青田売り
あおたうり
青田売りとは、完成前の宅地や建物を販売することです。
青田売りとは、完成前の宅地や建物を販売することで、新規分譲マンションや一戸建て分譲の販売方法として一般的に行われているものです。
宅地の造成が完了する前や、建物が完成する前に売買契約を結ぶもので、
売主にとっては早期に資金回収できるメリットがあります。買主にとっては、建物の完成後すぐに入居できる点や、施工中の状況を見学できることなどの利点はありますが、実物を見て確認する前に図面などで判断して契約することになります。そのため、イメージと異なることもあり、完成した建物の仕様や品質が予定通りか詳細に確認する必要もあります。
青田売りは、このように買主の不安やリスクがあるため、
宅地建物取引業法では「広告開始時期の制限」として、
開発許可か
建築確認を受ける前の広告を禁止しています。また、売買や交換の契約もできません。
開発許可や
建築確認が完了したものは、必ず広告に
開発許可番号や
建築確認番号が表記されます。
なお、青田売りでは、物件の引き渡し前に買主が支払う
手付金などについて、5%超または1,000万円超など一定額以上の場合には、
売主は第三者に保管させるなどの「
手付金等の保全」義務があります。
宅地建物取引業法
宅地建物取引業法とは、宅地や建物の取引に関して基本となる法律です。この法律は、宅地建物取引業者の免許制度を実施し、公正な取引と円滑な流通を促進するために、1952年に制定されました。略して「宅建業法」とも呼ばれます。
この法律により、宅地・建物の売買や交換、賃貸の代理・媒介を業務として行うものを「宅地建物取引業者」と定められ、宅建業免許がなければ宅地建物取引業は営むことができません。宅建業者の免許や宅地建物取引主任者の資格、営業保証金、業務などについて定められています。
宅地建物取引業者は、信義誠実に業務を行うことが原則とされ、誇大広告の禁止など各種の広告規制、重要事項の説明義務などが課されています。
手付金
手付金とは、売買契約や賃貸借契約時に支払われるお金です。
手付金には3つの性格があります。1つは、契約成立の証拠となる「証約手付」。もう1つは、債務不履行の際の損害賠償額の予定を兼ねるまたは違約罰とする「違約手付」です。そしてもう1つが「解約手付」という性格で、不動産取引では特に重要です。「解約手付」とは、手付を支払った方は手付放棄で、相手方は手付倍返しで、契約を解除できるというものです。
手付金の性格については、当事者間で取り決めることができますが、特に定めない場合は「解約手付」とされます。不動産会社(宅地建物取引業者)が売主の場合には、手付金は「解約手付」とみなされます。また、宅建業者は売買代金の2割を超える手付金は受け取ることはできません。加えて、手付金が1000万円を超えるとき、あるいは未完成物件の場合に売買代金の5%を超えるとき、完成済み物件では売買代金の10%を超えるとき、手付金の保全措置が義務付けられています。
開発許可
開発許可とは、都市における無秩序な開発を防止するための制度で、一定の開発行為については都道府県知事の許可が必要となります。
開発行為とは、建物などの構造物を建てる、土地の区画を分割あるいは統合する、農地を宅地に変更するなどの行為をいいます。
開発許可を受けなければいけないのは、市街化区域では原則1,000m2以上の規模、三大都市の既存市街地や近郊整備地帯の市街化地域では原則500m2以上の規模の場合です。そのほか、非線引き区域では原則3,000m2以上の場合に許可が必要となります。市街化調整区域は、いくつかの例外を除いて、原則として許可されません。
建築確認
建築確認とは、建物の建築工事に入る前に、その建築物が建築基準法や関連法令に適合しているかどうか、建築計画を審査することです。建築主は、工事前に、都道府県や市区町村に置かれている建築主事や指定確認検査期間に申請して、確認を受ける必要があります。
建築確認が必要なのは、特定の用途(映画館、病院、共同住宅等々)や一定規模の建築物、都市計画区域内や知事の指定区域内での建築や一定規模以上の増改築などです。
なお、マイホームを建築するときには、本来は施主が建築確認申請をしなければなりませんが、実際にはハウスメーカーが代わりに申請してくれるのが一般的です。また、新築物件の販売では、建築確認を受けていない物件は広告も販売もできません。
売主
売主とは、不動産取引においては、土地や建物などの不動産を売る個人または法人をいいます。購入者にとっては、売買契約を結ぶ相手です。
新築マンションや開発分譲地、建売住宅などでは、デベロッパーや不動産会社などの法人が売主となっているのが一般的です。その場合には、売主または代理会社は宅地建物取引業者であり、取引に際しては、手付金の保全義務やクーリングオフの制度などで消費者が守られています。また、仲介手数料も発生しません。
一方、中古物件では、売主は個人のケースが多くなります。その場合は、一般的に不動産会社が「媒介」することになり、仲介手数料が発生します。
まれに、登記上の所有者と売主が異なる場合、所有者の代理人が売主になっている場合、売買契約に売主ではなく代理の人が立ち会う場合などがあります。そのような例外的なケースでは、契約の前に本人確認や委任状の確認が重要となります。