登録日:2020/08/02 Sun 16:03:17
更新日:2024/11/29 Fri 00:53:00
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岩手医科大学(いわていかだいがく)は、
岩手県にある私立大学である。略称は
岩手医大。
概要
医学部、歯学部、
薬学部、看護学部の合計4学部を有する、医療系の総合大学。
所在地は県庁所在地の盛岡市内、…ではなく隣のベッドタウンの矢巾町(やはばちょう)である。
元々は盛岡市内にあったのだが、2007年(平成19年)に
矢巾キャンパスがオープンし、最初は
薬学部のみ、2011年(平成23年)からは盛岡にあった
医学部と歯学部も矢巾キャンパスに移転してきている。
看護学部は2017年(平成29年)に矢巾キャンパスに設置されており、医学、歯学、薬学、看護学のすべてが同じ一つのキャンパスに集約されている数少ない大学となっている。
※ちなみに岩手県立大学と私立の盛岡大学も盛岡市内ではなく隣の滝沢市(旧・滝沢村)にある。盛岡市内に本部を置く大学は国立の岩手大学と私立の岩手保健医療大学のみ。
名前からして国立大学っぽいが、私立大学である。
歴史
1897年(明治30年)に盛岡に開業した私立岩手病院が起源と言われている。
その後、1928年(昭和3年)に岩手医学専門学校が開校し、戦後すぐに大学に昇格した。
地方(首都圏以外)の私立医学部としては大阪医科大学、関西医科大学、九州の
久留米大学と並び古参の部類に属する。
また
東海大学医学部や
帝京大学医学部など一部の首都圏の私立医学部よりも長い歴史を持つ。
2016年(平成28年)に宮城県仙台市の東北薬科大学(現・東北医科薬科大学)に
医学部が新設されるまでは、岩手医大が東北地方で唯一の私立医科大学だった。
あと国立の秋田大学医学部や山形大学医学部よりも、実は岩手医大のほうが歴史が長かったりする。
2017年(平成29年)には創立120周年を迎えた。おめでとう!
ただ、岩手医大が比較的古くから存在していたために、
岩手県には
国公立大学の医学部が設置されなかったという悲劇に見舞われてしまったのである。
そのため、あまり裕福でない一般家庭の子供は、(一応岩手医大にも奨学金制度はあるが)学費の安い弘前大学医学部や秋田大学医学部などに進学するケースが多い。
※ちなみに
栃木県と
埼玉県にも国公立医学部が存在しない。栃木県には私立の獨協医科大学と自治医科大学が、埼玉県には私立の埼玉医科大学がそれぞれ存在する。
学部
医学部
医師、所謂お医者さんを養成する。
私立
医学部の例に漏れず学費は非常に高い。6年間だとだいたい3500万円くらいかかる。主に東北地方の裕福な開業医の御曹司やお嬢様がご入学なさる。
地方の私立医学部というだけあって、国公立の医学部や首都圏の名門私立医学部(
慶應医学部、
順天堂医学部など)よりは入試難易度は低い。
だが腐っても
医学部なので、一般入試だと偏差値は65くらいあり、
早慶の理工学部よりは難易度が高い。
首都圏の医学部だと
東海大学医学部や
帝京大学医学部などが岩手医大医学部と同じくらいの難易度といわれる。
卒業後に医師として東北地方で働くことを出願の条件とする地域枠の推薦入試があり、これは一般入試よりも比較的簡単である。
歯学部や薬学部、看護学部と同じキャンパスで授業を受けるため、実践的なチーム医療を学べるのが魅力。
ちなみに東北地方の大学で医学部を有するのは、国公立だと
東北大学、弘前大学、福島県立医科大学、秋田大学、山形大学の5校、私立は岩手医大と東北医科薬科大学の2校である。
歯学部
歯科医師、所謂歯医者さんを養成する。
1965年(昭和40年)に設置された。
医学部同様に学費が高いが、入試難易度は医学部よりずっと低い。
偏差値で言えば40台前半であり、Fランの一歩手前の水準である。
ただしこれは岩手医大歯学部に限らず、私立の歯学部全般に言える特徴である。(私立歯学部で偏差値50を上回っているのは学費の安い東京歯科大学だけ。)
東北地方の私立大学だと岩手医大と
福島県の奥羽大学(旧・東北歯科大学)が歯学部を有する。国公立歯学部は
東北大学歯学部のみ。
薬学部
薬剤師を養成する。
設置されたのは2007年(平成19年)であり、薬学部としては新参の部類である。
歯学部同様偏差値は低い。
ここに限った話ではないが、私立の薬学部は(
共立薬科大学や
東京理科大学など上位校を除き)進級、卒業判定が厳しいため注意を要する。
看護学部
看護師や保健師などを養成する。
岩手医大創立120周年を記念して新設された。
岩手医大では唯一の4年制の学部である。(医歯薬は6年制だから)
キャンパス
矢巾キャンパス
所在地は矢巾町。現在は
医学部、歯学部、
薬学部、看護学部すべてがここで学んでいる他、大学本部もここに置かれている。
2007年(平成19年)にオープンし、薬学部は最初からここで学んでいる。
医学部、歯学部は2011年(平成23年)からこちらで授業を行うことになっている。
2019年(令和元年)からは岩手医大附属病院も大部分の機能がここに移転してきている。
内丸キャンパス
所在地は盛岡市内丸。
かつて
医学部と歯学部の専門教育で使われていたキャンパス。大学本部も矢巾に移転する前はここにあった。
岩手医大附属病院もここにあったが、大部分の機能は矢巾に移転している。
しかし一部の機能はここに内丸メディカルセンターとして残されている。
本町キャンパス
所在地は盛岡市本町。
かつて医学部と歯学部の教養課程で使われた。
同窓会の活動拠点は今でもここである。
こちらのほうが内丸キャンパスよりも新幹線の盛岡駅には近い。
花巻温泉病院
かつて花巻市に存在した附属病院。
国立花巻病院(現在は別の場所に移転)の跡地を引き継いで1993年(平成5年)に開業。
温泉療法について研究されていたが、2019年(平成31年)に閉鎖された。
追記、修正お願いします。
- 岩手医大項目あったんだ〜って思ったら今日出来たのか、附属病院の眼科と膠原病科にはお世話になった…… -- 名無しさん (2020-08-02 18:09:47)
- 岩手医大は良い大学だと思う。附属病院も素晴らしい。ただ学費が高すぎるので、やはり岩手医大とは別に岩手県内に国公立医学部を作るべき。 -- 名無しさん (2020-08-02 18:23:08)
- 最近、医学部がある大学の項目が多いね。 -- 名無しさん (2020-08-02 20:09:19)
最終更新:2024年11月29日 00:53