造東大寺司(ぞうとうだいじし)は、奈良時代(8世紀後半)に置かれた造寺司の一つ。東大寺の造営とその付属物の製作や写経事業を担当した令外官で、天平20年(748年)に設置され、延暦8年(789年)に停廃された。政所・木工所・造瓦所・鋳所・写経所・造物所・造仏所・甲賀・田上山作所・泉津木屋所など、多くの所からなる現業官司の巨大な集合体で、最盛期には「省」に匹敵する規模を誇った。管下の東大寺写経所が残した文書群である正倉院文書により、活動の一端が窺われる。