温泉ソムリエの鈴木です。全国700カ所もの温泉に入ってきています。
温泉宿を予約しようとしたら「半露天風呂」と書かれていたけど、半露天風呂って何?と思う人もいるのではないでしょうか?
実はこの「半露天風呂」という言葉、非常に厄介な言葉で規定が無いため実際には内湯だったりすることも。
温泉宿でよく見かける「半露天風呂・露天風呂・野天風呂・内湯・展望風呂」の違いを後悔しないためにも説明します。
露天風呂とは?野天風呂とは?
露天風呂とは、野外に湯船があるお風呂のことです。野天風呂と言う場合もあります。建物の屋上にあり囲いが無い場合でも露天風呂と言います。
野外にあれば基本的には露天風呂となります。上記の写真のように露天風呂の中に屋根がある場合もあります。
屋根がある理由は雪避け・雨除け・日差しよけとして作られている場合がほとんどですが、一部温泉旅館が立ち並ぶ場合は覗き防止のためという場合もります。
なお実際には次に紹介する半露天風呂の場合でも露天風呂と書いてある宿があることもあったり、実際には内湯なのに露天風呂と書いてあるところもあるので宿の予約時には注意が必要な場合もあります。
また都市型ホテルに多いのですが、野外にあると言えば野外だけど実際には壁に囲まれ全く露天風呂には見えない・感じられない場合もあります。
広義では外気が常に流れ込んでくる状態のお風呂でも露天風呂という場合があります。
狭義では野天風呂は源泉が湧き出ている状態で外にある温泉としている場合もあります。
半露天風呂とは?
半露天風呂とは、実際には天井がある室内ですが、窓が一面もしくは2面以上あり窓を開けることで開放感ある湯船に変わる場合に半露天風呂と名付けていることが多くなっています。ただし明確な定義はなく実際には内湯の場合もあります。
上記の写真は露天風呂付き客室という触れ込みで予約した宿ですが実際には内湯だった例です。
半露天風呂という言葉は旅館側が作り出した言葉で元々はそんな言葉はありませんでした。
内湯よりも露天風呂に魅力を感じる人が多いため、実際には内湯でも窓を大きく取り付け、窓を開ければ露天風呂のように開放感がある浴室に対して半露天風呂と名付けていることが多くなっています。
本当はきちんと規定として露天風呂・半露天風呂・内湯の違いを明確した方が宿泊する側にしてみれば選ぶ時に楽なのですが、いろいろなシガラミで法規定化することが難しくなっているのが現状です。
こう書いてしまうと半露天風呂と書いてある宿は悪質なように思えてしまいますが、確かに悪質なところもあるのですが、他でありあまるカバーをしてくれている素晴らしい宿もあり、必ずしも悪質な宿とは限りません。
内湯とは?
内湯とは建物の中にあるお風呂のことです。ただしもう1つ意味があり、温泉旅館等の宿泊施設が保有する(つまり敷地内にある)お風呂のことを内湯と呼ぶ場合もありますが最近ではほとんど使われなくなりました。
内湯は室内にあるお風呂のことですが、もう1つ意味があり宿泊施設の敷地内にあるお風呂のことを内湯という場合もあります。この場合は露天風呂も内湯となります。
- 敷地内にある=内湯
- 敷地外にある=外湯
外湯とは?
外湯とは、温泉旅館等の宿泊施設の中にあるお風呂を内湯ということに対して宿泊施設の敷地外にあるお風呂のことを意味します。ただし最近は外湯のことを露天風呂という意味で使うことも増えてきています。
外湯は本来、宿泊施設(温泉旅館等)の敷地の外にあるお風呂のことを意味しています。
例えば長野県にある渋温泉外では「外湯 九湯」なるものがあり、泊まっている宿以外に「外湯 九湯」巡りをする人も大勢います。
温泉街でも入浴施設を持たない宿の場合、案内として「外湯をお楽しみください」と書いてある宿もあります。
ただし最近は内湯が室内にある湯船なので、その反対の意味で外湯を露天風呂という意味で記載しているところもあります。
展望風呂とは?
展望風呂とは、外の景色がよく見えたり高いところ(高層階等)に設置され高所の眺めが見られるお風呂のことです。ただし内湯しか無い温泉宿が内湯では集客出来ないために展望風呂と書いて景色が良いことをアピールする施策の1つとして使っている場合もあります。
内湯という言葉だと宿泊の決めてとしてはやや弱いことがあるのも事実です。
でも露天風呂が無いけどお風呂場からの展望が良い場合には展望風呂という呼び方をしている宿がかなりあります。
特に露天風呂付き客室ではその傾向が多くなっています。
またビル型の温泉旅館で最上階に浴室を設置した場合も展望風呂としているところが多くなっています。
展望風呂だけなら内湯もしくは半露天風呂ということが多くなっています。
中には展望露天風呂とアピールしている宿もあります。
野湯とは?
野湯とは、人の手が加えられておらず、自然のまま湧き出ている温泉のことです。更衣室も何も無いところが多くなっています。また川がそのまま野湯になっていることもあります。自分で穴をほったり石で壁を作り湯船を作って入ることもあります。
山奥に分け入って入っていかないと野湯に出会うことは難しいのが基本ですが、秋田県の川原毛大湯滝湯のように観光化した野湯もあります。
和歌山県の川湯温泉仙人風呂や群馬県の尻焼温泉のように川を意図的に湯船にしている場合は野湯とは言わないのが一般的です。
どのお風呂が良いか調べることが大切
露天風呂付き客室でも、ベランダに急ごしらえで作った景観も良くないところよりも半露天風呂だったり内湯だったとしても窓を開ければ凄く景色の良いところもあります。
つまり、温泉宿に望むものがお風呂の情緒やお風呂からの景色だった場合、露天風呂・半露天風呂・内湯・展望風呂という言葉だけでは温泉宿は決められません。
でも宿の公式サイトや宿泊予約サイトではそこまで詳しく書かれていないことが多々あります。
ではどうやって探せば良いのか?
良いな~と思った宿に実際に泊まった人のブログを読めば良いんです。
「宿名 ブログ」で検索すると割と実際に泊まった人がブログに写真を添えて書いてくれていることが多いので、是非「宿名 ブログ」で検索してください。
以上、温泉のお風呂の違いについてでした。
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