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白昼夢の視聴覚室

犬も食わない

すが家しのぶ収集物目録(2009年)

1/14 NON STYLE LIVE 2008 in 6大都市 ~ダメ男vsダテ男~」
1/21 キングオブコメディ第5回単独ライブ「誤解」
1/21 「故 鳥居みゆき告別式 ~狂宴封鎖的世界~」
1/21 チハラトーク #3」
2/18 キングオブコント2008」
2/18 エレ片コントライブ~コントの人2~
2/18 兵動大樹のおしゃべり大好き。2
2/20 モエヤン First DVD「まるだしヤッホー!~タイツからヘアー~」
2/25 ジャルジャルの戯 2」
2/25 ナイツ単独ライブ「21世紀大ナイツ展」
2/25 麒麟「かわしまんざいたむらいぶ」
2/25 スネークマンショー「楽しいテレビ」
3/11 モンスターエンジンDVD」
3/13 チハラトーク #-1」
3/13 チハラトーク #-2」
3/13 チハラトーク #-3」
3/18 ラーメンズ第5回公演「home」
3/18 パペットマペット活動10周年記念ライブ「牛蛙祭り」
3/19 快楽亭ブラック「放禁王」
3/25 カンニング竹山単独ライブ「放送禁止」
3/25 シティボーイズミックスPRESENTS「オペレッタ ロータスとピエーレ」
3/31 爆笑オンエアバトル タカアンドトシ
3/31 爆笑オンエアバトル NON STYLE
4/1 ラーメンズ第16回公演「TEXT」
4/15 関根勤の妄想力 南へ」
4/22 「ロザンの08ベスト+」
4/22 「SWAのDVD」
5/8 ラーメンズ第6回公演「FLAT
6/3 ラーメンズ第7回公演「news」
6/3 髭男爵 in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発 ファイナル」
6/3 「三拍子 in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発 ファイナル」
6/3 マシンガンズ in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発 ファイナル」
6/17 エレキコミック第17回発表会「了解。今むかってる。」
6/17 関根勤の妄想力 北へ」
6/17 クワバタオハラ単独ライブ「愛・恋・LOVE」
6/24 バカリズムライブ「勇者の冒険」
6/24 「板の上~これが、矢野・兵動だ!~」
6/24 ザブングル単独ライブ ~呆~
6/24 笑魂シリーズ 「Wエンジンの惚れてまうやろーっ!! ~モテない男の心の叫び~」
6/24 笑魂シリーズ ゆってぃ「ちっちゃい事は気にするな~ワカチコTOUR2009~」
6/24 笑魂シリーズ サイクロンZ「ハイパーソウル~スーパーヒーロー参上~」
6/24 笑魂シリーズ フォーリンラブ「嫌いになれない!!」
6/24 笑魂シリーズ ヒカリゴケ「ケツエン」
6/24 ザ・プラン9ウルグアイから来た男~ネタツアー~」
6/26 マキタスポーツの上京物語」
7/1 「爆笑渦巻島 トップ・カラーLIVE!! Vol.1」
7/8 ラバーガールソロライブ「さよならインドの空に」
7/8 ジャルジャルの戯 3」
7/22 「オードリーDVD」
7/22 「子どもさんかん日」
7/22 「さまぁ~ず×さまぁ~ず Vol.3」
7/22 「さまぁ~ず×さまぁ~ず Vol.4」
7/22 「さまぁ~ず×さまぁ~ず Vol.5」
7/24 アンガールズ単独ライブ「UNGIRLS PRO」
7/26 チハラトーク #4」
7/26 チハラトーク #-4」
8/5 東京ダイナマイトサンドウィッチマンの漫才先生 in パラオ
8/19 Kentaro Kobayashi Solo Performance Live Potsunen 2008「DROP
8/19 兵動大樹のおしゃべり大好き。3
8/19 千原兄弟コントライブ「ラブ」
8/19 COWCOW CONTE LIVE2」
8/21 「ラストベストロッチ」
8/21 アントキの猪木の観れんのか、おいっ!!」
8/26 THE GEESE 1st DVD「Dr.バードと優しい機械」
8/26 中山功太「オオサカファンタスティックベストコンサート」
8/26 スマイル「ベストスマイル」
9/2 「落語の極 平成名人10人衆 橘家圓蔵
9/4 「フキコシ・ソロ・アクト・ライブラリー吹越満【タイトル未定】~このライブのタイトルはタイトル未定です~」
9/9 タカアンドトシ単独ライブ in 日本青年館「勝手に!M-1グランプリ
9/18 永野「目立ちたがり屋が東京でライブ」
9/18 「TKO ゴールデン劇場2」
10/7 天竺鼠2」
10/7 板倉俊之 一人コントライブ「ドクソウ」
10/21 「兵動・小籔のおしゃべり一本勝負 其の壱」
10/21 YOSHIMOTO PRESENTS「LIVE STAND 09 ~ネタ祭り~ 史上最大のお笑い夏フェス ベストセレクション」
10/21 フラミンゴ コントコレクション「Pink」
10/23 アンジャッシュベストネタライブ「キンネンベスト」
10/23 超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~」
11/4 ハイキングウォーキング単独ライブ「根斗百裂拳」
11/6 第八回 東京03単独ライブ「機微」
11/18 「アームストロングLIVE2009」
11/20 快楽亭ブラック「不発弾」
11/25 どぶろっく「ほっといてくれんさい」
11/26 笑魂シリーズ ビーグル38「んな、アホな…」
11/26 笑魂シリーズ テンゲン「今日もキれてます!!」
11/26 笑魂シリーズ ゆりありく「私につっこんでくだサル?」
11/26 笑魂シリーズ いとうあさこ「天真爛漫~一度おさわがせします~」
11/26 笑魂シリーズ ザ・ゴールデンゴールデン「GOLDEN A GO!GO!」
12/2 爆笑オンエアバトル トータルテンボス
12/9 はんにゃ単独ライブ「はんにゃちゃんねる開局!やっちゃうよ!!」
12/16 bananaman live wonder moon
12/16 磁石単独ライブ「大フィーバー」
12/16 勝又「K2MT-0001」
12/16 弾丸ジャッキー単独ライブ「月面大戦争
12/23 キングオブコント2009」
12/23 我が家単独ライブ「HOME PARTY 2009」
12/23 流れ星単独ライブ「力作」
12/23 桜「ようこそ桜の季節へ」
12/23 バカリズムライブ「キックオフ!」
12/23 2丁拳銃百式2009」
12/23 ユニットコントライブ「六人の侍」
12/23 小島よしお単独ライブ「小島よしおのペチクリカ」

どうも、菅家です。

2009年は『フットンダ』のレギュラー放送が開始された年でした。レギュラー放送そのものは2014年に終了しましたが、今でも年明けの元旦に特番が放送され続けています。コンテンツとしての息が長い! また、時たま『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』で話題になっている、はんにゃとフルーツポンチによる小学生向け番組『ピラメキーノ』の放送が開始されたのも2009年で、こちらは2015年に終了しました。当時のはんにゃは本当に勢いがありましたねえ……。

この年のリリースといえば、なんといっても『爆笑オンエアバトル』シリーズの復活です。2005年に発売された『爆笑オンエアバトル スピードワゴン』で終了してしまったと思われていたところで、まさかまさかの大復活。しかも、それまで一度も番組DVDを発売していなかった、吉本興業からのリリースでしたからたまりません。結果として、2009年のタカアンドトシNON STYLEトータルテンボス、2010年のパンクブーブーと計四作品が発売されましたが、アーカイブの量を思うと、未だに「もっと出せるだろ!出せよ!」とか考えてしまいますね。麒麟とか、ダイノジとか、チュートリアルとか、佐久間一行とか……あるだろ! もっと! 出し惜しむな!

アーカイブといえば、ラーメンズの初期の公演『home』『FLAT』『news』がDVD化されたのも2009年です。これら三作品は、VHSとして発売されたものが権利上の関係からかなかなかDVD化されていなかったため、当時のファンは大いにやきもきさせられていました。それがやっとこさリリースされたわけですから、感慨深かったですねえ。それがよもや、後にほぼすべてのコントがYouTubeで無料配信されるようになるなんて、思ってもみませんでしたが。

この他にも、2009年は印象的な作品のリリースが目立つ年でした。カンニング竹山によるソロライブ、マキタスポーツを主人公に据えた奇妙なドキュメンタリー、ゴッホ以前の永野のネタを寄せ集めたベスト盤、インパルス・板倉俊之による一人コントライブとにかく明るい安村が在籍していたお笑いコンビ・アームストロングの単独ライブ、『もしかしてだけど』以前のどぶろっく、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったはんにゃの単独ライブ、自衛隊と新体操という異色のコンビ・弾丸ジャッキーによる単独ライブ……なんとも混沌としていますね。2008年と同様、ショートネタブームの勢いを感じます。

あと、忘れてはならないのが、“創作話芸アソシエーション”ことSWAによるDVDリリースですね。SWAとは、春風亭昇太三遊亭白鳥林家彦いち柳家喬太郎の四名によるユニットで、本作では共通したの題材を元に作られた四本の新作落語が演じられています。未だに落語というと昔話のイメージが強いですが、その意識を完全に払拭させられるほどにパンチの利いた内容になっております。お暇な方は今からでも。

次回はいよいよ2010年。ありとあらゆるネタ番組が終了する、節目の年です……が、リリース本数はちょっと大変なことになっているので、おそらく上半期と下半期に分けることになると思います。今からだと考えられないことになっていますよ。

『ロボット・ドリームズ』の苦くて深い余韻が今も尚

一日のうちに何度か、テアトル梅田で鑑賞した『ロボット・ドリームズ』のことを考えている時間が生まれている。擬人化された動物たちが暮らしている都会に一人で孤独に暮らしているドッグは、テレビコマーシャルで宣伝されていた友人用ロボットを購入する。陽気で明るいロボットの存在によって孤独から解放されたドッグの日常は一転して華やかに彩られるのだが、とある事件によって、彼はロボットと離れ離れになってしまう。二人が再会するには来年の夏まで待たなくてはならなかった。秋が過ぎ、冬が来て、春が行き、再び夏がやってくるまで、ドッグとロボットは何を考えながら時を過ごしていたのか……。

物語は基本的に明るいトーンで進行する。登場するキャラクターたちのデザインはキャッチ―で、そのひとつひとつの動きがアニメーションとしてとてつもなく魅力的だ。音楽も良い。軽やかで、しなやかで、場面ごとに印象的なメロディを添えてくれる。否、厳密にいうと、作中の登場人物たちはほとんど喋らないため、音楽こそが主役といえるのかもしれない。それでいて心をざわつかせるようなシーンも限られている。孤独なドッグは確かに孤独ではあるのだが、その生き様に後ろ指がさされることはない。そこまで悪い奴らが登場しない。不良たちに絡まれるシーンもあるにはあるが、カートゥーン的な描写によって、辛うじてシリアスには振り切れていない。観客のストレスになるようなノイズが限りなく削り取られている。

だからなのか。だからこそ、なのか。このシンプルな物語の終盤の展開について、時たま思い出して、そしてついつい考え込んでしまう。その決断は本当に正しいものだったのか、と。それこそがお互いにとっての幸福だったのか、と。その優しさは彼にとって本当に優しさだったのか、と。あれやこれやと考えてしまう。そして思い出すのは、離れ離れだったときに見ていたロボットの夢だ。ドッグとの再会に思いを馳せ続けていたロボットの夢だ。それでも尚、なのか。それでも尚、なのだ。あの結末のことを、私はこれから先もずっと思い出し続けるのだろう。ロボットが奏でるアース・ウィンド&ファイアの『セプテンバー』の口笛とともに。

「山里亮太の140 香川公演~港にある食堂~」(2025年1月18日)

新年早々、山里亮太香川県で『140』を開催するというので、観に行ってきた。会場は高松駅の近くにあるサンポートホール高松。昨年、ぽんぽこチャンネルのイベント『ぽこぴーの回覧板』を観に行ったときと同じ場所である。但し、『ぽこぴーの回覧板』の会場は大ホール(1,500席)だったのに対し、今回の『140』の会場は第1小ホール(312席)。前回の『140』で使用されたミューズホール(404席)よりも規模が縮小している。施設の立地の良さを優先したのか、意識的に席数を減らしたのか、その辺りは分からない。ともあれ駐車に困らない会場での開催は、地元民にとって非常に有り難い。

開演は午後4時半。二時間半ほどの公演時間を想定していたのだが、すべてのヤバいトークが終了して会場の外に出たころに、時計の針は午後7時半をさしていた。ただただ表には出せない質の一人喋りが三時間。とんでもない。無論、トークの内容について、ここに書くことは出来ない……というか魔法にかけられているため覚えていない……のだが、過去に観た公演よりもかなりぶっちゃけた内容になっていたような気がする。今後もこの稀少なイベントが続けられるように、いつまで観客にかけられた魔法がかかり続けていることを祈るばかりである。ていうか、このコンセプトのライブで全国各地を周っているのって、改めて意味が分からないな!

これは終演後に食べたうどん。カツオの香りが強烈。

すが家しのぶ収集物目録(2008年)

1/1 笑魂シリーズ 髭男爵ルネッサンス~逆に聞こう!!何が面白い!?~」
1/1 笑魂シリーズ 「パッション屋良の情熱講座」
1/1 笑魂シリーズ 「やまもとまさみのひとりコント」
1/1 笑魂シリーズ 5番6番「18番」
1/1 笑魂シリーズ エレファントジョン「立川より愛を込めて」
1/16 チハラトーク #1」
1/23 ディラン&キャサリンビバリーヒルズ晴天白書」
1/23 2丁拳銃百式2007」
1/25 志の輔らくごのおもちかえりDVD1「歓喜の歌2007」」
1/25 志の輔らくごのおもちかえりDVD2「ガラガラ」」
1/25 志の輔らくごのおもちかえりDVD3「メルシーひな祭り」」
1/25 ライブミランカ「スピードワゴントークライブ「こんな事言うと、野暮かもしれませんが…売れるために二人の弱点克服します!」
1/25 ライブミランカ「ドランクドラゴントークライブ「鈴木拓トークは俺にまかせなさいっ!ついて来れるか塚っちゃん!!」
1/25 快楽亭ブラック「非国民」
1/31 2007 下半期 漫才「爆笑問題のツーショット」
2/6 「エンタの味方!THE DVD ネタバトルVol.3 ハマカーンvs流れ星vsキャン×キャン
2/6 「ペナルティ単独ライブ2007」
2/13 NON STYLEにて」
2/20 野性爆弾「野爆DVD in DVD」
2/22 快楽亭ブラック「破廉恥」
3/5 サンドウィッチマンライブ2007 新宿与太郎哀歌」
3/12 オリエンタルラジオ「十」
3/19 Rahmens presents「GOLDEN BALLS LIVE」NAMIKIBASHI Satellite mix
3/19 麒麟「ジラフ」
3/26 有田哲平監督作品「特典映像」BOX
3/26 シティボーイズミックスPRESENTS「モーゴの人々」
4/16 エレ片コントライブ~コントの人~
4/16 福田転球×平田敦子÷千葉雅子「つゆ男」
4/23 鳥居みゆき「ハッピーマンデー」
5/12 イッセー尾形 一人芝居 2006春 クエストホール」
5/14 チョップリン「LIVE中年」
5/21 第六回 東京03単独ライブ「無駄に哀愁のある背中」
5/21 ザ・プラン9「THE PLANET9 Earth~コントStyle~鍛えるぞ!鍛えるぞ!」
5/21 犯さん哉
5/23 快楽亭ブラック不敬罪
6/4 「エンタの味方!THE DVD ネタバトルVol.4 ハマカーンvs流れ星vsキャン×キャン
6/11 「徹底解明シリーズ第1弾 ムーディ勝山の謎を追え!」
6/18 ハンブン東京
6/25 バカリズムライブ「生命の神秘」
6/25 はりけ~んず前田 単独オタクコントライブ「登風」
6/25 「さまぁ~ず×さまぁ~ず DVD-BOX」
7/2 ハマカーン エンタの味方! 爆笑ネタBEST10」
7/2 「流れ星 エンタの味方! 爆笑ネタBEST10」
7/2 キャン×キャン エンタの味方! 爆笑ネタBEST10」
7/9 アンガールズ単独ライブ「アンデルセン
7/9 アントキの猪木のダーッしますか!?」
7/16 関根勤の妄想力 東へ」
7/23 バナナマン傑作選ライブ「bananaman Kick」
7/23 兵動大樹のおしゃべり大好き。1
7/23 「全日本コール選手権3 with 浅草キッド
7/23 笑魂シリーズ オジンオズボーン「やんちゃ漫才」
7/23 笑魂シリーズ 「狩野英孝の生まれつきイケメンです」
7/23 笑魂シリーズ 慶「合言葉はチュリッス」
7/23 笑魂シリーズ あきげん「キャラメルポップコーン」
7/23 笑魂シリーズ ぼれろ「ビギナーズ♪♪ラック」
7/30 チハラトーク #2」
7/31 ネプチューン「おひつじ座の巻」
8/13 COWCOW CONTE LIVE1」
8/20 KKP #5「TAKE OFF ~ライト三兄弟~」
8/20 オリエンタルラジオ全国漫才ライブツアー「才」
8/27 みうらじゅんバナナマンのゼッタイに出る授業」
9/3 ブラックマヨネーズの∞(無限大)番長」
9/10 $10 LIVE「ベストコントヒッツ!?」
9/17 「LIVE!清水ミチコのお楽しみ会“リップサービス”」
9/17 シティボーイズの「灰とダイヤモンド」~新老人の集い~」
9/17 立川志らく シネマ落語「E.T.
9/19 くじら「スター☆伝説」
9/24 ラバーガールソロライブ「メキシカンキャッシュボーイ」
9/24 「こまつの自己紹介」
9/26 快楽亭ブラック「大迷人」
10/8 YOSHIMOTO PRESENTS「LIVE STAND 08 DVD-BOX」
10/15 関根勤の妄想力 西へ」
10/22 みうらじゅんリリー・フランキーの期待されても困るんですよ」
10/22 ジャルジャルの戯 1」
10/22 U字工事「北関東ナンバーワン!」
10/29 髭男爵 in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発」
10/29 「三拍子 in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発」
10/29 マシンガンズ in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発」
10/30 世界のナベアツ「オモローのナベアツ」
10/31 ゴー☆ジャス「ファンタ☆スティックWorld」
10/31 2008年 漫才 爆笑問題のツーショット 20周年記念ディション(初回生産限定)
11/12 第七回 東京03単独ライブ「スモール」
11/12 トータルテンボス漫才ベストライブ「しのびねぇな。かまわんよ。」
11/19 「吟撰 ビクター落語会 其の壱」
11/19 「吟撰 ビクター落語会 其の弐」
11/19 U-1グランプリ CASE02「厨房」
11/19 2丁拳銃百式2008」
11/19 エレキコミック第16回発表会「Garlic」
11/19 「シモキタ・コメディ・ナイト・クラブ 今夜の出演者:吹越満
11/26 アンジャッシュ児嶋一哉 ソロコントライブVOL.1「タンピン」
11/26 狩野英孝 ファーストライブ「Ciel」
11/26 バカリズムライブ「科学の進歩」
12/3 bananaman live 疾風の乱痴気
12/3 笑魂シリーズ ナイツ「ナイツのヤホーで調べました」
12/3 笑魂シリーズ マシンガンズ「怒」
12/3 笑魂シリーズ ロッチ「バナナチェリー」
12/3 笑魂シリーズ 禅「ばか処」
12/3 笑魂シリーズ ダブルダッチ「とんだり はねたり ダブルダッチ ~漫才したり コントしたり ラジバンダリ~」
12/10 サンドウィッチマンライブ2008~新宿与太郎行進曲」
12/10 「流れ星 単独ライブDVD ~岐阜浪漫~」
12/17 「弩スピードワゴン Vol.3」
12/19 快楽亭ブラック「猥褻犯」
12/24 ますだおかだ寄席 ~15周年記念単独ライブ~」
12/24 小島よしお単独ライブ「小島よしおのカチョマンテ」
12/24 髭男爵 単独舞踏会「ボンジュール~お姉さんのロンドン留学の話がなくなってもいいのかい!?~」
12/24 三拍子単独ライブ「Soul Mate」
12/24 さくらんぼブービー単独ライブ「ギガンティック
12/24 ぼれろ初単独ライブ「ビギナーズ♪♪ラック」
12/24 飛石連休単独ライブ「帯に短しタスキに飛石」
12/26

ライブミランカ「ウッチャンナンチャントークライブ2007~立ち話」

どうも、菅家です。

2008年はフジテレビで『新しい波16』の放送が開始された年でした。92年から93年にかけて放送された『新しい波』、00年から01年にかけて放送された『新しい波8』の系譜を引き継いだ次世代の芸人発掘番組で、この番組で選抜された芸人たちによって、2009年に放送を開始する『ふくらむスクタム!!』が誕生します。結果として、番組はおよそ一年で放送を収録してしまいましたが、当時のレギュラーの一組であるかまいたちの今の活躍ぶりを思うと、改めて隔世の感がありますね。あと、キングオブコントの第一回大会が開催されたのも、この年です。当時、チョコレートプラネットや2700をファイナリストに選んだ予選の審査員、見る目がスゴいですね。

そんな2008年は、まだまだショートネタブーム真っ只中。昨年以上に個性豊かな芸人によるDVDが数多くリリースされている印象があります。なにせ安価で手に入りやすい“笑魂シリーズ”だけでも、十五作品がリリースされています。多いな。後に解散してしまったユニットによる作品も多く、アーカイブとして貴重なラインナップといえるでしょう(この時点でのエレファントジョンは、まだ森枝さんのキャラクターが確立されていませんでしたが)。

笑魂シリーズ以外でも、ショートネタブームの余波を感じさせられる作品がいくつか見受けられます。アントキの猪木、くじら、こまつ、ゴー☆ジャス世界のナベアツ、小島よしお、鳥居みゆきCOWCOWジャルジャル……。この時点での鳥居みゆきは、まだトリックスターとしての印象が強かったですけれど、後にソフト化される単独ライブによって完全にイメージが払拭されましたね。まだ彼女の単独ライブを観たことがない人は、一度だけでも観ておいた方が良いと思います。度肝を抜かされると思いますよ。

そんなショートネタブームの影響をさほど受けていない、実力派芸人による初の映像作品も2008年には多くリリースされています。この年のM-1王者となるNON STYLE、後にくっきー!が大ブレイクする野性爆弾、前年のM-1グランプリにおいて敗者復活から勝ち上がって優勝を果たしたサンドウィッチマン、『武勇伝』でブレイクしていたオリエンタルラジオ、ピンでのトークライブを映像化した兵動大樹矢野・兵動)、数年後に漫才でブレイクするテンダラー(当時は“$10”表記)、漫才とドッキリ企画の二本刀で突っ走るトータルテンボス……充実してますね。ノンスタと兵動氏は未だにDVDをリリースし続けています。強い。

大量に芸人のネタが消費された時代という意味で批判されることもあるショートネタブームですが、だからこそ発掘された芸人も数多く存在したのではないかと思います。

あと、細かいところでいうと、アンジャッシュ児嶋一哉によるピンでの単独ライブ、快楽亭ブラック師匠の高座を収録したシリーズ、くりぃむしちゅー有田哲平による謎の映像作品『特典映像』、関根勤の妄想を映像化した不可解な『関根勤の妄想力』などなど、ちょっとトリッキーな作品が多くリリースされた年でもありました。『関根勤の妄想力』はめちゃめちゃ面白い映像作品なんですけれど、今の時代だとリリースはちょっと難しいかもしれませんね。当時でさえ関根氏だからこそ許されていたところはありましたが……。

ショートネタブームを経て、再び盛り上がってきたお笑いブーム。この勢いは2009年も続きます。

『M-1グランプリ』で準優勝に選ばれたコンビは果たして優勝できるのか?

radikoのタイムフリーで『バッテリィズのオールナイトニッポン』(2025年1月7日放送)を聴いていて、ふと「M-1の準優勝者が翌年に優勝している実例って、どれぐらいあるんだろう?」と思い立ったので、調べてみました。

01年準優勝:ハリガネロック(02年・決勝五位)
02年準優勝:フットボールアワー(03年・優勝
03年準優勝:笑い飯(04年・決勝五位)
04年準優勝:南海キャンディーズ(05年・決勝九位)
05年準優勝:笑い飯(06年・決勝四位)
06年準優勝:フットボールアワー(07年・不参加)
07年準優勝:トータルテンボス(ラストイヤー)
08年準優勝:オードリー(09年・不参加)
09年準優勝:笑い飯(10年・優勝
10年準優勝:スリムクラブ(15年・準々決勝敗退*1
15年準優勝:銀シャリ(16年・優勝
16年準優勝:和牛(17年・準優勝)
17年準優勝:和牛(18年・準優勝)
18年準優勝:和牛(19年・四位)
19年準優勝:かまいたち(ラストイヤー)
20年準優勝:おいでやすこが(21年・不参加)
21年準優勝:オズワルド(22年・七位)
22年準優勝:さや香(23年・三位)
23年準優勝:ヤーレンズ(24年・五位)

なんとなく想像していたよりも厳しい結果になりましたね。

こうして並べてみると、優勝どころか最終決戦まで勝ち残っていないパターンが多いようです。準優勝に選ばれた時点で、賞レース仕様のネタを出し切ってしまったのでしょうか。そう考えると、三大会連続で準優勝となった和牛、二年連続で最終決戦進出を果たしたさや香の非凡ぶりに、改めて感心させられますね。前年準優勝から優勝を決めたコンビとなると、もはや異常と言ってもいいのかもしれません。

これらのデータを踏まえると、仮に今年のM-1でバッテリィズが決勝進出を果たしたとしても、優勝する可能性は非常に低いもののように思えます。とはいえ、賞レースなんて水物です。ネタの順番や各決勝進出者の芸風や当日の状態によって、結果は大きく左右されてしまいます。事実、昨年のM-1において、史上初となる王者による連覇が達成されていますしね。つまり、これまでのM-1の決勝戦の結果がこうだったからといって、今年のM-1においてバッテリィズが優勝する可能性が低いとは必ずしも言い切れません。……と、なんとなしのフォローを入れたところで、この記事はサクッと終わります。

あっ、『バッテリィズのオールナイトニッポン』はとてつもなく面白かったので、時間がある人は聴いてみてください。M-1で見せたエースのアホな魅力が詰め込まれた二時間でした。

*1:THE MANZAI 2011』決勝進出

ノーコンセプト大阪旅行(2025年1月11日・12日)

午前六時半起床。眠たい目を擦りつつ布団から這い出る。肌寒い。昨年の一月はもっと暖かかった記憶があるのだが。毎年、どうにもこうにも安定しない気温に、振り回されている。用便を済ませ、髭を当たり、朝食として前日に買っておいた菓子パンを食べる。体温が下がる感覚がある。温かい飲み物を用意すべきだった、と後悔する。食後、再び用便へ。長距離移動の最大の敵は便意である。内蔵からすべての糞便を絞り出すように心掛ける。

午前七時半、家を出る。当然のことながら、家の中よりも外の方が断然寒い。ただ、寒さに振り切られている分、こちらも覚悟が決まる。家の中は半端に寒いから辛いのだ。徒歩で最寄りのバス停へと移動し、しばし待つ。午前七時五十分ごろ、バスが来たので乗り込む。車内はしっかりと温かい空気に包まれている。有り難い。しかし、バスが走り出し、少しずつ窓から差し込む日光が強くなり、段々と車内の温度が上がり始める。もはや暑い。底冷えが不安だが、アウターを脱ぐ。バスの移動中、昨夜放送の『霜降り明星オールナイトニッポン』と先週放送の『ザ・ビートルズ10』を聴く。粗品が某番組に対する不満を吐露した動画が話題になった直後の放送ということもあって、ひょっとしたら触れるだろうかと思いながら聴いたのだが、直接的には語られず。ただ、ところどころに不穏なワードが見受けられ、「ひょっとしたら匂わせなのだろうか?」とは感じた。個人的には好きな番組なので、来年以降も出演し続けてもらいたいところなのだが。

正午過ぎ、大阪駅に到着。先にホテルでチェックインを済ませるつもりだったのだが、この後の予定に支障が出そうなので断念。午後一時、徒歩で目的地のテアトル梅田まで移動。地図で見たかぎりでは、さほど遠くないように感じていたのだが、実際に向かってみると、道のややこしさもあってかなり歩かされた。気温は低いが日差しが強く、汗が滲み出る。バスを降りるときに着たアウターを再び脱いで、鞄に仕舞う。エスカレーターで建物の三階に上がり、受付で『ロボット・ドリームズ』の当日券を購入。空腹を覚えたが、近場にコンビニの類いが見受けられなかったために諦める。鑑賞中にトイレに立つようなことになるのも良くない。午後一時三十五分、上映。午後三時半、終了。コミカルでキャッチーなキャラクターデザインに対して、後味はほろ苦い。随所に『しわ』を彷彿とさせる描写が挟み込まれていた。売店でパンフレットを買い求めようと思っていたのだが、ディスプレイに売り切れの札が貼られていた。哀しい。

上映後、徒歩で梅田ロフトへと向かう。午後四時ごろ到着。四階のイベントブースに向かい、男性ブランコのインストアショップでグッズを購入する。単独公演の映像付キーホルダー全四種と、各公演のパンフレット。なかなかにとてつもない出費だが、今を逃したら二度と手に入らない可能性もあるので、ここは清水の舞台から飛び降りる覚悟である。買い物を終えたら、今度は今回の宿へと向かう。お馴染みの「カプセルホテル大東洋」である。受付でチェックインを済ませ、たくさんの人でごった返しているロビーを抜けて、荷物をロッカーに預ける。ようやく人心地がついたような気分。

再び受付へ向かい、ロッカーキーを預け、表に飛び出す。午後四時半、歩いてほど近いところにある三田製麺所へ。カウンター席に座り、つけ麺(玉子トッピング)の大盛りを注文する。直後、隣の席に中年男性が。店内は空いていたのだが、一人客ということで店員にカウンター席を案内されたのだろう。しばらくしてつけ麺が到着。食べていると、隣の席から鼻をすする音がする。ちょっとすするぐらいの音であれば気にならないのだが、鼻水混じりのウェットな音がしていて、とても落ち着かない。麵をすする音を鼻水をすする音のハーモニー。勘弁してほしい。

食後、ちょっとだけ近くのメロンブックスを冷やかしてから、大東洋に戻り、カプセルルームにて休憩。午後八時半、大東洋と道路を挟んで向かい側にある鳥貴族で一人飲み。焼き鳥もハイボールも美味しい。しこたま飲み食いして、午後九時半にお会計。それからまた大東洋に戻り、大浴場で湯船につかり、午後十一時にカプセルルームの中で横になる……も、なかなか寝付けず、ぼんやりとスマホで動画を眺めているうちに、二時間が経過。流石に目を閉じる。午前一時ごろ就寝。

明けて日曜日は午前六時半に目が覚める。前回、アムザに泊まったときと同様、敷布団の上に掛布団を敷いて、その上で眠ってみた。やはり掛布団の上で寝た方が塩梅が良いようだ。目覚めたのは良いが、何もやる気が起こらなかったため、またしてもスマホで動画をじっくりと眺めてしまう。Wi-Fiがあるのがいけない。Wi-Fiがあるからいけない。午前九時を過ぎたあたりで、ゆるやかに出発の準備を始める。大浴場で髭を当たり、用便を済ませ、荷物をまとめ、午前九時五十分ごろチェックアウト。

午前十時、大東洋から歩いて数分のところにある松のやで朝食。玉子丼の豚汁セット(390円)。初めて松のやを利用したのだが、その安さに少し驚いた。玉子丼も豚汁もなかなかのボリュームなのに、この値段で経営は成り立つのだろうか。食後、御堂筋線なんば駅に向かう。連休中の御堂筋線はやはり混んでいる。混み合っている電車に乗るたびに、都会に来たことを実感する田舎者である。午前十一時半、OCATの高速バス乗り場近くにあるコインロッカーに荷物を預けて、身軽になる。思い切ってアウターもロッカーに預ける。

それからなんばに舞い戻り、ビックカメラの酒屋コーナーを物色。沖縄産ウイスキーのミニボトルを購入する。ミニボトルはコレクターズアイテムとしての趣きが強いが、シンプルに試し飲みとしても有用だ。気付けば時刻は正午。久しぶりに一蘭を食べたくなってきたので、心斎橋の一蘭に突入する。すると、外国人旅行客による、とてつもない行列にぶち当たる。店の入り口からだと確認しきれない人数が並んでいて、間違えてアミューズメントパークに来てしまったのかと錯覚するほどである。食券を買うまでに三十分、席に着くまでに四十分。ラーメンの値段も高く、完全に観光スポットと化していると実感。確かにラーメンは美味かったのだが、ここまで頑張らなくてはならないほどの味だったかというと、少し疑問を覚える。それでも好きな人は並ぶのだろうが。

食後、特に予定もなかったので、なんばの街を散策する。途中、りくろーおじさんのお店を見つけたので、以前に購入して美味しかった薪パイ、そして新たにマドレーヌを買い求める。正直、店の目玉商品であるチーズケーキは、個人的にそれほどでもなかったので今回はスルーだ。それから、またしばらくあっちこっち歩き回ったところで、いつの間にやら時刻は午後四時。OCATへと舞い戻り、建物内にあるやまやでウイスキーを購入してから(今回は地元で目にしたことがないグランツの12年を買ってみた)、コインロッカーに預けた荷物を回収し、カバンの中身を整理する。

午後四時四十五分、帰りのバスに乗り込む。移動中に、先週放送の『オキシジェンのラジオスープレックス』、昨夜放送の『東京ポッド許可局』、先週放送の『9の音粋(月)』を聴く。ただ、疲れがたまっていたのか、殆ど眠ってしまって内容はあまり覚えていない。午後九時、最寄りのバス停に到着。お疲れさまでした。

「こたけ正義感の『弁論』」(2024年12月26日~2025年1月15日限定公開)

こたけ正義感という芸人がいる。現役の弁護士としても活動する兼業芸人である。都内の法律事務所に勤務しながらワタナベコメディスクールの社会人コースに入学し、2017年に同期と漫才コンビを結成するも2019年に解散、それ以降はピン芸人として活動している。法律をテーマにしたフリップネタを得意としており、『R-1グランプリ2023』では同様の手法で敗者復活からの決勝進出を果たしている。また、『M-1グランプリ』にも積極的に参加しており、2021年にはワタリ119と“ワタリ正義感”、2024年には木下隆行(TKO)と“はじまりの歌”、サツマカワRPGと“頭虚偽罪”というユニットを結成して出場している。

正直なところ、私は芸人としてのこたけ正義感のことを侮っていた。弁護士という立場上、法律を取り扱ったネタしか演じることが出来ない使命を背負っている彼には、笑いの幅を期待できないだろうと思い込んでいたからだ。無論、医療漫談で知られるケーシー高峰のように、自身の芸風を限定的にするからこそ唯一無二の道を切り開いた先駆者もいるが、そこまで芸に奥行きを生み出すことは出来ないだろうと決めつけていたのである。だからこそ、2024年の年の瀬において、こたけ正義感による60分間ノンストップ漫談ライブが話題になっていると知ったときには、大変に驚いた。そんなストイックな漫談ライブを開催していたことにも驚いたのだが、そこで取り上げたテーマの重大性にも驚いた。私はこたけ正義感のことを見誤っていたのかもしれない。そう思いながら動画を再生してみて、更に驚いた。度肝を抜いたと言ってもいいだろう。

ライブ本編は、基本的に軽妙なトークによって展開している。無論、その内容には、法律に関することが散りばめられているのだが、決して難しくはない。かといって軽い内容でもない。一般的には知られていない法律の機微が身近なテーマとともに語られているため、大半の人間が理解できるように作り込まれている。例えば、肖像権の侵害について。例えば、法律を勉強するということは、ルールの使い方を学ぶことなのだということについて。例えば、人間同士の争いにおいて、あくまで感情を切り出して、事実に焦点を当てるということについて。法律とはどういうものなのか、弁護士とはどういうものなのか、裁判とはどういうものなのか……おそらく、法律を学ぶ人間であれば当然のように理解しているであろうような基本中の基本について、こたけは漫談というカタチを取りながら、笑いをまじえて観客に講義する。

恐らく、ひとつひとつの漫談だけを切り取って、テレビサイズに編集してしまうと、やや味気なくて物足りなさを覚えることになるだろう。だが、今回のように、60分間にわたる長尺の漫談ライブの場合、その塩梅が丁度良い。観客を疲れさせない。その意味では、私の彼の芸についての認識は、さほど間違っていなかったのかもしれない。彼のことをテレビだけで捉えてしまっていたことが間違いだったのだ。

ライブが後半戦に突入するころ、こたけの一言で会場の空気が一変する。

「でもね、こんなに簡単に解決できる、事件ばっかりではないですよ。……僕が今年関わった一番大きな事件といえば、袴田事件です」

袴田事件。1966年6月、味噌製造会社の専務宅が火事になり、焼け跡から家族四人がめった刺しにされた死体が発見され、その容疑者として、元ボクサーで従業員の袴田巌氏が逮捕された冤罪事件である。

弁護士会の広報として袴田事件に関わることになったこたけは、この事件の詳細がどのようなものだったのか、袴田氏がどうして容疑者になってしまったのか、その取り調べや証拠の背景に至るまで、随所に笑いを散りばめながら懇切丁寧に解説する。こたけがどのような手法で、この繊細で重厚なテーマから笑いを産み落とすことに成功したのかについては、この記事を書いている時点ではまだ動画が公開中のため、ここには書かない。ただ、前半の軽妙なトークを、お笑い的にも法律的にも活かした内容であったことだけは、ここに記録として書き残しておく。まったくもって見事な構成力であった。純粋に漫談ライブとして満点の出来栄えであった。

『弁論』は弁護士法の朗読とともに幕を開ける。

「弁護士法第一条。弁護士は基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。第二項。弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない」

一見すると、これは弁護士芸人の漫談ライブであることを観客に再認識させるために投げ込まれた、単なる演出として受け取ることも出来る。だが、本編を見終えた今なら、それは浅墓で的外れな勘違いであることが分かる。おそらくは、こたけ正義感が芸人であると同時に弁護士であるということを明確に表明しているのだ。つまり、芸人として観客の笑いを取ることと同じぐらいに、この第一条に記載されていることについて重きを置いている、ということを宣言しているのだ。だからこそ、ライブの終盤において、こたけは芸人の挨拶の常套句である「これだけは覚えて帰ってください」と言いながら、観客に大事なことを訴えかける。芸人にとって最も基本的で最も重要な「名前を覚えてもらう」と同じぐらいに、弁護士にとって最も基本的で最も重要なことを覚えてもらうために。

「皆さんが覚えておかないといけないのは、裁判にかけられようが、その人は原則無罪なんだと。被疑者・被告人は、イコール犯人ではないということ。今日は絶対に覚えて帰ってください」

何か事件が起きるたびに、独自の推理や考察で“犯人”を発見しがちな昨今のインターネットに対する警鐘のように聞こえるのは、きっと私だけではないだろう。

改めて前言撤回させてほしい。確かに幅はない。だが奥行きは果てしない。これほどまで、人間とともに有る法律と真正面から向き合い、笑いに変えていくことが出来る芸人だとは思っていなかった。お見逸れしました。『弁論』は芸人であり弁護士でもあるこたけ正義感にしか出来ない、まさしく唯一無二の使命そのものでした。なんとか話題に乗じて、コンテンツリーグあたりからDVD化にこぎつけてもらいたい。それだけの価値は十分にある。

【1月15日まで】こたけ正義感の『弁論』- YouTube

※1月15日追記。間もなく配信を終了するため、執筆時には触れなかった終盤の一言を追加しました。教訓めいた言い回しを受けて、動画を見る前から忌避感を覚える人が出てくるのではないかと考えて削り落としていましたが、大事なことだと思うので、どうしても記録したかったのです。

「新春!お笑い名人寄席2025」(2025年1月2日)

テツandトモ「自己紹介ソング~なんでだろう」
新宿カウボーイ「漫才:お寿司屋さん感」
錦鯉「漫才:宇宙人と遭遇」
ウエストランド「漫才:腹の立つ話」
ママタルト「漫才:初詣」
サンドウィッチマン「漫才:コンビニ」
ナイツ「漫才:オリンピック選手のサイン」

 

【芸人ネタ合戦】
サンド軍…ぺこぱ「漫才:大物芸能人の専属マネージャー」
ナイツ軍…三四郎「漫才:サウナのマナー」
サンド軍…わらふぢなるお「漫才:無人島に持っていくもの」
ナイツ軍…ゆうちゃみ×ロケット団「漫才:脳トレ
サンド軍…シティホテル3号室「コント:新商品開発」
ナイツ軍…ちゃんぴおんず「漫才:『タッチ』を歌いたい」
サンド軍…お見送り芸人しんいち「♪言いたくなかったけど」
ナイツ軍…阿佐ヶ谷姉妹「漫才:おばさんランド」
サンド軍…マギー司郎×新川優愛「マジック」
ナイツ軍…後輩漫才師*1×おぼん・こぼん「漫才:ギャグを伝授」

 

【昭和100年 特別企画】
横山やすし西川きよし(「漫才ベスト10」1981/12/27)
セント・ルイス(「爆笑ひょうたん寄席」1988/1/18)
青空球児・好児(「全部見せます!爆笑仕掛け人」1992/3/27)
昭和のいる・こいる(「お笑い特選名人館」1988/12/13)

 

【サンド軍vsナイツ軍 大喜利バトル】

 

【昭和100年 特別企画】
ケーシー高峰(「爆笑ひょうたん寄席」1988/4/22)
今いくよくるよ(「爆笑おもしろ寄席」1988/5/24、「爆笑寄席中継!気分はもうお正月」1989/12/30)
内海桂子・好江(「大爆笑!新春東西寄席」1993/1/2)
山田邦子(「全日本そっくり大賞」1981/8/9)

 

山田邦子「邦ちゃんの絵描き歌」
二代目林家三平「三平メドレー」
春風亭小朝「小噺」
爆笑問題「漫才:パリ五輪のメダリスト、大谷翔平大活躍、政治家の不倫スキャンダル、アメリカの大統領選、『サザエさん』に新キャラ登場、『暴れん坊将軍』復活、老害、クマの被害と自動翻訳機」

浅草演芸ホールにて収録。司会は東貴博と中根舞美(テレビ東京アナウンサー)。ゲストに山田邦子新川優愛松村沙友理村重杏奈、ゆうちゃみ。今まさに売れっ子の女性陣がゲストに呼ばれているようなのだが、山田邦子とゆうちゃみ以外のメンバーがイマイチ分からない。如何に自分が最近のテレビバラエティを見ていないか、まざまざと気付かされたような気がする。

ネタに関しては、いずれもそれなり。そもそもネタ時間が短いため、しっかりと芸を堪能することが出来なかったが、その分だけ、無駄の削ぎ落されたパフォーマンスを楽しむことが出来た……とも、いえるような気がする。それにしてもコントが少ない。『東西笑いの殿堂』と同様、正月特番にコントは不向きであるという判断が取られているのかもしれない。その中で奮闘するシティホテル3号室には頑張ってもらいたい。おそらくは爆笑問題ウエストランドのバーターとしての出演なのだろうが、それでもしっかりとしたコントを見せてくれる存在は稀少で有り難い。間口を広げるきっかけになってもらいたい。

あと、【昭和100年特別企画】に関しては、正月特番ではないところで、もっとしっかりと取り上げた特番を今年中に組んでもらいたい。当時の映像のつまみ食いも悪くはないのだが、それにしたって短すぎる。今となってはオンエアしづらい質のネタもあるのだろうが、M-1以前の漫才がどのように演じられていたのかを現代に伝えるという意味でも頑張ってもらいたい。

*1:錦鯉、ぺこぱ、ちゃんぴおんず