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詩の本の思潮社

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現代詩文庫『続続・大岡信詩集』好評既刊

2025年02月18日

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円熟期の詩業を集成


丘のうなじがまるで光つたやうではないか
灌木の葉がいつせいにひるがへつたにすぎないのに

こひびとよ きみの眼はかたつてゐた
あめつちのはじめ 非有だけがあつた日のふかいへこみを
(「丘のうなじ」)


「大岡信さんの詩は、詩とはおもいやりだったとあらためて気づかせてくれる。人の思いをどこまで遠くやることができるか。詩はその冒険なのだった。大岡さんは、たとえば、連歌という日本古典の遺産が地球規模であらたによみがえるイメージをうたう。個人・観念・日本・現在といった眼前にこだわっていては見えないところへ連れて行かれた私たちは、そこでさらなる地平の広がりを展望して、新たなる冒険への夢と勇気を与えられるのである。」――佐佐木幸綱

『春 少女に』『水府』『草府にて』『詩とはなにか』『ぬばたまの夜、天の掃除器せまつてくる』など円熟期の詩業を収める。
解説=野沢啓 城戸朱理 永原孝道

1282円(税込)
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0922-0
1998年8月第1刷 2017年5月第2刷

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現代詩文庫『続・大岡信詩集』好評既刊

2025年02月18日

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うたげと孤心を貫いて


言葉が夢の探索のギアとなるとき
連動する助辞は
身をふりしぼつて透き徹る
霧につつまれた船が
雄弁の森のかなたに浮かびあがる
(「霧のなかから出現する船のための頌歌」)


「大岡信は、その近年の仕事で、詩をのびやかで緊密な出会いの場とすることに、ひたすら心を注いでいるようだ。精密な方法的探究と、ことばの生れ出る根源に立ち戻ろうとする執拗な意志、伝統的なものへのしなやかな没入と、みずみずしい日常の感触の虚心な受容、それらが、詩という場で出会い、出会うことによってそれぞれの新たな表情をあらわにする。かくして詩は、現在と現在をこえたものとを共に映し出す生き生きとした有機体と化するのだ。」――粟津則雄

うたげと孤心を貫いて現れる、溢れかえる水であり燃えあがる炎である言葉たち。『透視図法―夏のための』『悲歌と祝祷』ほかを収録。
解説=吉田健一 三浦雅士

1282円(税込)
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0899-5
1995年7月第1刷 2017年5月第2刷

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