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AEUヘリオン/AEUイナクト

登録日:2010/03/07(日) 23:55:42
更新日:2023/01/28 Sat 20:36:23
所要時間:約 9 分で読めます




機動戦士ガンダム00』に登場する機体。





【AEUヘリオン】

型式番号:AEU-05/05
頭頂高:15.4m
本体重量:58.2t
動力機関:バッテリー
推進機関:水素プラズマジェットエンジン
所属:AEU・PMCトラスト・モラリア共和国etc→地球連邦平和維持軍・カタロンetc

武装:
120mmリニアライフル
ソニックブレイド×2
ディフェンスロッド
20mm機銃
脚部ミサイル
チャフ・フレアディスペンサー

搭乗者
フォン・スパーク
オライフ
AEU一般兵
PMC一般兵
モラリア一般兵
地球連邦軍一般兵
カタロン一般兵
テロリスト
etc

AEUが開発した量産型MSで、正式名称は「AEUヘリオン ベルベトゥウム」。

西暦2292年に正式採用されたイニティウムから2度の大改修を受けて、10年以上主力として使用され続けており、他国に大量に輸出されている。
イナクトの登場により世代交代が始まりつつあるが様々なバリエーションが造られ第一線で活躍した。


武装は形状は違えど、ユニオンリアルドと共通する物が多く、飛行形態への変形には換装が必要。
指揮官機にはアンテナが付く
この機体は後発な事もあってリアルドのパクリと勘違いされがちだが、実際は機構や運用思想含めてまるで別物。
それどころか、イアン・ヴァスティ渾身の作であるこの機体は、上半身の肩部に大型スラスターを搭載する当作品お馴染みの機構を初めて採用しており、これ以降の後発の機体の多くがこの機構を継承した。
ある種パイオニアと言える節のある名機である。

リアルドはユニット毎にパーツが大まかに分かれてそれを換装して局地対応させるが、このヘリオンは下半身に追加兵装やMA等を装着させ、機能を強化する。
下半身を大型MAアグリッサとドッキングする事が出来る。
地球連邦樹立後も正規軍やカタロンで幅広く使用された。
というかイナクトとの世代交代がスムーズに進められた為、民間に払い下げられたりテロリストの手に渡ったりした数が単純に多いのである。

スペシャルエディションでは、旧式量産機の中で見せ場が多く優遇されている。


《バリエーション》
  • AEUヘリオン イニティウム
西暦2292年に完成し正式採用された最初期のヘリオン。太陽光紛争で主力として活躍し、戦争終結後にはPMCや第3国に数多く販売された。
主な武装は180ミリ滑空砲とカーボンスピア。

  • AEUヘリオン メディウム
イニティウムを2300年に改修。基本性能の底上げに加え、武装がリニアライフル、リニアロケットランチャー、ソニックブレイドに変更された。

  • AEUヘリオン陸戦型
飛行機能を切り捨て、追加武装と増加装甲を施した陸戦仕様。
腹部両側面に105mmリニアキャノン、脚部にロケットランチャーが増設されている。
スペシャルエディションⅠ「ソレスタルビーイング」でのガンダムエクシアガンダムデュナメスとの戦いぶりは必見。

  • AEUヘリオン宇宙型
フライトユニットを宇宙用スラスターに換装した宇宙仕様。
テロリストが使用したタイプは頭部が変更され、グレネード付きリニアガンと小型シールドを装備していた。
スペシャルエディションⅢ「リターン・ザ・ワールド」ではカタロン機が人命救助を行っていた。

  • AEUヘリオン偵察型
偵察用のオプションを施した特殊仕様。
索敵、情報収集に特化しており、リニアライフルの代わりにガンセンサーを、機体上面にレドームを取り付けている。
武装は内蔵式の20mm機銃のみ。

  • AEUヘリオン爆撃型
対地攻撃用の装備に換装された仕様。
飛行形態での仕様を前提とし、両腕は60mm機関砲とロケットランチャーに、機体後部に大型ウェポンコンテナを取り付けている。

  • AEUヘリオン捕獲型
スラスターを大型化しリニアシールドを装備した特殊仕様。
複数機で周囲を囲んで目標の動きを封じる。




【AEUイナクト】


テメエ…分かってねえだろ?!

俺は!

スペシャルで!

2000回で……!

模擬戦なんだよおぉぉぉぉぉッ?!!!





AEU ENACT



型式番号:AEU-09
頭頂高:17.9m
本体重量:66.8t
動力機関:バッテリー
推進機関:水素プラズマジェットエンジン
所属:AEU・PMCトラストetc→地球連邦平和維持軍・カタロンetc

武装:
120mmリニアライフル
ソニックブレイド / プラズマソード×2
ディフェンスロッド
脚部ミサイル
チャフ・フレアディスペンサー

搭乗者:
パトリック・コーラサワー
AEU一般兵
地球連邦軍一般兵
カタロン一般兵
etc

AEUが開発したヘリオンの後継量産機。

AEUのMSでは初の太陽光エネルギー対応型で、内蔵した電力受信アンテナにより軌道エレベーターから直接パワー供給を受けられる。
基本設計は極めて優秀な機体であるユニオンフラッグを参考にしたとされており、換装無しで変形可能であり、武装面でも大きな違いは無い。

機能の類似性とフラッグの開発者の一人としての自負からか、ビリー・カタギリからは「うちのフラッグの猿真似だよ。独創的なのはデザインだけだね」と評された。
しかし対立する陣営同士で似たようなコンセプトの兵器を主力として数十年も運用していれば互いに研究や模倣を繰り返すのは至極当然と言え、この発言は自分達を棚に上げた身贔屓なものだと言える。フラッグとてヘリオンの影響が皆無等とは到底言えないのだ。
実際フラッグに於いて弱点とも言える関節部等細部に改良を加えてあるため実質フラッグのバージョンアップと言っても過言でない性能で、パイロットの安全性と集音性は高い。
頭部の左右に伸びるマイクロ波受信アンテナが特徴的で、指揮官機には頭頂部にもう一本アンテナが付く。
AEUはこの機能を積極的に利用する方針でマイクロ波送信施設の整備を進めており、AEU領のほぼ全てを送信施設の圏内としている(一方でユニオンはマイクロ波送信施設の整備に積極的でないとのこと)。

運用思想もヘリオンと同様下半身にオプション兵装を追加しての運用を想定し、ヘリオンが使用していたアグリッサもそのまま流用可能である。

この時点ではエース専用機だったフラッグと違い、量産体制を整えてからお披露目された為、本編ではほぼ全ての機体がイナクトに移り変わった。
擬似太陽炉登場後の二線級として扱われる機体数もフラッグより遥かに多い。



【バリエーション】
  • AEUイナクト(デモカラー)

1stシーズン第1話でのAEU軍事演習場のデモンストレーションで使用された。ターコイズと白を基調としたカラーリング以外は通常の指揮官機と変わりはない。通称「デモクト」。
※本作の主人公機である。(嘘)
ヘタしたら、ラスボスであるアルヴァアロンやリボーンズガンダムより有名な機体かもしれない

アリー・アル・サーシェス用にカスタム化されたイナクト。
頭部と両肩の太陽光受信アンテナを大型化し装甲を犠牲にした軽量化により機動力が向上している。
後にプラズマフィールドに対応する為、塗装色が変更された。
詳細は当該項目参照。

  • AEUイナクト宇宙型
フライトユニットをロケットモーターに換装した宇宙仕様。
カタロン機はリニアライフルにサブバッテリーと脚部にロケットランチャーが追加され、ディフェンスロッドの片方を短縮していた。

  • AEUイナクト スイール王宮警護型
中東国家のスイール王国が独自に購入しカスタム化したイナクト。
ブレイドライフルを装備し、独特な形状のアンテナが特徴的。
画面に一瞬登場したが、メメントモリでスイール諸共消滅した。

  • クラウス専用イナクト ランドストライカーパッケージ
クラウス・グラード専用機として砂漠用サンドバディクラフト、対太陽炉搭載機にレーザーキャノンを搭載した機体。


【アグリッサ タイプ7】

型式番号:AEU-MA0707
頭頂高:不明
本体重量:不明
所属:AEU・カタロン

武装:
プラズマキャノン
プラズマフィールド発生器
カーボンクロー

搭乗者:
フォン・スパーク
カタロン一般兵


後に登場するタイプ13の先行生産モデル。
2302年に、ガンダムラジエルの存在に勘付いた陣営によって埃を被っていたところを引っ張り出されて使用された。
作中ではラジエルとグラーベ・ヴィオレントを追い詰めるも、人間とは異なるイノベイドの頑強さの前に敗れる。

この機体はプラズマフィールド発生器を取り除けばMS2機程度の荷物を格納し運搬出来る輸送機としても扱え、その用途で民間に
払い下げられた後、主にカタロンが利用することとなる。



ガンプラ

イナクトのデモカラー版がHG GUNDAM 00で発売。1stシーズン第1話からおよそ10ヶ月経って待望のリリースとなった。というか1期勢の中では最後の立体化キットだった。今だったら恐らくプレミアムバンダイ限定アイテムになっていただろう。
基本的には先に発売されたサーシェス専用イナクトカスタム(アグリッサ型)のバリエーションアイテムとしてのリリース。
イナクトカスタムとは成形色と頭部パーツ、肩部のフィン、リニアライフルが変更されている(大型ソニックブレイドの柄と、ミサイルランチャーは付属しない)。
量産型用の頭部パーツも付属する為、改造無しで量産型も組み立てられるが、完全再現には塗装が必須。なお、関節パーツにABS樹脂が使われているので塗装する際には気を付けよう。

デモカラーのパッケージは1話冒頭の再現になっているが、ソニックブレイドの刃に反射して映るエクシアの姿から、この後起こる一連の顛末を想像するのには難くない状態となっている。


【余談】

一見するとイナクトはフラッグやティエレンに比べていまいち地味…というか活躍の場が無かったように見えるが、エクシアを翻弄し手玉に取り、第2ラウンドのアグリッサ対エクシアでもネーナ・トリニティが助けなければ終了寸前まで追い詰めた実績があり、何だかんだで見せ場が用意されている事を忘れがちではある。
……サーシェスが乗った時限定だけどな!
どちらの機体にも目のスリットが描かれていてカッコいい。


以下、かなり長くなるが、この機体に関わる事なので、敢えて追記しておく。
実はこの機体、『00』の世界に於いてかなり重要な意味合いを持つ。

まず、作品内情勢について改めて解説するが、武力介入開始前のソレスタルビーイングが最も危惧した事態の一つに
“ガンダムを任意の戦場に投入する等中途半端に露出させてしまうと、その存在を秘匿して優位に立とうと画策する三大国家群によって情報統制が行われる”
というケースが挙げられる。
こうなると、「ガンダムで戦場に幾ら介入しようが活動が広まらず、一般市民には都市伝説扱いされ、本来の“戦争根絶を目的に活動する”というメッセージ性の薄れて注目もされない」という事態に陥る恐れがあるからである。

それ故、「公衆の面前に晒されつつ武力活動を行える、センセーショナルなイベントにガンダムを投入する」事こそが、武力介入のスタートを切る上で必須条件だった。
そして、それに最も相応しいと判断されたのが、「人革連の軌道エレベータ・天柱の電力送信十周年記念」と「最新鋭兵器イナクトの公開演習」だった。
これらは同日に行われているだけでなく、各国のVIPや専門家、多数の大手のマスコミを招待していた為、
「AEUが条約違反を犯して軌道エレベータにMSを配備している事実を暴く情報収集・分析力」「当代最強かつ中立の武力」
これらを一遍に見せ付ける上で絶対見逃せない機会であり、イナクトというMSは云わば、ソレスタルビーイングが待ち望んだ絶好の当て馬だったのだ。

しかし、これらのイベントはガンダムの投入予定時期より遥かに早いタイミングで起こってしまった。
その為、ソレスタルビーイングは多くの兵装や技術が未開発の段階で武力介入を開始せざるを得ず、結果としてイオリア計画第一段階の終焉は予定よりも極めて早く訪れた。

仮にイナクトの開発が遅れていたら、公開演習が催されなかったら、そもそも存在しなかったら、
ガンダムは三大国家群や国連軍のGN-X相手により長く持ち堪えて、統一政府誕生のタイミングは大きくずれ込み、
西暦2307年以降の歴史は大きく違っていた可能性も大いにある。
有体に言ってしまえば、イナクト開発及びガンダムの武力介入活動があと3ヶ月程遅れた場合、地球は滅亡していた

このイナクトは、歴史の分水嶺になったと言っても過言ではない。




テメエ…分かってねえだろ?!

俺は!

Wiki篭りで!

追記で……!

修正なんだよおぉぉぉぉぉッ?!!!

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最終更新:2023年01月28日 20:36