積算(せきさん)とは、一般的には数値を次々に加えていくことをいう。数学ではこのことを総和と言い、積算は経済分野での用語である。集めて計算すること。数をつぎつぎに加えて計算すること。また、その合計した額。を表す。 『最暗黒之東京』(1893、松原岩五郎) 二〇「百十数人の座業者が貢ぐ処の料銭、一 ト夏積算(セキサーン)して数百円に登る事あり」や『大塩平八郎』(1914、森鴎外)一〇で「四箇所の加番を積算(セキサン) すると、上下の人数が千三十四人になる」、『一つの思考実験』(1922、寺田寅彦)「其の積算的効果は可也なものになりはしまいか」などと使われている。 このほか使用される積算の用法は、不動産の新規賃料を求める手法の積算法、一定期間内の放射線の総量を表す積算線量(integral dose; cumulative dose)、電力(electric power)を時間積分した積算電力量、ある期間の電気諸量の積分値を表示・指示する電気計器である積算電気計器などがある。走行距離を測る計器を積算走行距離計といい、トリップメーター(Tripmeter)やオドメーターが代表例。このほかにマイレージサービスのマイル積算がある。