3月7日日曜日の午後、id:fly-higherこと@igaki提供で秋葉原の会議室を借りて自主勉強会を行った。
ツイッターで募集をかけて「教育」に興味のある多ジャンルの若手を集めての勉強会。発表議論ともに白熱したためプログラム通りの進行はできなかったものの、参加者の皆さんの満足度まではわからないが参加度は確実に高く、良い刺激になった会にできたのではと思っている。
10年前などはウェブのオフ会は変な人が集まるというイメージが蔓延していたものだが、最近はどうなのか、体を張って試してみたいという気持ちもあり主催してみたが、結構自分が求めている普通の人たちやレベルの高い人たちも集まりやすい環境なのだということうを認識するいい機会となった。
主催のノウハウとまでは行かないがレポートとやってみたことと考えたことをまとめてみたい。自主勉強会の敷居がどんどん下がっているため、是非やってみてほしい。
以下レポート。なるべくコンパクトにまとめるつもりだが長くなる事をご了承いただきたい。
基本情報
以下に基本情報として参加者に送ったメールを一部編集し掲載する。会場は第一回のため交通の便が良い秋葉原を選んだ。告知は主にtwitter上、ある程度構想や基本情報が固まったらブログも活用。
【テーマ】持続可能な教育
教育の持つ意味の多様化や教育の主体となる機関や団体の多様化、教育技術や実践の多様化など、ステークホルダーが非常に多いのが教育という言葉の特徴です。今回いろいろな背景を持つ人たちが教育に興味を持ってあつまり、発表をしていただけます。第一回でそれらしい結論を出す気はありませんので、それぞれが、なにをどのようにとらえているか、情報の共有と整理を行えたらと思っています。【ついったー発若手教育勉強会@東京】名称募集中
【日時】 3月7日 15時〜18時(終わった後懇親会もあります)
【場所】 秋葉原のネットカンファレンス東京(UDX8階) http://www.net-conference.jp/content/conferenceList_2.php?
【持ちモノ】ノートPC、メモ、発表者は資料等。ネットは会場で接続可、LANケーブル、HUBは会場で備品として借し出し可。発表でPPT使いたいけどノートPCがない場合はデータを持参していただければ@showgotchのノートを貸し出しますのでご連絡ください。【日程案】
3:00〜3:10 集合・準備 ※現地集合です
3:15〜3:25 自己紹介 注意事項、勉強会の趣旨(@showgotch)など
3:30〜3:55 発表1(@makonabe) …教育政治学(※以下便宜上の分類です)
3:55〜4:20 発表2(@kaicooo) …特別支援教育
4:20〜4:30 小休憩
4:30〜4:55 発表3(@arhoolie26)…教育社会学
4:55〜5:20 発表4(@igaki) …企業内人材育成
5:20〜5:55 まとめおよびフリーディスカッション(@showgotch)【発表について】
発表は各自持ち時間10〜15分程度+ディスカッション10〜15分、合計25分程度。勉強会なので25分丸々発表に使っていただくことも可能です。内容について、簡単でも構いませんので、各自の自己紹介を必ず最初に入れてください。各々の関心領域や専門領域、知っている事、問題意識などを発表してください。学会発表並みに厳密であったり客観的である必要はありません。
【懇親会】
18時のあとそのまま軽い飲み会も行う予定です。特別な理由がある場合を除きご参加いただければと思います。学生さんはちゃんと支援する予定です。【その他】
服装自由。会場までの案内は添付ファイル参照(重複の方は申し訳ございません)twitterでのtsudaりは自由です。ただしあとでtogeります。タグは何かオシャレだったり面白い案がなければ会場と僕の頭とって #shakiba
※ustは発表者それぞれの許可を得てください。
報告
以下は内容の詳細とレポート。各発表内容は若手教育勉強会(名称募集)@秋葉原まとめ - Togetterを、勉強会の大まかなコツはこれで主催もばっちり!?思い立ったが吉日、勉強会をはじめる方法 - はてなニュースなどを参照してほしい。
経験から小規模勉強会は4〜12名(多くて)が適正規模という印象。それ以上だと発言回数が減ったり会場や会のデザイン次第では適切な緊張感が保てなくなるためである。
自己紹介 注意事項、勉強会の趣旨(@showgotch)など
togetterまとめに記載されていない部分をまとめておく。
事前に遅刻者がいると把握していたため混乱は特に起きなかった。会場に入るとまず会場準備。今回は特に配慮などする必要はなかったが、スライドでプレゼンを行う場合のPCとモニタの接続確認は行った。また今回は参加者が買い出しに出てくれたが紙コップと飲み物は用意しておきたい。お菓子は@makonabeが用意してくれた。ごちそうさまでした。会場に続々と来る参加者に挨拶をすませ、モニタの一番近くの席を発表席とした。
【スライド1】
「注意事項…個人情報への配慮、TsudaりOK、Ustは本人の許可を経て、タグは #shakiba、読み返しと振り返りをぜひ」
匿名でウェブで活動している人もいるため、個人情報への配慮としてなるべく許可を取るようにという話と、お願いとしてアンケートを取らない変わりに、後日勉強会の振り返りや感想をメールまたはブログ記事、ツイッターの発言をまとめてもらうことをお願いした。
【スライド2】
「現在の職業や名前を何と呼ばれたいか、趣味や得意なことなど 一人1分程度※発表者は詳しい自己紹介は発表で」
本来なら名刺交換を行いたかったが、時間の都合上今回は取り扱わなかった。HNの人も多いため、隣の人がどこの誰でどう呼べばよいかは確認しておきたい。また自己紹介は声出しの意味もあり、初対面での緊張感を解きほぐすために最低限用意しておきたい。
【スライド3〜8】
僕の自己紹介のため割愛。一応伏線も用意したが今回は使えず。
【スライド9】
「勉強会のきっかけ http://twitter.com/showgo/status/5502347232 http://twitter.com/showgo/status/8076451642 http://twitter.com/showgo/status/8591314806。勉強したい社会人、教育関係の職業に興味のある学生、情報発信力のある有能な人たち、イベントを開くノウハウがある、人が集まるツールがある⇒勉強会を自分で作ってしまおう!」
文字が多すぎ。要はニーズがあり、僕個人にノウハウがあり、かつ僕の周りに人材がそろっていたので行おうというのが出発点。同時に参加のしきいを低くしたかった事や、参加者たちも主催者と一緒になって勉強会の一部でよいので創り上げていく感覚を持たなければ学びにならない。
【スライド10】
「勉強会のテーマ→『持続可能な教育』現状の教育現場も教育改革も現場に高負荷、多様な改善案が提示、「無理なくできる」バランスを各々が探す。『学びの持ち帰り』問題意識の整理・共有、サポートしあえる関係」
事前の参加者たちの顔ぶれからそれなりに専門的な話が飛び出すことは予想がついていた。一方で多くの教育研究が教員負荷という変数を忘れている。@makonabe氏が会場で語った「現場にいる人や教育がわかってない人の教育論はべき論に収束する」という言葉に象徴されるように、教育はポジティブリストで語られることが多く、現場の負荷は高まるばかりである。また、せっかく今回集まったのだから知識を共有整理するだけでなく、今後気軽に相談しあえる関係を継続してほしい。以上を念頭に置きながら話を聞いてほしいことを伝えた。以下発表の司会は主催の僕が行うこととした。
@kaicoooの発表
特別支援教育、特に構音障害について。構音障害は言語障害の中でも言葉の組み合わせによって発音に困難が生じる障害のこと。子ども店長の幼いしゃべり方が実はこれに該当する疑惑があることや、(意識するしないに関わらず)訓練によって多くの場合矯正できること、学校の入学前検診で診断されることなどを発表していただいた。
@arhoolie26の発表
少子化などから大学全入時代が来ると言われ、4大進学希望者の増加に伴い進路指導がどのようになっているかを研究・調査し、まとまった知見を発表してくれた。日本は偏差値によって進学就職コースがそのまま決まってしまうトラッキングの傾向や進路指導の実際について非常に考える事が多い発表であった。
@makonabeの発表
教育を科学的に評価するI-E-Oモデルと、学校評価の仕方であるSchool-Based-Management(以下SBM)について発表してくれた。背景が共有できていないことも多く質問が盛んに行われた発表であった。シカゴでSBMがどういう経緯で導入されたかや世界銀行などの世界データ、日本での実情やSBMの考え方などを発表してくれた。
@igakiの発表
教育とは何かとの問い直しから、企業での人材教育の実際を話してくれた。企業内の人材育成は「自ら育つ環境をつくること」と、非常にコンパクトで主張のわかりやすい発表で@igakiが実際にどのような実践をしているかを発表してくれた。自分も他人も評価できる小目標の設定として、具体的な行動を書いてあげる事が重要。@igakiの会社ではリピーター率が7割を超えるらしく非常に喜ばれる内容であるという。
まとめ
まとめスライドについてはtogetterまとめを参照していただきたい。全体を通して白熱したため各自発表が30分以上となってしまったため最後のフリーディスカッションは懇親会へ持ち越しとなった。時間配分の見直しやタイムキーパー、時間がないことを伝えるすべを用意しておいた方が良いと感じた。
懇親会
時間が18時であったため予約をせず目途を立てていた会場へ。皆がつまめるものを多めに注文し乾杯(参加者は全員昭和生まれ)。
技術科がいかに呪われた教科であるのか、校長や教育委員会は何の仕事をやっているのか、「ギターは9日間弾けないがある日急にFのコードを押さえるようになる」問題、SBIは手段でビジョンは何か、学校の先生も手続き能力が高い問題、指導要領などを固めるべきかもっと自由にするべきか問題、進路指導をどうすべきか問題、苅谷剛彦はずるい問題、教授法の3段階、現状を分析してなにを問題と捉えるのか問題など、教育哲学から行政、マクロからミクロまでと縦横無尽に非常に面白い話が展開された。いろんなゲスト講師を呼び、某先生を囲む会を行いたいという話題も盛りあがり、白熱し気付けば5時間たっていた。
考えたこと
事前に
これだけは行っておきたい事がいくつかあったので箇条書きで書いておく。
- 抽象的で良いのでまとめだけは考え書いてておく。
- 議論の核となりうる参加者を二人以上用意する。
- それぞれが自分なりの正義感や使命感を語れる雰囲気(実際は発言機会)を用意する。
- 参加のしきいを低くする。忙しい中でも参加できる会にする。
- 発表の際はある程度の緊張感を維持できる場にする。
- 次回も参加したいという声が聞ける会にしたい。
事後に
最初にも言った通り今回最初の予想以上に内容の充実した勉強会となった。
今回は事前に資料を強制的に集めたり、ワークショップ的な内容などを取り入れる事は行わなかった。時間があれば是非企画してみたい。次回について開催することができれば場所についても面白い情報を得る事ができたため、さっそく計画をしている。
次回参加希望者は是非僕のツイッターアカウントにreplyを飛ばしていただきたい。
追記
勉強会についての@igakiのエントリーが公開されました
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