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ワイパー(Splatoon)

登録日:2023/05/25 Thu 01:04:04
更新日:2024/12/30 Mon 18:42:07
所要時間:約 10 分で読めます




本項目ではゲームSplatoonシリーズ』に登場するブキ種について解説する。


概要

3』で初登場した細長い剣のような形のブキ種。英名は「Splatana」(スプラタナ)。
本体を振る遠心力によって刀身からインクの刃を飛ばす機能をもつ。サブカル作品によく出てくる斬撃が飛ぶ剣を想像してくれるとわかりやすい。

2024年6月現在で実装されているのは、ドライブワイパージムワイパー、そして6月のアップデートで追加されたデンタルワイパーの3種。いずれもオート連射不可で、主に威力が低いが連射性の高い『ヨコ斬り』と、チャージすることで隙が増えるがダメージも大きくなる『タメ斬り』の2つの攻撃方法をもつ。

性能

同期のストリンガーと同じく出来ることが非常に多いブキであり、基本的には前~中衛としてキルや削りを狙う動きが定番。
特徴は「正面戦闘での高い牽制力」「2種類の攻撃アクションが生む戦法の多彩さ」「対物攻撃力の高さ」の3点にある。

まず、ワイパーのインク刃はシューターなどのそれとは違い、地面に落下せず前方へまっすぐ飛んでいく
距離による塗りや威力の減衰は一切なく、当てた部位によってダメージ量が変わることもない。
足元塗りが確定で発生し直線状の塗り返しも強く、1発の塗り性能がなかなか高い。
また、至近距離で敵に攻撃を当てるとインク刃に加えて刀身本体のダメージが入る『直当て』と呼ばれる仕様も存在する。

ここで、ヨコ斬りとタメ斬りの性質をそれぞれ見ていこう。


  • ヨコ斬り
ZRを一度押すと、地面に対して水平に飛んでいくインク刃を発射する。
タテ斬りに比べて横幅が大きいため、レティクル(照準)の中心からズレても割と簡単に当てることができる。振り速度も速く隙が小さい。敵を倒すにはドライブワイパーで4発、ジムワイパーとデンタルワイパーは3発かかるものの、ボタン連打やイカ移動を挟んでの連撃でカバーできる。
前方からまったくブレない弾が延々と飛んでくる威圧感は敵からすればかなりのもので、迂闊に射程圏内へ入ろうものならズタズタに切り刻まれる。前衛ブキの中ではピカイチの牽制力だ。
ただし、直当てした際の威力はタメ斬りには及ばない。

  • タメ斬り
ZRを長押しするとインクをチャージし、ボタンを離すと地面に対して垂直に飛んでいく刃を放つ。
威力はヨコ斬りの2倍で、チャージ速度は非常に速い。射程もヨコ斬りより長くなっており、2発当てれば相手を仕留められる。
ストリンガーの空中撃ちよろしく照準も縦になるためやや当てづらいが、迂闊に食らうとかなり削られる上に比較的連射しやすく、ヨコ斬りと同じく牽制力が高い。平面での撃ち合いや、段差上へ干渉する際によく使う。
また、インク刃は中心部分がヒットしなかった場合や、インク刃自体で敵を倒した場合は貫通する。
直当ては相手を一撃で斬り伏せる必殺の威力で、当てるとチャージャーと同じ「ガギィンッ!」というサウンドが鳴ってとても心地よい。

さらに発射と同時に左スティックを前に傾けることで、前方にやや滑ってから攻撃を放つ『踏み込み斬り』が発動。直当てするのに足りない距離を詰めたり、危険な場面を脱出したりする際に役立つ。


……と、かなりの違いがあることが分かる。それを踏まえて、100ダメージ以上を与えるコンボを考えると、

  • ヨコ斬り数発
  • ヨコ斬り直当て数発
  • タメ斬り2発
  • タメ斬り直当て1発
  • タメ斬り1発+ヨコ斬り数発
  • タメ斬り1発+ヨコ斬り直当て1発

このように、メイン1つだけで非常に多くの戦い方を編み出せることが分かる。しかも、これにサブウェポンとスペシャルウェポンが加われば使えるテクニックはさらに増える

さらにもう一つの長所として、プレイヤー以外の物体への威力補正が高い。それもちょっと高いなんてレベルではなく、大抵のスペシャルをものの数発で粉砕できるほど。
ワイパーの目の前でカニタンクに乗ってもあっという間に引きずり降ろされるし、盤面にもよるが至近距離で使われたホップソナーやナイスダマはカモ同然
さらにシェルターの傘に対しても1.1倍の補正が掛かっており、シェルターにとっては(特にジムワイパーが)天敵そのもの。*1

ここまで多くの手数と物体破壊性能をもつブキは全カテゴリでもワイパーを置いて他に無く、マスターすればほぼ全ての状況で柔軟に戦えるポテンシャルを秘める。

ただし、それはブキの強みを全て引き出すことを前提とした「理論上」の話。『どんな状況でも戦える』というのは、『状況に対応できないとまったく勝てない』のと同義なのだ。


弱点

まず、ワイパーは自分のペースで戦える時はとことん強いが、相手のペースにハマると非常に抜け出しづらい。その理由は『キルタイムの遅さと攻撃時の隙』にある。

ワイパーのヨコ斬りはせいぜい30ダメージ前後の威力だが、にもかかわらずシューターやマニューバーといった多くのブキに比べて連射速度は遥かに劣る。
ワイパーと他カテゴリのブキがお互いの射程圏内で戦った場合は、発射レートの差でまず間違いなくワイパー側が撃ち負ける
タメ斬り2発を確実に当てられればこの限りでないが、そもそもタメ斬りは隙が大きい上に当てづらく、いつも安定してヒットさせるのはランク上位の使い手にとっても相当厳しい。おまけに2連続で当てなければならないと来れば至難の業である。
しかも振り動作を行っている間はイカ状態になれないため、攻撃の切れ目を突かれると簡単に接近されるのも悩みどころ。

この弱みがよく露呈するのが、インク切れ等で追い詰められた場合。少し潜伏してインク回復したところで、相手のDPSが自分を上回っていればヨコ斬りを多少当てても勝ち筋は薄い。複数人に囲まれた際は、最低1人は道連れにするといった悪あがきも出来ずに即デスすることも日常茶飯事

確1狙いの潜伏キルで立ち回ろうにも、確1範囲が練習場の試し打ちライン1本分にも満たない時点でそんな戦い方はローラーの下位互換でしかない。まだワイドローラーでやる方が簡単なレベルである。

一応これは使い手の腕前である程度カバーできるが、いくら熟練のワイパー使いでもどうにもならないことが一つある。曲射ができない点だ。
ワイパーの弾は直線状に飛ぶため、落下を利用して地形の裏や高台に干渉することは不可能。地味に思えるかもしれないがこれがなかなか面倒くさく、相手が物陰に隠れてしまうとわざわざ自分から回り込むか、諦めて無視せざるを得なくなる。
独特な照準や弾の形状もあって、ジャンプで届かない高所の上や下方向に敵が居る場面も苦手。

以上から高い火力と広い攻撃範囲を兼ね備え、なおかつ遮蔽物越しの戦闘を得意とするブラスターとは一番の天敵
他にもワイパーと同等以上の射程で怪物級のDPSを誇るスピナー、連射が速くスライドで狙いをずらせるマニューバー、高低差を利用して攻撃してくるスロッシャー等も相性が悪い。これらのブキを相手取る際は、認識外から仕掛けたりサブウェポンで体勢を崩したりといった工夫をすると良い。


運用

器用なブキだが完全無欠とは言えず、それどころか間合いをミスるとまったくキルが取れないことさえある。
前述のキルタイムや上下への干渉といった弱みをカバーするブキセットもあるものの、逆に言えばメインで不利な状況をこじ開けるのは難しく、サブスペを上手く利用しなければならない。
かといってサブばかり使っていてはメインに回せるインクが無くなってしまうし、攻撃性能が無いサブの場合はよりメインの腕前が要求される。

だからこそ、ワイパーを持つ上ではどの技がどんな場面で有用かを正しく理解することが重要になる。
いくら多彩な技が使えても、使い分けが出来なければせっかく有利を取った場面でも負けかねない。敵のペースにハマらないよう、相手が持ち掛けた勝負に乗らず、自分から1対1の対面を仕掛けることが求められるのだ。

対面では敵に近づき過ぎず、状況や相手のブキによってヨコ斬りとタメ斬りを的確に使い分け、インク残量に配慮しつつサブも絡めて戦うのが理想。
特に使い慣れていない頃は無闇に確1を狙わないようにすること。使い込んでいけばその内「今なら殺れる」タイミングが直感的に分かるようになっていくぞ。

総じてプレイヤーの練度がモロに出やすく、熟練の使い手なら一騎当千の活躍を見せる一方、使いこなせなければ無用の長物になることさえある。
相応の修練を要するブキ種ではあるが、さまざまな技を用いて変幻自在の動きで眼前の敵を屠っていく、その『』と『』の快感は他のブキでは味わえない魅力だ。


種類

ドライブワイパー

片刃剣のような形状のスピード特化型ワイパー。モチーフは自動車のワイパー。メーカーはガロン系やカーボンローラーでお馴染みの「ペトロ」。
ヨコ斬りは連射速度と塗り効率が優れており、タメ斬りはプライムシューターに匹敵する射程と60ダメージの威力をもつ。入門モデルという触れ込みもあって比較的扱いやすく、何よりその機動力はジムワイパーには無い長所。
自分で塗りを整えて盤面を作り、軽量級らしい素早さと手数に物を言わせた戦いを得意とする『柔』の剣。サポートも単独戦闘もしたい遊撃手にオススメ。

ただし振りが速いとは言ってもホクサイにさえ普通に負ける程度であり、前述のようなキル速の遅さや敵の射程圏内に入った際の脆さが露呈しやすい繊細なブキ。

ヨコ斬りとタメ斬りの使い分けが鍵となる、ワイパーの奥深さが詰まった名品。
詳細は個別項目を参照。


ジムワイパー

両刃剣のような形状のパワー特化型ワイパー。モチーフは事務用品の回転ゴム印。メーカーはフデを開発した画材メーカー「キャンバス」。
ヨコ斬りはドライブワイパー以上に射程が長く、塗り跡も太い。火力も向上したことでタメ斬り1発+ヨコ斬り1発で相手を葬れる他、確1範囲もごく僅かではあるが広くなった。
塗り効率はドライブに劣る分、巨大なインク刃に恐ろしい破壊力を秘めた『剛』の剣。一人で敵チームを血祭りに上げたいバーサーカーにオススメ。

だがその代償として攻撃時の隙が非常に大きく、発射レートと燃費も悪化。特に機動力の低さは最大の弱みで、中量級とは思えないほど振りの重さを感じやすい。
戦闘時はタメ斬りを主体に動かなければならず、隙を隠しつつ正確にメインを当てる力が求められる逸品。

詳細は個別項目を参照。

デンタルワイパーミント

刀のように鞘がついている重量型のワイパー。モチーフは歯ブラシで刃の上に歯磨き粉らしきものが盛られている。メーカーはマーカー系やスクリュースロッシャーで知られる「ツカサ電気」。
普段は納刀された状態でヨコ斬りでは納刀したまま降り、タメ斬り時のみ抜刀する。

チャージ時間が長い分タメ斬りの威力と踏み込み距離が長く、さらに他のワイパーと違い、タメ斬りが縦ではなく横に斬るので、放つインクも横方向に判定が広い。
長い踏み込み範囲とタメ斬りの広さが強みであり、センプクして死角から急接近し一閃で切り捨てるもよし、ジムワイパーと同じようにタメ斬りとヨコ斬りを連発して斬撃波による2連撃もよし。

重量級であるが故の機動性の低さ、インクの消費量の多さが弱点。そのせいでとっさに足場を作ることが苦手。
タメ斬りは隙も大きく、踏み込み中の本体に当たり判定は無いため、敵を通り抜けてしまい撃破のチャンスを与えてしまうこともある。そのためタメ斬りの強みをイカす為には、確実に両断できる間合いを覚えておくことが求められる。


+ 口外厳禁

クマサン印のワイパー

クマサンがジムワイパーを魔改造したサーモンラン専用ブキ。
なんとブキを振ってもインク刃がまったく出ず、足元以外に塗りが発生しない。そのためダメージを与えるには直当てするしかなく、有効射程は全ブキの中でワースト級
それと引き換えに手に入れたのが最狂最悪の破壊力というとんでもない癖が強いブキ。

詳細はサーモンランの項目を参照。




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最終更新:2024年12月30日 18:42

*1 余談だが、シェルターの傘には対物攻撃力アップのギアパワーは効果が無い。