東京ではIVS Japanというイタリアワイン専門のワイン愛好会の集まりがあり、毎月ランチ会と
時にディナーやセミナーなど多様なスタイルで開催しています。
トリノにも50代~70代の方々が集まるワイン愛好会があると知り参加してきました。
テーマは『リグーリア州のロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア』
リグーリアと言えば地中海に面して夏のリゾート地で賑わうポルトフィーノやチンクエテッレが有名ですね。
この辺りは東側で白ワイン、ピガートやヴェルメンティーノがとても美味しいエリアです。
今回は西側ポネンテ地域の黒ブドウ『ロッセーゼ』のRossese di Dolceacqua DOC を
6種類をテイスティングしました。
毎回生産者が登壇してセミナーしてくれます。ロッセーゼのワイナリー3社
テッレ・ビアンケ(日本にも輸入あり)、KA'MANCINE(カ・マンチーネ)、Tenuta Anfosso(テヌータ・アンフォッソ)は
3人一緒に車で5時間ほどかけて来たそうです。
テッレ・ビアンケの生産者がロッセーゼの歴史や土壌などについて語ってくれました。
急斜面 ACCLIVITA'
ロッセーゼを造る畑は丘陵の上部で、基本的に北の山側から南の海へ向かって、溪谷がいくつもあります。
イタリア語で『EROICA』という英雄的栽培方法のひとつとして知られる地域です。
つまり急斜面での栽培を強いられるからです。傾斜は21-50%だそうです。
『Muretti a secco』という石垣を作り段々畑状にします。機械化は殆どできないので作業は困難です。
土壌 :ブルーがかったマール(泥灰土)、ガレストロ(Flyshフリッシュ)の礫状石など、少しの距離で異なる。
この辺りもランゲなどのように区画別け(Menzioni/Unita’ geografiche)があり、NOMERANZE(ノメランツェ)と呼ばれます。
このUGAは2011年から取り入れられ、現在33のNOMERANZEがあります。
基本的に歴史的な条件、ミクロクリマ、土壌などを考慮して分けられています。
根が深く伸びているのが分かります。平均樹齢は45年だそうです。
ブドウ『ロッセーゼ』は紀元前5-6世紀に遡り、ギリシャ‐マルセイユ人がポネンテにヴィティスヴィニフェラをもたらした時の一つと言われる。
その証拠としてこの辺りの方言にギリシャ語が残っている。例えば鍬のことをMa’chella’というそうです。
1885年にドルチェアクアにもフィロキセラが入ってきました。
1972年 DOC『il Rossese di Dolceacqua』がリグーリア初のDOCとして誕生します。
ロッセーゼのブドウは果皮が薄く、病気にも弱いので栽培が困難です。
テイスティングは2種類づつ比較しながら進めます。合わせる食事は リグーリアのフォカッチャ・レッコは基本チーズが入ったもの。
会場は彼らの所有する部屋でレストランではないので、基本的にケータリングや買ってきたものを温める程度。
①KA’MANCINE 『BERAGNA』2023
カ・マンチーネは1988年創業。4ヘクタールの畑にロッセーゼのブドウだけ栽培する。
このワインは酸がありフレッシュですが、樹齢は古いものだそうで、バランスがよい。
②TERRE BIANCHE 『DOLCEACQUA』2023
こちらは日本にも入っており、受賞もたくさんしているワイン。
2023年で若いですが、香りも複雑で構造のしっかりした余韻を楽しめる仕上がりです。
③KA’MANCINE 『GALEAE』2023
①の彼のワインよりもアルコール度14%に上がり、ボディがあります。
④TENUTA ANFOSSO『POGGIO PINI』 2021
ラベルの2本の樹はよく見ると男女が抱き合っている、作り手もアーティスティックな方でした。
昔からこの辺りでは枝を一緒に圧搾してきたそうで、彼の代から半分に減らしたそうです。
おそらくそれに起因するヴェジタブルな香りが特徴的でした。
野菜のキッシュを合わせて頂きました。
⑤TENUTA ANFOSSO『LUVAIRA』 2021
⑥TERRE BIANCHE 『TERRABIANCA』2023
写真を忘れたのですが、豚肉の煮込みを合わせました。
本来はリグーリアの郷土料理『Capra con i fagioli』ヤギ肉とインゲン豆の煮込み料理がよく合います。
会は20:00~22:30 頃まで続き、テーブルで一緒になった人たちと友達になったり、生産者と交流したり、また注文もできます。
この主催者『コンパニア・デル・カリチェ』が受取り、購入者は引き取りに来るそうです。
殆どの人が車でいらしてましたが、ここ最近は飲酒運転の取り締まりが厳しくなったようで、
運転手は注意が必要がそうです。
IVS Japanの話をすると、いつか日本と繋いで開催したいですね、と喜んでおられました。
la compania del calice 『ラ・コンパニア・デル・カリチェ』
ホームページ:https://www.lacompagniadelcalice.it/