2005/01/25
今日のthe New England Journal of Medicine
の「Probable Person-to-Person Transmission of Avian Influenza A (H5N1) 」http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/NEJMoa044021
によれば、
タイの家族のなかで、鶏から人、人から人への鳥インフルエンザH5N1伝染があったかどうかの検証をしており、
○家族の中の17歳の女性が発症したのは、その家の鶏に触れた三-四日後であり、その後死亡したこと。。
○彼女の母親は、衣服工場の勤め人で、異なった行政区から、病気になった彼女を看病に来て、何の防護服等もなくて、昨年9月7日から8日にかけて、16時間から18時間看病し、17歳の彼女を抱きしめたりキスしたりしていた後、9月11日に、肺炎にかかり、娘の死亡後、12日後に死んでしまったこと。
○また、彼女の 叔母さんも、その死んだ母親が発症してから5日後に、発熱し、その一週間後に、肺炎にかかったということ。
○この母親からの組織と、叔母さんからの鼻咽頭とのどから、綿棒で採取したものからは、A型H5N1の陽性反応が、RT-PCR法によって検出されたということ。
これらのことから、トリ→ヒト→ヒト感染のH5N1伝播が疑われている。
この今日のThe New England Journal of Medicineの情報は、瞬く間に世界を駆け巡り、各国とも、ヒト-ヒト伝播の場合の鳥インフルエンザ対策に、本格的に乗り出したようだ。
http://dailytelegraph.news.com.au/story.jsp?sectionid=1268&storyid=2564995では、その模様を伝えている。
特に、アメリカやイギリスの科学者たちは、今回のタイ・ヴェトナムでの家族感染にみるヒト-ヒト感染の鳥インフルエンザは、世界の二千万人以上の発症者を出す前触れであると警戒している。
英国政府は、手回しよく、英国でのヒト-ヒト感染(Person-to-Person Transmission)に備えた、「最後の審判のためのシナリオ」を作ったようである。
それには、感染者の死体を隔離するための膨らまして使うポータブルな霊安室まで用意されているという。
WHOのクラウス・ストール博士が言うに、今回の鳥インフルエンザウィルスは、ローカルな範囲では起こらずに、世界的な範囲で起こるであろうと予測している。
イギリスの見方では、1918年から1919年にかけて発生した、イギリスでの死亡者の二十二万八千人を、今回は上回るのではないかとみている。
そして、世界的には、二千五百万人以上の死亡者が出ると見ている。
このよう英国の過剰とまでいえる今回の鳥インフルエンザ対策に医学界は驚いているようだ。
また、ワクチンのストックも不足していることから、もし、このような事態になった場合は、手の打ちようがないとしている。
さらに、今回のウィルスは、変異によって、相当の毒性があるようなので、新しいワクチンの開発が急がれるとしている。
ところで、日本は大丈夫?
http://www.heraldsun.news.com.au/common/story_page/0,5478,12050473%255E401,00.html
も、ご参照