外
アルヴィス率いるヴェルトマー軍は、王都郊外にてシグルド軍を迎え入れる。
シグルドは、主君であるグランベル王アズムールに戦いの真相を伝えようとするが、
国王は病気で動けず、側近であるアルヴィスが全ての代理を引き受けると言い出す。
あとで王宮で直接お詫びを申し入れようとして、そのまま凱旋式は何事もなく終わるはずだったのだが――
「それにはおよばぬよ」
「えっ?」
アイーダより聞かされていた話から一転し、シグルドは父バイロン卿と共謀して国家転覆を企てた反逆者として処刑を宣告される。
さらに、今まで行方不明となっていた妻
ディアドラと、目の前にいる
首謀者の妻として再会を果たす。
しかし、彼女は全ての元凶である大司教
マンフロイの術に掛かり、今までの記憶を全て失っていた。
絶望的な状況の中でも、お互い魅入るように言葉を交わすシグルドとディアドラ。
アルヴィスは、ディアドラをこれ以上シグルドに逢わせることに本能で危険を感じ、従者に命じて彼女を城内へと戻す。
そして、シグルド軍の公開処刑を全軍に告げた。
「アルヴィス……きさま!」
弁明の余地もなくアルヴィスの指揮の下、自軍の周りにいたバーハラ王国の同盟軍(緑)の色が変わり、敵軍である赤色に染め上がる。
自軍全体に降り注ぐ隕石を落とす炎魔法メティオによる殲滅戦が始まり、王都バーハラ郊外は戦渦に包まれた。
「シグルド、もはやこれまでだ」
そして、聖戦士の末裔の一人であるアルヴィスは、神の炎とも呼ばれる
ファラフレイムをシグルドに向けて放つ。
数々の悲劇と死闘を乗り越えて来たシグルドと聖剣ティルフィングを以てしても、完全には避けられず大きなダメージを受けてしまう。
薄れる意識の中でアルヴィスに深手を負わせるも、シグルドは複雑に感情が入り混じったまま再び炎に包まれ、聖剣を残して絶命してしまう。
その他にもチート神器
フォルセティを持って挑んだ
レヴィンが、マンフロイに挑むも敗北している。
分断された状況で指揮系統が乱れる中でも善戦したものの、大将のシグルドが討ち取られたことでシグルド軍は敗走。
仲間達はほとんどが戦死、および生死不明となってしまう。
大陸の象徴でもあり絢爛豪華な王城の郊外を舞台に行われたこの一戦は、後にバーハラの戦いと呼ばれ、
ひとつの時代の終わりとして語り継がれることとなった………
●プレイヤーに与えた影響
今まで苦労して育ててきたユニットが、7章で再加入するフィン以外は、全て次の章から使えなくなってしまうこと。
そのため、お気に入りやエース級だろうと強制的に物語上から離脱してしまうので、感情移入は大きくなる。
NTR、裏切り、そして全てを失ったまま主人公が死亡してしまう展開。
主人公+伝説の武器による最強の組み合わせの敗北。
まるで映画ワンシーンのように長い
BGMが自動セリフに合わせて流れる演出。
赤く染まる画面とセピア色に変わる画面の色による悲劇性の強調。
それこそ、
バッドエンドと見間違えるような、重苦しい展開の数々……
ちなみにこのイベントはエンディングの扱いとなるため、スタートボタンでスキップすることはできない。
ゲーム全体を通してもこれほど悲劇性を強調したイベントはそう簡単には見つからない。
このイベントは本作のテーマの一つである『戦いのむなしさと悲惨』を、今まで育ててきたユニットが強制的に全滅する形で強烈に伝えている。
次の戦いからは再びレベル1から始まる子世代編に移行することも相まって、(間接的にとはいえ)ローグライクのごとくセーブデータが強制消去されるような絶望感も同時に味わうことになった。
これを直に味わったリアル世代のエムブレマーには衝撃すぎる結末に「泣いた」との報告がいろいろな場所で聞かれている。
●物語に与えた影響
当代の聖戦士の血族が敵味方問わず、ほとんどが戦死してしまったこと。
真の謀反人であるランゴバルド、レプトールの二名もかつて世界を救うために戦った正義の聖戦士の末裔であり、
言い方を変えれば
ライダーバトルのような戦いによって次々と倒れていったのだ。
◇バーハラの戦いで犠牲になった聖戦士の血族
シグルド(バルド直系・聖剣ティルフィング)
アンドレイ(ウル傍系)
レックス(ネール傍系)
アゼル(ファラ傍系)
ランゴバルド(ネール直系・聖斧スワンチカ)
レプトール(トール直系・雷魔法トールハンマー)
◇先の戦いで倒れた聖戦士の血族
エルトシャン(ヘズル直系・魔剣ミストルティン)
キュアン(ノヴァ直系・地槍ゲイボルグ)
合計で10人もの聖戦士の血族が、そのうち神器を継承した直系に限っても8人と半分以上が戦いの中で命を落としている。
なお、形式上はアイーダに話しかけてクリアなのだが、
実はこの章の勝利条件は
『バーハラ城の制圧』であるため、本当は達成できていない。
しかも、アルヴィスの治めているヴェルトマー城も制圧していない。この章は、
ゲーム的に見ても本当の意味での戦いには負けているのである。
グランベル王は、仮病ではなく本当に病に伏せて動けなくなっていた。
バーハラの悲劇によって、国を治める成人の有力者がいなくなったことで数少ない生き残りであるアルヴィスが全権を握るようになった。
特にこれから総仕上げに制圧する国の大半も、シグルド軍が先に戦っていたことが仇となってしまい、
守備軍はボロボロで国力も疲弊しきっており、今や無敵のグランベル軍を止められるはずもなく制圧されてしまう。
大陸全土がグランベル軍によって統治され、王国はグランベル帝国へ名前を変えた。
そんなアルヴィスにも弱みがあり、大陸を絶望に陥れた暗黒神の末裔の血を実は引いており、そのことを世間に暴露されることを一番恐れていた。
暗黒神の秘密を握る
暗黒教団を表向きでは抑えつつも、裏では完全に踊らされていたのであった。
傷ついた体でバーハラ城内に戻り、ディアドラの治療を受けるアルヴィス……。
この二人を見てほくそ笑む暗黒教団。
多くの人々は誰も気づいていなかった…悲劇の裏側では暗黒神の復活が近いことを、
そして、大陸が再び絶望の闇に包まれようとしていることも――――――
余談
実はこのイベント、見ないで済む方法があるのはご存じだろうか。
通常、5章ではヴェルトマーがフリージを裏切って中立になり、フリージの大将レプトールを倒してアイーダに話しかけるとクリアとなり、上記の流れが綴られる。
しかし、クリアの方法は実はもう1つある。それはヴェルトマーがフリージを裏切るより前にヴェルトマー城を制圧してしまうことである。
裏切って以降はアイーダがヴェルトマー城に立つが、レプトールはヴェルトマー城には一度も立たず、フリージ軍も誰一人城周辺を塞いでいないので、
裏切る前の城はガラ空き。そのスキを突いて一気に制圧してしまうのである。
方法としては、フリージ軍の進軍開始エリアに進入したそのターンのうちにヴェルトマー城まで行き、制圧する事。
そのターンを終了するか、フリージ軍の誰かと戦闘するとヴェルトマーの裏切りのイベントが入ってしまうので、これらはNG。
レスキュー、及びレッグリング又は踊るのいずれかが必要となりハードルは高いが、これらがあれば理論上誰でも達成は可能。
この方法で制圧すると、その後のイベントが全部飛ばされ、いきなり子世代の6章の開始まですっ飛ぶ。
もちろん、この悲劇が無かった事になる訳ではないので、いきなりこの方法を取るとプレイヤー視点では話が見えなくなってしまう。
ただ、プレイ時間としては大幅の短縮が可能なので、特にRTA等をやる場合では必須のテクニックになる。覚えて損は無い。
またこのイベント中に出てくる敵ユニットには一応内部データが設定されているのだが、あのファイアマージ軍団は実は内部データではメティオを持っていない。
あのメティオの雨は何だったんだ。
チートを使ってバーハラの戦いを戦ってみた動画でなら見ることが出来るが、ここの軍団には能力自体は設定されているがジェネラルもファイアマージもマージナイトもイベント専用ユニットなので「動く設定」が全くされておらず、序章のデータを使いまわしているアルヴィスだけが動いて襲ってくるという設定。誰が呼んだか通称ニートリッター。
所属はもちろんバーハラ軍だがロートリッター(ヴェルトマーの騎士団)である。
このシナリオではなかなかの悪女っぷりを見せながらも、後に倒すことも出来ずにフェードアウトするアイーダだが、トラキア776にて息子『サイアス』を守るために犠牲になったことが語られる。
彼女もまた、ヴェルトマー…いや、アルヴィスや息子を愛する1人の女だったということだろう。
追記・修正は親世代達の装備継承を吟味してからお願いします。
最終更新:2024年12月30日 17:04