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英語試験対策とスコア換算表

世界中には大学入試や海外留学、就職の採用条件、移住などのビザ申請などで活用される、様々な英語力測定試験が存在します。日本ではTOEICや英検がメジャーですが、世界的に見るとTOEFLやIELTS、ケンブリッジ英検などが知名度が高く、英語力判定として教育機関の入学条件や企業の採用基準として導入されています。試験によって求められる英語の内容も異なるので、各試験の特徴を理解し、英会話や就職、大学入試など目的にあった試験対策をしましょう。

TOEIC

国際コミュニケーション英語能力テスト(英語:Test of English for International Communication)、通称TOEIC(トーイック)は、アメリカの非営利団体である教育試験サービス(ETS)が実施している英語を母語としない者を対象とした、世界共通の英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験です。テストの種類として、リスニングとリーディングパートから成る「TOEICテスト(TOEIC L&R)」、スピーキングとライティングパートから成る「TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト(TOEIC S&W)」、TOEIC L&Rの姉妹版として始まった初級・中級レベル向けの「TOEIC Bridge」があります。目的や測定したいスキルに応じて、テストの種類を選択できます。合否の判定はなく、受験時におけるスコアを認定する、実力測定試験です。大学や大学院では、受験生の英語運用能力の判定材料に用いられ、就職や人事評価にもTOEICのスコアが用いられることがあり、幅広い分野で自らの英語力を示すことが出来ます。

TOEIC L&R

TOEIC L&Rテストは、日本で年に10回開催されている、TOEICの中でも最も一般的なテストです。試験内容は、リスニングが100問、リーディングが100問の計200問から構成されます。評価は、リスニングとリーディングでそれぞれ5点から495点までの5点刻みで行われ、合計スコアは10点から990点になります。スコアは素点による絶対評価ではなく、Equatingと呼ばれる方式を用いて統計的に算出されます。これにより、評価基準が常に一定に保たれ、受験者の英語運用能力が同等であればスコアは一定であるとされています。

TOEIC S&W

TOEIC S&Wは国際的な職場環境において、効果的に英語でコミュニケーションをするために必要な、話す、書く能力を測定するテストです。スピーキングとライティングの二つのセクションから成り、各200点満点の計400点満点のテストです。試験はL&Rのようにマークシート形式ではなく、パソコンに音声を吹き込み、文章を入力する形式です。日本では年24回開催されています。

TOEIC Bridge Test

TOEIC Bridgeテストは、2001年に初級・中級レベル向けに始まりました。従来のTOEICは、企業での英語能力測定を主な目的として開発されたため、高校生や英語初心者が受けるのに適しておらず、新たにTOEIC Bridgeが開発されました。問題の難易度もTOEIC L&Rよりも下げられており、リスニング50問、リーディング50問の計100問と半分の設問数となっており、スコアは各10点から90点、計20点から180点で評価されます。日本では年4回開催されています。

TOEFL

Test of English as a Foreign Language、通称TOEFL(トーフル)はアメリカの非営利団体である教育試験サービス(ETS)が実施している英語を母語としない者を対象とした、世界共通の英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験です。世界中の英語検定テストの中で、幅広い国々で受け入れられているテストで、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのほぼ全ての大学をはじめとした、130カ国10,000以上の機関がTOEFLテストスコアを英語能力の証明、入学や推薦入学、奨学金、卒業の基準として利用しています。大学に入学した後に必要になる英語力を想定しているため、試験の内容はキャンパスや教室の中でのやりとりを中心とした内容が出題されます。リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つのスキルを総合的に測定します。

TOEFL iBT

TOEFL iBT(TOEFL Internet-Based Testing)は、問題の提供・答案の回収をインターネットで行う形式で、TOEFLの中で最も一般的なテストとなります。テスト内容は、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つのパートで構成されており、試験時間は4時間にも及びます。スコアは各セクション0点から30点、合計0点から120点で評価されます。テストは年に50回以上開催されています。

TOEFL PBT

TOEFL PBT(TOEFL Paper-Based Testing)は、インターネットでの試験ができない地域で受験可能な紙媒体でのTOEFLの筆記試験です。試験内容は、リスニング・リーディング・ライティングから構成されます。スコアは最低点310点、最高点677点で評価されます。試験時間も2時間弱とiBTと比較して短くなります。

TOEFL ITP

TOEFL ITP(TOEFL Institutional Testing Program )は、学校・企業等の団体向けのテストです。試験内容やスコアはPBTと同様のものを使用しています。大学の英語の授業のレベル分けテストとして利用されたり、その授業の最後にもう一度受験してスコアを比較し、英語力がどの程度レベルアップしたか測るために使われることが多いです。ITPのスコアは、あくまで英語力の腕試しのためのものであり、留学するための公式スコアとしては利用できないことがほとんどです。

IELTS

International English Language Testing System、通称IELTS(アイエルツ)は、ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationによって協同で運営されている英語の熟練度を測る英語検定です。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほとんどの高等教育機関で認められており、アメリカでもTOEFLに代わる試験として入学審査の際に採用する教育機関が多くなっています。海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある他、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどへの海外移住申請に必要な条件にもなっているテストです。
試験はリスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つのパートから構成されます。テスト結果は1から9のバンドスコアで示されます。各パートごとのバンドスコアと、平均値のオーバーオール・バンドスコアが与えられます。スコアは0.5刻みの表示となります。大学によって必須スコアに差はありますが、通常のイギリス・オーストラリア・ニュージーランドの大学の場合、オーバーオール・バンドスコア5.5~7.0が求められます。TOEFL iBTと異なり、コンピュータではなく、ペーパーベースの筆記試験となります。試験時間もTOEFLより短いですが、スピーキングの試験のみ別日になることがあります。試験の開催回数もTOEFLに比べると少なく、月に数回程度となっています。IELTSは目的に応じて「ジェネラルモジュール」と「アカデミックモジュール」の2種類の試験内容が用意されています。

アカデミック・モジュール

アカデミック・モジュールは、海外留学や大学進学、その他高等教育機関への出願のためのテストです。リーディングとライティングの問題がアカデミックな内容になっており、海外の大学や大学院の授業を理解するための英語能力、論文やレポートの書き方などのアカデミックライティングに関わる英語能力を測る内容となっています。学生ビザ取得の条件や大学・大学院の入学基準に設定されています。

ジェネラル・トレーニング・モジュール

ジェネラル・トレーニング・モジュールは、海外への移住や就職など学業以外の目的で英語を使う方の能力を測るテストです。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどへの海外移住や就職の応募条件、ビザ取得の際に一定のスコアが必要な場合が多いです。

ケンブリッジ英語検定

ケンブリッジ英検は、ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge English Language Assessment)が就職や進学や移住などの際に必要となる英語力を測る目的で、開発・実施している英語検定試験です。世界で最も信頼されている英語検定として知られており、多くの教育機関の入学条件や企業の採用条件の指標としています。試験は受験レベルで問題が異なり、初級から上級まで順にKET、PET、FCE、CAE、CPEと分かれており、自分のレベルに合わせた試験を受けることができます。TOEFLやIELTSのような点数制ではなく、合格か不合格という評価方法です。評価がA~Eの5段階あり、A、B、Cは合格、D、Eは不合格です。CAEとCPEの合格証明書があれば、英語圏への大学への入学を認められる場合がほとんどです。試験内容は、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つのパートから構成されます。

KET(初級:Key English Test)

日常生活で必要な最も基礎的なコミュニケーション力を測定します。
目安レベル:英検3級 IELTS:4.0 TOEIC:300~350 TOEF PET:350~380
試験時間:約1時間50分

PET(中級:Preliminary English Test)

簡単な日常会話に参加できるレベルの英語力があるかどうかを測定します。
目安レベル:英検2級 IELTS:4.5 TOEIC:350~500 TOEFL PET:380~430
試験時間:約2時間10分

FCE(中上級:First Certificate in English)

最も受験者が多いレベルで、中級レベルの英語能力を証明する試験として世界的に有名です。中級英語を使って、仕事や留学を目指す人が受験します。
目安レベル:英検準1級 IELTS:5.5 TOEIC:650+ TOEFL PET:500
試験時間:約3時間30分

CAE(上級:Certificate of Advanced English)

仕事で英語を駆使できる上級レベルの英語力があるかどうかを測定。英語圏の多くの大学では、入学時に必要な英語力の証明としてCAEを採用しています。
目安レベル:英検1級 IELTS:6.0~6.5 TOEIC:700~780 TOEFL PET:525~550
試験時間:約3時間45分

CPE(特上級:Certificate of Proficiency in English)

ネイティブレベルの英語能力があるかどうかを測定。英語圏の大学で、入学時に必要な英語力の証明として採用している他、世界各国の各機関で認められています。
目安レベル:英検1級以上 IELTS:7.5 TOEIC:875+ TOEFL PET:600+
試験時間:約4時間

英検

「英検」とは公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定です。正式名称は「実用英語技能検定」といい、英語に関連する検定としては日本では最も長く行われています。年3回実施され、階級は5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級の7段階に設定されています。試験は、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングで構成され、一次試験と二次試験に分かれています。2017年4月現在、5級と4級ではリーディング・リスニング・スピーキングの3技能を、3級から1級ではライティングを加えた4技能を評価します。高校や大学での入試待遇や単位認定、交換留学の選考に有利になる場合があるため、英検の受験者約8割は中学生、高校生となっています。日本ではTOEICと並び、就職の際に有利となる場合もあり、社会で幅広く認められた検定となります。

スコア換算表

主な英語力測定試験のスコア換算表となります。それぞれの試験の目的や内容、受験対象者も異なり、単純にスコアを他の試験に換算することはできませんので、参考までにご覧ください。

TOEIC L&R TOEFL iBT TOEFL PBT IELTS ケンブリッジ英検 英検
- 120 673 - 677 9 - -
- 119 670 8.5 - -
- 117 - 118 660 - 667 8 CPE -
965 - 990 109 - 116 630 - 657 7.5 - -
880 - 960 100 - 108 600 - 627 7 - 1級
805 - 875 90 - 99 577 - 597 6.5 CAE -
730 - 800 79 - 89 550 - 577 6 - 準1級
650 - 725 69 - 78 523 - 547 5.5 - -
590 - 645 61 - 68 500 - 520 5 FCE 2級
500 - 585 52 - 60 470 - 497 4.5 - -
445 - 495 45 - 51 450 - 467 4 - 準2級
315 - 440 33 - 44 407 - 447 3.5 PET -
270 - 310 29 - 32 390 - 403 3 - 3級
150 - 265 19 - 28 347 - 387 2.5 KET 4級
50 - 145 13 - 18 313 - 343 2 - -
- 0 - 12 310 1.5 - 5級

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