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ドンキーコングシリーズ

登録日:2021/10/27 Wed 03:05:26
更新日:2024/12/04 Wed 11:21:54
所要時間:約 6 分で読めます






ドンキーコングシリーズとは、任天堂から1981年に公開されたアーケードゲーム『ドンキーコング』から始まるゲーム作品の総称。


概要(ドンキーコングシリーズ)

アーケードゲーム*1として登場。
ネクタイを巻いたムキムキのゴリラ「ドンキーコング」が大冒険を繰り広げるアクションゲーム……ではなく、マリオを操り、騒ぎを起こす悪役ドンキーコングを撃退するゲーム、それが「ドンキーコング」である。
後述する通り大ヒットを叩きだしたことで続編となる作品も複数つくられたが、ドンキーコング本人が主人公だった作品は実は一作もない

今では任天堂を背負う大看板にまでなったオーバーオールの配管工マリオが初登場した作品も実はこの「ドンキーコング」。*2
このため、キャラクターとしてのドンキーはマリオの初代ライバルとも言え、そういう意味ではクッパの先輩にあたる。

この「ドンキーコング」が空前の大ヒットを記録したことで、任天堂は家庭用据え置きゲーム機「ファミコン」に同シリーズを移植、「ドンキーコングJR.」「ドンキーコング3」と続く名タイトルとなった。

1984年の「ドンキーコングホッケー」でシリーズが終わっている為、いまとなってはプレイ経験のある人の方が少ない作品群だろう。
ただし「マリオvs.ドンキーコング」というノリを受け継いだようなシリーズは存在はするほか、VCやファミコンOnlineなど現在でもプレイできる環境は充実している。


概要(スーパードンキーコングシリーズ)

1994年、上記のドンキーコングをもとにして開発されたスーパーファミコン用ソフト「スーパードンキーコング」に端を発するゲームシリーズ。
2022年現在、「ドンキーコングシリーズ」といえば9割方こちらの派生作品を指し、マリオパーティー等のゲームとコラボしているのも上記のアーケード版ではなく、この「スーパー」版である。

開発を手掛けたのはイギリスのレア社(今風にいう所のセカンドパーティー)。
過去に「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズ、「バトルトード」シリーズを手掛けた、知る人ぞ知る実力派ゲームスタジオであった。

さきほどのドンキーコングの解説を読んで「あれ……?」と思ったWiki篭りは、おそらく高確率でこちらのプレイヤーであろう。
もちろん、スマブラ等に出てくるドンキーコングはこのシリーズでちゃんと主人公を張っている。

「悪役キングクルールに奪われた大量のバナナを、主人公ドンキーコングが奪い返すために冒険する」というのがスーパードンキーコングの話の大筋。
以降の作品でも、主人公ドンキーコング(あるいはコングファミリーの誰か)が大冒険をする、というスタイルはほぼ定着している。

奇をてらった要素のない純粋なアクションゲームである本シリーズだが、とっつきやすい操作性覚えやすいキャラクター秀逸なステージBGM難しすぎず易しすぎない難易度適度に深みのあるやり込み要素当時としては驚くほど美麗なグラフィック、とゲームを構成する基本的な要素が全て高水準にまとまっており、「横スクロールアクションの完成形」として評判を集めた。
中でも本シリーズのステージBGM任天堂どころかあらゆるゲームの中でトップを争う人気を誇り、本シリーズなくしてゲームBGMの歴史は語れないとまで言われることさえある。気になる方はYoutube等で「Stickerbush Symphony」(ステージ「とげとげタルめいろ」のBGM)や、「Aquatic Ambience」(「スーパードンキーコング」の水中のステージBGM)を検索して聴いてみよう。

この「スーパードンキーコング」が大ヒットしたおかげで筐体であるスーパーファミコン自体も大ヒットし、任天堂を日本一のゲーム会社に押し上げた伝説的タイトルの一つ。
そのヒットのおかげか、アニメも制作された。
現在、Nintendo Onlineで無印版ともども配信されているので、もしSwitchを持っているなら挑戦してみよう。

「魔界村」やフロムゲー*3と並んで高難易度ゲーム(死にゲー)の代名詞としても数えられており、
ゲームプレイ耐久配信系の企画でコレに挑戦し、完遂することはゲーマーにとってある種の栄誉と言われることもある。
困難に挑戦してみたいと思うWiki篭りは、「コントローラーを一度も投げたり叩きつけたりせずにクリアする」という縛りを課してプレイしてみよう。

なお、「アクションゲームとしての面白さ」に全リソースを割いているためストーリーや世界観は薄味。
各キャラの設定が掘り下げられることもあまりない。
物語としては実質ないようなもののため、とりあえず「ゴリラがバナナをあつめる」くらいの認識でプレイしても問題はない。


ゲームシステム(スーパードンキーコングシリーズ)

スーパーマリオブラザーズ等に類似した横スクロール型アクション。
プレイヤーは主人公「ドンキーコング」を操作し、最左端からゴールのある右端までの到達を目指す。
(ドンキーコンガ、たるジェットレース、マリオvs.ドンキーコングなど、この法則に則らない作品も存在する)

「踏んで倒せる敵がいる」「残機制を採用している」「ステージに100個集めると残機が1UPするアイテムがある」とあちらとの共通点も多いが、
  • 「ドンキーがアイテムで強化変身することはなく、序盤から終盤までドンキーのアクションが変わらない*4
  • 「踏みつけによる縦攻撃・ローリングアタックなどの横攻撃の2種を標準で使用でき、やれることが多い分、使い分けも要求される」
  • 「体力システムが存在せず、敵に当たると一発アウト」*5
  • 「時間制限システムがない。とりあえずクリアできればそれでOKというスタンス」
  • 「スコアポイント制度もなく、敵を倒しても旨味はない。とりあえずクリアできれば以下略」
と、向こうよりも単純かつストイックなゲーム性となっている。凝ったステージギミックや裏コマンドのようなものも一切と言っていいほど実装されていないため、プレイヤーにはアクションゲームの腕前がストレートに要求されることとなるだろう。
そして、シリーズ全作品に共通する特徴としてどの作品も難易度が鬼のように高い。
中でも、近年の作品である「リターンズ」は製作者は殺意を込めて作っているのではなかろうかという辛口仕様であり、完全クリアを目指すなら腰を据えてのプレイは必須だろう。(とはいえ、理不尽な難易度と言えるほどのものではなく、何度も挑戦してステージのパターンを覚えれば突破できる難易度に収まっている)

また、真エンディング到達に必要なボーナスステージの難易度も(見つけるという意味でも攻略するという意味でも)比較的高い部類にあり、レア社の悪意をこれでもかと感じられる。

1ステージクリアまでに10バルーン*6消費は当たり前、高難易度のステージともなれば最大所持数99バルーンのうち50~60バルーンを余裕で持っていかれることすら珍しくない。
作品によっては救済措置が設けられていることもあるが、そんなもんに頼っているようではいくらバルーンがあっても足りないので、何度も死に、コースを覚え、地道に地道に正攻法で突破していこう。
「挑戦を繰り返し困難を乗り越えてステージを制覇する達成感」という、ビデオゲームの原始的な妙味を強く味わえるシリーズでもある。
ある意味、これまでゲームに触れてこなかった人にこそ遊んでもらいたいゲームと言えるかもしれない。

基本的には一人用のゲームだが、多くの作品で二人プレイ機能がある。自信がないなら、二人以上で交代しながら攻略を目指すのもプレイスタイルとしてありだろう。

なお、本シリーズの横スクロールアクションはどの作品も%表示でゲームの攻略率を表示してくれる機能があるのだが、100%達成したからといって完全攻略できたとは限らないことには注意しておこう。

キャラクター

(CV表記はゲーム版における担当声優)
CV:長嶝高士
スーパードンキーコング」シリーズの主人公。
スマブラやマリオカートなど、近年の作品に出ている赤いネクタイのゴリラはもっぱら彼である。
大体の作品において「能天気なおバカキャラ」として描写され、クランキーに説教されたり知能派の敵に出し抜かれたり、というやりとりが半ばお約束となっている。
というかSFC3作のうち2と3は敵に捕まった彼を救出に向かうという話なので、実は操作キャラとして使えるのはSFC時代は1とその派生作だけだったりする。
ヨッシーアイランドDSでは赤ん坊姿も披露。当時からヨッシーを抱えて移動できるほどのパワーを持っていた。
ちなみに、「ドンキーコング(無印版)」に出てきたドンキーコングとは別人で、彼はその無印版ドンキーの孫。
そのため、特にマリオと確執があるわけではないようである。


CV:鈴木勝美
スーパードンキーコング」シリーズの主人公その2。ドンキーコングの相棒。
赤い帽子がトレードマークのチンパンジー
ドンキーに比べれば性格はしっかりしており、「オイラ」が一人称のお調子者。*7
パワーでごり押ししていくドンキーに対して、身軽でテクニカルなアクションを売りにしていることが多い。近年の作品ではプレイアブルとしてではなく、半ば装備品のような形で登場する。
ディクシーコング」という彼女がいるリア獣。


CV:笹島かほる
2から登場した、上記の通りディディーの彼女。
ディディー同様の軽量級キャラだが、何と言ってもその特徴は金髪のポニーテール
この髪を空中で振り回すことで滑空したり、タルを持ち上げたり、得意のギターをかき鳴らしたりと、何でもありな使い方をする。
古参キャラだが実はドンキーといっしょに冒険したのは、2014年発売のトロピカルフリーズが初。


  • ディンキーコング
3から登場した新しい主人公。ファンキーコングの親戚の赤ん坊。
赤子ながらドンキーのようなパワフルキャラであり、ハンドスラップや水切りジャンプなどのアクションが特徴。


  • ランキーコング
CV利根健太朗
64で登場したオランウータン。陽気な性格で関西弁を話す。
長い腕を活かしたアクションを得意とし、逆立ちで走ったりできるほか攻撃も可能。


  • タイニーコング
CV笹島かほる
64での紅一点で、金色の2本お下げがチャームポイントの女の子。
海外版ではディクシーとは姉妹関係にある設定となっている。
『たるジェットレース』では幾分成長した外見となっておりファンを驚かせた。


  • チャンキーコング
64で登場。ドンキーよりも大柄で力も強いが、本人は臆病ながらも正義感が強い性格。
特殊能力のひとつ「グレートチャンキー」で巨大化もでき、怪獣映画さながらのバトルを繰り広げたりもする。
ちなみに、二代目ドンキーはマウンテンゴリラモチーフなのに対しチャンキーはローランドゴリラがモチーフだとか。
また、海外版ではディンキーの兄という設定がある。


  • クランキーコング
CV:長嶝高士
ドンキーコングの祖父。安楽椅子に座り、長いひげを生やした老境のゴリラ。
よぼよぼの爺さんのような見た目に違わず冒険に参加することはなく、もっぱら商店での接客役や、会話のできるユニット、ミニゲームの対戦相手といったイベントキャラとして登場する。
話が長いうえに説教臭いのだが、時折攻略のアドバイスをしれっと授けてくれる。攻略に行き詰った時は彼の長話に耳を傾けてみよう。
長年偉そうなことをウダウダいう嫌味なクソジジイという印象のキャラだったが、トロピカルフリーズではプレイアブルキャラクターに昇格。口だけではないということをプレイヤーに知らしめた。まあ身体能力が衰えていないのは3のミニゲームではっきりはしていたけど。


CV:土屋トシヒデ
ドンキーの行く先々で店を構える、グラサンをかけた陽気なゴリラ。
ドンキーコングとの関係は「マブダチ」らしい。
本シリーズにおけるファストトラベル役で、パーツを集めたり一定の条件を満たすと彼の管理する乗り物を利用できるようになる。作品によっては、彼にパーツを渡すなどして乗り物を使えるようにしないと次のステージにすすめない場合もある。
トロピカルフリーズのSwitch移植版では追加要素としてプレイアブルキャラクターに昇格。初心者救済キャラとして意図的にぶっ壊れな性能となっており、もうドンキーじゃなくてこいつを前線に出せばいいんじゃないかな状態となっている。
まあマリオカートWiiでプレイアブルになったときも異様な性能ではあったけど。(こっちは上級者向けではある)


  • キャンディーコング
CV:津々見沙月
ナイスバディなゴリラ。ドンキーコングの憧れの女の子。
彼女自身も気のある素振りは見せているが……?
セーブポイントを任されている重要キャラであり、彼女の元にたどり着くまでプレイが終えられず泣きを見たプレイヤーも多いのではなかろうか。
またグラフィックがなかなか怖いことで有名。まあ細く引き伸ばしたケバイゴリラだからね…。
なぜかアニメ版では角刈りになってたりする(でも容姿はゲーム版よりマシ)

  • リンクリーコング
CV:山田みほ
2以降に登場する老婆のコング。クランキーの妻。
セーブポイントを任されている重要キャラであり(ry
3の後に他界したが、それ以降も幽霊として登場している。


  • スワンキーコング
2でクイズショー、3で的当てゲームの司会を務めるコング。
それぞれ服装が違うがリッチな着こなしをしており、キラリと光る白い歯がチャームポイント。


  • マンキーコング
通称「うらぎりマンキーコング」。
その呼び名の通り、もとはコングファミリーだったが裏切ってクレムリン軍に入ったという、どこぞのキノコのような経歴を持つ。でも量産型である。
タルを投げつけてくるという、奇しくも先代ドンキーコングを髣髴とさせるような攻撃をする。
ちなみに、ゴリラではなくオランウータンである。


CV:土屋トシヒデ
本シリーズを通しての悪役。最近スマブラにも参戦した。
ワニのごろつき集団「クレムリン軍団」の親玉で、彼らを率いて様々な悪事を働く。
マリオでいうクッパにあたるポジションの彼だが、任天堂ヴィランの例にもれず、どこか抜けているところがある。

が、爺さん(クランキー)婆さん(リンクリー)(クルール)を除いてこの作品は登場人物のIQが全体的に低いので、ドンキーを出し抜く分には支障はない。クルールの部下たちも押しなべて頭が悪いのが悩みの種。


  • 初代ドンキーコング
スーパーのつかない方の「ドンキーコングシリーズ」に登場したキャラクター。
血縁上、先述の二代目ドンキーの祖父にあたる。
前述の通り主人公としては登場していないが、マリオの初代宿敵として暴れ回った由緒正しい存在。
現在は完全に代替わりしておりメディアにも出てこないため、どのような人物なのかは謎に包まれていたが、その正体は……?



  • ドンキーコングJr.
上記の初代ドンキーコングの息子であり、2作目『ドンキーコングJr.』の主人公。
マリオに囚われた父を救うために戦う…という、なんとマリオが悪役として登場して主役は彼という異例の主人公である。
その後、『スーパーマリオカート』において成長して父のような大柄な姿で登場したが、それ以降はその立場を2代目ドンキーコングに譲り、ほとんど出てこなくなった。
存在が抹消されたわけではなく、現在でも稀にスポーツゲーム等に登場して、2代目ドンキーコングと共演している。
2代目と共演する際は、差別化のためかマリオカート以前の小柄な姿に戻っている。
なお、彼が初代の息子で2代目ドンキーコングが初代の孫であるが、彼が2代目の父親であるかどうかは公式から何の回答も無いため25年以上経った今なお謎に包まれている。

しかし、2023年のアニメ映画にて「2代目ドンキーコングが初代ドンキーコングの息子」という設定に書き換わっており、デザインも2代目とJr.を折衷したようなものになっている。
さらにこれに合わせたのか、2023年4月末をもって「Jr.が初代の息子、2代目が初代の孫」と解説していた任天堂の公式ページが削除されてしまった。
そのため、今後はJr.と2代目の設定が同一人物として統合される可能性も出てきたため、公式の動向が気になるところである。


  • レディ/ポリーン
初代ドンキーコングにさらわれた女性。
当時は「レディ」と呼ばれていたが、リメイクであるドンキーコング(GB)での再登場で「ポリーン」という名になった。
その後は長らくマリオvs.ドンキーコングでの登場が続いていたが、『スーパーマリオ オデッセイ』ではニュードンクシティの市長として登場。


  • スタンリー
『ドンキーコング3』の主人公。植物園を舞台に花を荒らそうとするドンキーコングや虫に殺虫剤を噴霧する。服装や鼻はマリオにそっくりだが帽子とヒゲがない。虫に触れられてミスした際には無数の虫に食い尽くされて骨すら残らず完全に消えて無くなる末路を辿る。
その後再登場することは一切なく、タタンガやブラッキー以上にマリオシリーズ及びドンキーコングシリーズの歴史において忘れ去られた人物。
一応スマブラSPスピリットとして出ているため、完全に忘れ去られてはいない模様。存在感が薄いことには変わり無いが…





シリーズ一覧

ドンキーコング(無印)

ドンキーコング(AC、G&W、FC)
ドンキーコングJR.(AC、G&W、FC)
ドンキーコング3(AC、G&W、FC)
ドンキーコングJR.の算数遊び(FC)
ドンキーコングホッケー(G&W)
ドンキーコング(GB)

スーパードンキーコング


派生作品




追記・修正はコントローラーを一度も投げずにクリアした人がお願いします。

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最終更新:2024年12月04日 11:21

*1 ゲーセンに置いてあるゲーム機。

*2 余談だが、この頃のマリオにはまだ名前がついておらず、「ジャンプマン」や「救助マン」などと呼ばれていた。

*3 フロムソフトウェアが輩出するゲーム。どれもこれも難易度の高いことで有名

*4 2から登場するアニマルバレルでアニマルフレンドに変身する事はあるが、ファイアマリオのような強化変身をする事はない

*5 コング一人当たりであり、ディディーを連れているなどで二人いるときは1回までならミスできる

*6 他作品で言うところの残機数。このバルーンが0になるとゲームオーバーとなり、最後にセーブした箇所まで強制的に戻されてしまう

*7 「スーパー」では一人称は「ぼく」だった