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開催にあたって

特にこの一年で、多くの方々がスマートフォンを利用するようになりました。様々な人々が行き交う往来でも、日常の公共交通機関内でも、職種や年齢に偏ることなくAndroidやiOSを搭載した携帯端末を利用している人を見かけることはもはや珍しくはありません。Androidの発表から携わってきた人たちからすると、ようやくという気持ちもあるでしょうが、多くの一般の方々からすると非常に急激な変化だといえます。

一方で、この変化に対してどのように企業として対応すべきであるか、あるいは一個人として何を追い求めていくべきであるか、どのような答えがあるのでしょうか。今までの国内向けフィーチャーフォンで培われたビジネスモデルはそのまま通用するわけではなく、この短期間に方向性の変更を余儀なくされた企業も多く存在しますが、またこの大きなうねりの中で、新たなアプローチを考えだし、飛躍したケースも散見できます。

発端は携帯端末のOSがAndroidになった、という事に過ぎませんが、それによりどれだけの変革が起こったでしょうか。端末はOSに合わせた形で形状を変え、性能を上げ、またそのかつてない速さでバージョンアップが行われるOSそのものに対して対応できるよう、サポートや開発体制を再編成が行われています。アプリケーションにおいても、タッチパネルを前提としたUI、UXを基準としてデザインの見直し、またさらにはこの新たなUIであるがゆえにできることを創造し価値を生み出すことが求められています。それによりエコシステムは成立し、結果的に企業や開発者のみならず利用者にとっても生活が豊かになります。

AndroidはOSであるが故に、その捉え方は様々ですが、各社、各開発者、また各利用者がどのように考え今何に取り組んでいるか、そしてどこに問題があり、今どのように対処しているか、それは今後どうなってほしいのか、といった内容は、むしろ異業種間でこそ共有すべき問題であり、異なるアプローチで取り組んでいるからこそ、それぞれの得意分野でなら解決できる、というケースは多く存在します。

Androidはそのオープンである性質上、垂直より水平である方がより多くの相乗効果が得られ、またその関わり合いは企業間である必要性さえもないのです。 Androidに関わる多くの人々が会社や業種の垣根を超えて、今後のより豊かな生活に帰結するべく、技術情報や過去現在の方向性、また成功や失敗体験を同業異業種間で共有する場とするのがABCの本懐です。

ABC 2012 Spring 実行委員長 安生真