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昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

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芸人じゃないサンドイッチマンと銀ブラを楽しむ!消えた昭和の仕事映画②「都会の横顔」

 

消えた昭和の仕事映画第2弾は2つの仕事が登場!

 

田中絹代監督「恋文」に続く

消えた昭和の仕事映画第2弾は

清水宏監督の「都会の横顔」(1953年)

を取り上げます!

 

(女の子と銀座の街を練り歩く池部良さん)

 

この映画には消えた仕事が2つも出てきます!

 

まずは「サンドイッチマン

お笑い芸人さんではないですよ!

どのような職業なのかは後述します

 

そしてもう1つが靴磨き!

 

この2つの職業は昭和の映画に

よく出てきます!

 

それではどのような映画なのか

サンドイッチマンと靴磨きは

どのような職業なのか

見て行きましょう

 

おおまかなストーリー

 

舞台は東京は銀座

靴磨きの女性(有馬稲子)が

小さな女の子に名前や住所

母親の名前などを聞いている

女の子はどうやら銀座の人混みのなかで

迷子になってしまったようだ

 

そこでサンドイッチマンをしている

男性(池部良)が女の子と銀座を

練り歩きながら母親を探すことに

 

一方の女の子の母親(木暮実千代

もまた娘を探していた

 

人の多い銀座の街で

果たして女の子の母親を見つける

ことはできるのか

 

 

映画の感想

➀昭和の銀ブラを疑似体験できる

 

実際に銀座でロケを敢行しているので

1950年代の銀座を散歩している

気分になれます

 

映画で歩いているのは銀座の中央通り

だそうで、中央通り沿いには

松坂屋松屋デパート、それから

男はつらいよ」シリーズで

満男’(吉岡秀隆さん)の恋人・泉ちゃん

後藤久美子さん)がバイトしていた

山野楽器銀座本店があるみたいです

 

(宮崎祐治著『東京映画地図』を参照)

 

私は銀座にはほとんど行ったことがなくて

行ったのは確か2014年が最後だったかなぁ

もう10年も前か!

 

住んでいるところから遠く離れているので

次に行く機会はあるかどうかすら

わからないですね…

 

②行き会ったりバッタリの作りが面白い

 

銀座を歩くなかで出会う人やお店などで

交わす会話にユーモアが散りばめられていて

楽しいです

 

女の子が偶然入る英会話教室での

ギャグなどは最高に可笑しかったです(笑)

 

行き当たりバッタリ的な

ロードムービー風の作りが面白いです

 

そのため母親探しを通して

キャバレーなどの昭和の風俗も

たくさん見ることができます

映像資料としての価値も十分あります

 

ストーリーらしいストーリーは

女の子の母親を探すということ以外は

ほぼ皆無ですが台詞の応酬などで

面白い映画になっています

 

昨年紹介した、同じく清水宏監督の

以下の映画の都会版という感じでしょうか

 

shouwatorajirou.com

 

③現在の少子化問題からは考えられない台詞が

 

池部良さんが有馬稲子さんと

どこかの建物の屋上から銀座の街を

見渡しているときに有馬さんが

東京は人が多すぎるわね

私は子どもは2人しか産まないと

決めているの」という台詞を発します

 

現在の少子化少子化と騒いでいる

社会からはとても考えられない台詞です!

軽くショックを受けました(笑)

 

確かに国土のわりには

人口が多いですけどね…

 

東京に何もかも集まりすぎている

東京一極集中も問題ですよね…

 

有馬さんの台詞は田舎が好きで

田舎を舞台にした映画の多い

清水監督の考えなのでしょうか

 

④最後にあっと驚く展開が

 

全編ほぼほのぼのムードの映画ですが

映画のラストであっと驚く展開が

待っていて驚かされます

 

そのような展開になるような前ぶりも

まったくなく突然やってくるので

不意打ちを食らうような気分になります

 

内容も現代の格差社会に通じるもので

こういうことはいままさに

あることだよなぁと思わせられます

 

ただネタバレになるので

どのようなことなのかは

絶対に明かしませんのでご安心ください

 

サンドイッチマンとはどのような仕事か

 

サンドイッチマンとはどのような仕事か

といいますと、一言でいえば「歩く広告」です

 

名前の由来は広告の板を体の表と裏に

さげているところから、広告でサンドイッチに

なっているということだそうです

 

始まりは紀元前に栄えた都市カルタゴ

(現在のチュニジア)で、日本では

1888年明治21年)に銀座に広告文を

書いたものを背負って歩く人が出現したのが

初めてのサンドイッチマンだそうです

 

日本でサンドイッチマンが最も多く

現れた時代は1949年ごろ

戦後の混乱でなかなか仕事が得られなかった

ことが要因だそうです

 

(以下のサイトを参照)

 

www.excite.co.jp


ただ映画の池部良さんは両手で

広告文を掲げていて

サンドイッチになっていないので

正確にはサンドイッチマンでは

ないのでは?と思ったりするのですが

詳しいことはわかりません

 

時間のあるときに詳しく調べたいです

 

靴磨きとは?

 

こちらのお仕事も昭和の映画で

よく見かける仕事ですね

 

靴磨きの仕事は洋靴やブーツなどを

磨くだけでなく、すり減った踵や

簡単な修理も行っていたようです

 

初めて靴磨きが登場したのは

大正14年だそうで、関東大震災

駅構内にもタクシー業者が進出すると

それまで中心だった人力車が衰退し

失職した人力車の人々を救済するために

東京駅構内で靴磨きを許可したのが

靴磨きの始まりなのだとか

 

しかし専門職として繁盛したのは戦後

繁華街のビルやガード下で戦争孤児や

貧しい人々が集まって

靴を磨くようになりました

進駐軍の米兵が多くいたからだそうです

 

また戦災孤児などだけでなく

戦争で夫を亡くした女性の靴磨きも

いたそうです

 

(澤宮優著『イラストで見る昭和の消えた

仕事図鑑』を参照)

 

映画などで靴磨きの様子を見ると

その手際の良さに感心してしまいます

 

この映画のエピソード

➀銀座のど真ん中でロケを敢行!

 

有馬稲子さんの靴磨きの

シーンから撮影が始まったのですが

大勢の人に見られて恥ずかしくなって

しまったそうです

 

サンドイッチマン役の池部良さんも

広告を掲げて歩き出すと

子どもたちが面白がって

池部さんの後ろから

ついてきてしまいました

 

池部さんはこのとき

もう観念してますよ

この仕事が終わったら当分

田舎に引っ込みたい心境です

と感想を語っています

 

清水監督のアイデアで群衆をかわした

 

午前11時になると人通りがますます

多くなり、「何だ何だ」「ロケーションか」

「あら、池部よ」と見物人が集まり出した

ところで、清水監督と俳優さんたちは

一斉に地下道に逃げ込み

別の入り口に出るとそこでは

撮影の準備がしてあって

人もあまりいません

 

これは清水監督のアイデア

人を集めるだけ集めて

人のいないところへサッと移動して

撮影するというものでした

 

これが功を奏し

撮影はすぐに終わったそうです

 

(雑誌「映画ファン」を参照)

 

このような苦労が実り

とても面白い映画ができました

 

この映画で1950年代の銀座の世界に

タイムスリップしてレトロな

気分に浸ってみるのはいかがでしょうか?

 

次回の映画紹介は昭和の消えた仕事映画

第3弾を紹介する予定です