現代詩文庫『続続・大岡信詩集』好評既刊
円熟期の詩業を集成
円熟期の詩業を集成
丘のうなじがまるで光つたやうではないか
灌木の葉がいつせいにひるがへつたにすぎないのに
こひびとよ きみの眼はかたつてゐた
あめつちのはじめ 非有だけがあつた日のふかいへこみを
(「丘のうなじ」)
「大岡信さんの詩は、詩とはおもいやりだったとあらためて気づかせてくれる。人の思いをどこまで遠くやることができるか。詩はその冒険なのだった。大岡さんは、たとえば、連歌という日本古典の遺産が地球規模であらたによみがえるイメージをうたう。個人・観念・日本・現在といった眼前にこだわっていては見えないところへ連れて行かれた私たちは、そこでさらなる地平の広がりを展望して、新たなる冒険への夢と勇気を与えられるのである。」――佐佐木幸綱
『春 少女に』『水府』『草府にて』『詩とはなにか』『ぬばたまの夜、天の掃除器せまつてくる』など円熟期の詩業を収める。
解説=野沢啓 城戸朱理 永原孝道
1282円(税込)
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0922-0
1998年8月第1刷 2017年5月第2刷