研修設計する上で、インプットをするのに生成AIをつかってみる。
今日は、「実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)」がテーマ。
まず、
1、ChatGPTo1(推論がすごいので調査方法とかは考えてもらうと良さそう)で調査方法を考えてもらう。
2、その調査方法でGoogleのDeep Rsearchで調査してもらう。
3、その調査結果をGPTo1に読み込ませて考察してもらった上で、教師がこれを参照して実践コミュニティをつくるためのガイドをつくってもらう。
4、ぼくから修正提案した上で、各章(9章構成だった)2000文字で詳しく書いてもらう。それを(架空の)人物に読んでもらって修正提案をもらい、その修正提案で修正したものをアウトプットしてもらう。
5、このガイドをもとに「世界一優秀なワークショップデザイナー」になりきってもらい、90分のワークショップを設計提案してもらう。全セリフもシナリオ化する。
まあおおよそはこんな感じ。ChatGPTo1はとにかくすごい。
こんな感じで調査方法のプロンプトを吐き出してくる。プロンプト自体をAIに考えてもらい、加除修正すればOKだ。
プロンプト
目的:
- エティエンヌ・ウェンガーの「実践コミュニティ(Community of Practice)」理論について整理したい
- 学校教育現場、特に教員研修やプロフェッショナル・ラーニング・コミュニティ(PLC)としての活用事例を調査したい
- 成功事例・失敗事例の要因を把握し、研修設計に活かしたい
検索・分析してほしい内容:
- ウェンガーの主要著作・理論概要
- Etienne Wenger (1998) Communities of Practice: Learning, Meaning, and Identity
- Wenger, McDermott, & Snyder (2002) Cultivating Communities of Practice
- ウェンガー本人やWenger-Trayner公式サイト等から得られる理論概要・最新情報
- 学校教育・教員研修における実践コミュニティの事例
- 国内外の事例(Professional Learning Community, PLC としての取り組み等)
- どのように立ち上げ・運営し、どのような成果や課題があったか
- 実践コミュニティを構築する際のポイント・課題
- 参加者のモチベーション向上・維持方法
- オンラインツールやSNSなどを活用したコミュニティ構築方法
- リーダーシップやファシリテーションに関する工夫
- 成功要因・失敗要因の分析
- 成功例での共通点(組織的支援、共通の課題意識、学校全体の風土など)
- 失敗・停滞した例の原因(リソース不足、目的の不明確さ、参加者のコミット不足など)
- 教員研修プログラムへの応用
- 教員向け研修プログラム事例(ワークショップ形式、オンラインコミュニティ連動型など)
- 実践コミュニティの理論を活用して効果的に学習・協働するための設計例
- 具体的な研修プログラム構成案や評価方法
検索用キーワード例:
- "Etienne Wenger" "Community of Practice" "Education"
- "Professional Learning Community" "PLC" "Teacher Training"
- "実践コミュニティ" "ウェンガー" "学校教育" "教員研修"
- "コミュニティ形成" "協働学習" "成功事例" "導入事例"
- "Online communities of practice" "教師間協働" "ファシリテーション"
希望するアウトプット形式:
- 理論・概念の概要
- 主な著作の要約、著者の主張・背景を整理
- 実践コミュニティの核となる要素(相互関係、共同体、共有のレパートリーなど)
- 先行研究・学術論文のリスト
- 発行年、著者名、引用数などのメタ情報
- 要約/アブストラクトの内容・主要な結論
- 導入事例・ケーススタディのリスト
- 事例が行われた国や組織(学校、教育委員会、大学など)
- 実践の内容(対象、期間、具体的手法)
- 成果や課題のポイント
- 導入・運営のための具体的提案
- コミュニティ設計時のステップ(目的設定、メンバー選定、ルール策定など)
- オンライン・オフライン両面でのコミュニティ運用方法
- 評価・フィードバック方法
- 教師向け研修プログラムの具体例
- 研修の内容(講義、ワークショップ、実践コミュニティ体験など)
- 時間配分・ファシリテーションのポイント
- 研修後のフォローアップ(オンラインコミュニティでの継続学習など)
追加リクエスト (必要に応じて):
- 「これらの文献・ウェブページの主張を分類し、理論概要・導入事例・成功要因などの観点でまとめてください」
- 「教育現場での実践コミュニティ導入の問題点や対策が書かれた論文を優先表示してください」
- 教師向け研修プログラムのデザインに言及している研究があれば抽出してください
- 海外の事例も含めて、学校現場の具体的な実践内容をまとめてください
そうすると、DeepResearchが者の数分で13000字程度の調査結果とソースをまとめてGoogleドキュメントにしてくれる。
この調査結果をo1にコピペして、考察してもらった上でガイド(教科書)を作成してもらう。ここで読者指定すると文体が変わる。
およそ2万字のガイドが完成した。なかなかの完成度。
これがあるだけで、ワークショップを考える壁打ちとしては十分。
時間があったのでさらにこのガイドをもとにワークショップを設計提案してもらった。
あなたは世界一優秀なワークショップデザイナーです。このテキストをもとに研修を設計してください。条件は以下の通りです。
#研修の目的「実践コミュニティを自分たちでつくるために必要な知識・スキルを体験的に学んでほしい。その上で実践コミュティを作る意欲を持ち、実際に作ってほしい」#対象「小中学校教員30名」
#所要時間「90分」
#形式「対面」
#場所 「広いスペースでグループワークが可能。プロジェクターもあり」
#研修で配布するハンドアウトも作成してください。
#研修設計が終わったら、別の優秀なワークショップデザイナーの視点で考察、評価して、修正点を提案してください。その修正案をもとに再度ワークショップを設計してください。(o1は週に50回という制限があるから、ちょっと欲張ってみた)
自分がざっと構想したワークショップとはやや違うものだったが「ああ、こういう展開もありか」「確かにここではこのインストラクションが大事そうだ」など、誰かに相談しながらつくっているようなノーミソの働きが生まれる。
実践コミュニティは、以下の本を熟読していたし、これをもとに校内研修を分析したり、書いたりしてきたので、肌感があるからこの方法が使える。
未知の内容だったら、何が本当で嘘かわからないから、この方法ではとんでもないことも起きそうだ。
本を読むの大事大事。
それにしてもこれくらいのことが1時間ぐらいでできて、13000字の調査結果、20000字のガイド、ワークショップ案とシナリオ案まで作れてしまうのだから驚きだ。調査を入れることである程度の正確性も担保できる(これを見極める目は必要だ)。
というわけで今日のお稽古おしまい。