プログラミング教育の現在と未来|誰もがプログラミングを学ぶ時代へ
皆さんは、今プログラミングがどんどん重要になっているのを知っていますか?
僕たちの身近なものが、どんどんインターネットに繋がるようになって、「もの=インターネット」のような世界になりつつあります。
そんな場面では、プログラミングは必須の技術です。
それにも関わらず、世の中は深刻なプログラマ不足に悩まされています。
教育の現場では、プログラマを養成するために、プログラミングの教育に力を入れ始めていますね。
そこで、今回の記事では日本のプログラミング教育の現状と、今後どのようになっていくかを考えていきたいと思います。
プログラミング教育の現状
教育機関でのプログラミング教育
現在、日本のプログラミングの教育では、高校、高専、大学などでプログラミングを学ぶことのできるカリキュラムが存在します。
一部中学校でもプログラミングを学ぶことができるそうですが、きちんと整備されているわけではありません。
そんな中で、小学校や中学校にもプログラミング教育を広げていきたい、というのが文部科学省の考えです。
ですが、その前に考えなくてはならないのは、そもそも現状の高校生や大学生がプログラミングをちゃんと学べているかということです。
そこがきっちりできていないのに、対象ばかりをどんどん広げていってもどうしようもないですからね。
ですから、まずはその辺りの現状を、実際に学んだ学生視点から話していきます。
大学でのプログラミング教育
大学のプログラミング教育は、「プログラムが書けるようになる」という目標は授業だけでは達成できないというのが正直なところです。
実際には、できる人はできるようになっていくのですが、授業を通じてというより自分で書きたいから書けるようになっていくだけの状態。
具体的には、
- 授業でプログラムを書かない
- 原理は学ぶけど、プログラムは基本例を写すだけ
- 学ぶ目的がはっきりしない
ということが起こっています。
授業でプログラムを書かないというのは、「プログラマ的な思考を養えればいい」という考えのようですが、それでは実際にプログラミングができるようにはならないでしょう。
また、例を写すだけになりがちのものもあります。
問題を解くことがあっても、ほとんど例でやったものと同じで「考える」という段階がないものばかり。
さらには、結局なんでプログラミング勉強してるの?
何の役に立つの?
という状態になってしまっている学生も多いでしょう。
特に、これは授業ごとにポイントがあるはずなのに、それがわかっていない人は多いです。
例えば、C言語で学んでいる場合には、より機械に近い性質、コンピュータ自体の動作を学ぶことが主たる目的になるはずです。
逆に、Pythonなどのスクリプト言語で授業をする時には、アルゴリズム的な部分を学ぶことが多いでしょう。
「どこ」に焦点を当てているのかを明確にしながら勉強しなくては、あまり意味がないのかなと感じてしまいます。
ただし、散々言ってきたものの「大学」という教育機関が、「学生が自分で考える」ということをベースにしているので、ある程度仕方ないものではあると思います。
高専でのプログラミング教育
高専では、大学とは全く違い、「丁寧に教える」ことと、「手を動かす」ことが徹底されています。
ですから、大学で学ぶ場合よりも、授業だけでプログラムがある程度書けるレベルにはなることができます。
おそらく「丁寧に教える」というスタイルは、高校でも同じようになるでしょう。
ただし、高校の場合は教育者不足の側面もあるので、同じレベルでの授業を受けることはできていないことが多いと思います。
この教育者不足という部分が、乗り越えるべき課題になってきますね。
企業が提供するプログラミング教育
また、最近では企業がプログラマを養成しようという試みが増えてきています。
単にプログラミングを短期間学べる「塾」のようなものから、企業がプログラミングを専門とした「高校」を開いている場合まで様々です。
例えば、ドワンゴによる通信制高校「N高等学校」などでは、エンジニアに直接プログラミングを学べるようなカリキュラムが組まれています。
また、WebCampというサービスは、Webプログラミングを1ヶ月で学べるカリキュラムのプログラミング教室です。
このサービスについては、以下の記事で紹介しています。
このような企業が提供している教育は、現在でもかなり有用かなと思いますし、今後もこういった取り組みは増えていくと思います。
プログラミング教育の未来
ここからは、プログラミングの教育が、今後どのようになっていくかについて考えていきたいと思います。
プログラミングの義務教育化
まず、プログラミングの義務教育化というのは、すでに文部科学省が推進しています。
ですから、義務教育化は確実に進むでしょう。
小学生の頃から、誰もがプログラミングを勉強する世の中になるわけです。
ただし、プログラミングを学ぶといっても、初歩的なプログラマ的な考え方を学べるようにしていくということになると思います。
恐らくは、ビジュアルプログラミングなどで、プログラムの動作がわかるようになっていくのかなと思います。
ここで問題になるのは、プログラミングを教える側の人材不足です。
普通の小学校や中学校の先生がプログラミングを教えるというのは、かなり無茶です。
ですが、専門の講師というのにも限度があるでしょう。
そてどうすれば・・・
企業との連携
そんな状況になれば、企業との連携というのは、さらに重要になってくると思います。
企業のエンジニアの中でも、後進の教育に勤めるような立場になった人や、研究を中心としている人などは、教育の現場に出ていくということも増えるのではないかと思います。
もちろん、企業側が提供するプログラミング教室の需要もどんどん上がっていくでしょう。
これまでの普通の勉強の塾もかなりあるわけですから、これから重要なスキルとなるプログラミングの塾も流行って当然です。
そういう流れがどんどんできていくのかな、と思います。
大学の先生にもしわ寄せが?
また、教育のカリキュラムも時代の流れとともに柔軟に対応する必要が出てくると思います。
プログラミングの業界は、移り変わりが激しいです。
根本的な概念ですら、どんどん変わっていきます。
それをうまくカリキュラムに反映させたり、教育者を育てたりする役目は、プロフェッショナルでなくては厳しいでしょう。
そういった面で、最先端の研究をしている大学教授などは、その役割を果たすことになるんじゃないかと思います。
まずはしっかりと心の準備を
今後、プログラミングは誰もが学ばなくてはならないものとなっていきます。
自分自身、あるいは自分の子供がそんな立場になるわけです。
そうなった時に、「あ、やばい。プログラミングすぐに始めなきゃ!」と焦らないようにしたいものです。
周りがどんどんプログラミングの塾に通い始めたりして、「自分は遅れている」と焦ったりするかもしれません。
ですが、そこを焦って間違った選択をしないように、情報を見極めていく必要がありうます。
自分にとって最善の選択をするために、心の準備やちょっとした情報集めくらいはしておくことをおすすめします。