最終更新日:2024/12/22
海外を訪れる方の多くが気にするのが現地の治安。渡航する国や地域によっては治安の悪いエリアもあり、生活する上でさまざまな点に注意が必要です。
特に海外に比べ治安の良い日本で暮らしている人にとっては、思わぬことがトラブルのきっかけになることも十分にあります。
そこで今回はシアトルの治安に関して、現地で注意すべきトラブル事例、危険な目に遭わないためのポイントなどを紹介します。現地でトラブルに巻き込まれないためにも、ここで紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。
なお、シアトル留学について、費用やおすすめの都市、語学学校などは下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
シアトル留学
[目次]
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シアトルはアメリカ国内の大都市の中でも、犯罪件数は多めです。ただ一部の地域は治安がよく、一部が非常に悪いといったように、地域ごとに犯罪発生件数が異なるのが特徴です。
繁華街や中心地は治安が悪化しますので、観光エリアには気をつけましょう。
日本の治安は世界トップクラスの良さであり、日本のように生活していると日本人をターゲットにした売人や事件、窃盗に遭遇するケースもあり得るので、注意が必要です。
それでは実際に近年のシアトルの治安状況を確認していきましょう。なお、今回は下記の分類で罪種別の犯罪件数をお伝えいたします。
凶悪犯罪:殺人、性犯罪、強盗、放火、暴行・傷害
窃盗犯罪:侵入盗、非侵入盗、乗り物盗
罪種ごとの計算は国や都市によって定義が異なるため単純比較はできませんが、一つ現地の治安イメージを持つ参考として捉えていただければと思います。
その上で、2023年にシアトルで発生した犯罪件数は下の通りです(※1、2)。
2023年、シアトルでは凶悪犯罪、窃盗犯罪ともに犯罪件数が前年から減少しました。過去10年間で見ると、窃盗犯罪の発生率が下降傾向にありましたが、コロナ禍の2020年以降の水準は、以前と比較するとやや高止まりしています。
凶悪犯罪についても、数は少ないながらコロナ禍を通して殺人や暴行などの発生率がやや高まっているので、現地では一層の注意が必要です。
また、2022年の犯罪発生率を日本、アメリカの平均値と比べると下の通りです(※3、4)。
地域 | 凶悪犯罪 | 窃盗犯罪 |
---|---|---|
シアトル | 757.0件 | 5,744.9件 |
アメリカ平均 | 380.6件 | 1,954.4件 |
日本平均 | 51.5件 | 326.5件 |
※10万人あたりの犯罪発生件数
シアトルの犯罪率は日本平均と比べるとかなり犯罪率が高くなります。ただし、観光地として有名なシアトルでは、人口に含まれない旅行者が多く、犯罪率は高くなりやすい傾向にあります。
シアトルへ渡航する際には、実際に起こっている犯罪に巻き込まれる可能性を想定して生活を送る必要があります。ここでは、近年シアトルで発生している犯罪をいくつかご紹介するので、実際にどのような犯罪が現地で発生しているかのイメージを持っていただければと思います。
2024年5月中旬、アメリカのボストンに在留していた邦人宛に金融機関職員を名乗る者から電話があり、逮捕状が出ていると脅迫、邦人が20,000USDを振り込んでしまう事件が発生しています(※5)。
犯罪には実在する警察署と同じ電話番号が使用されていたり、被害を受けた法人の氏名やパスポート情報などが把握されていたりと信用されるための巧妙な手口が使われており、在ボストン日本国総領事館は警察が電話で逮捕を口実とした罰金の請求がされることはないと注意喚起を促しています。
2023年9月21日、ボストン地下鉄レッドライン車内で、10代の若者5人がアジア系男女に対し、アジアンヘイトと思われる言動を発し、窓ガラスを割る等の行為が発生しています(※6)。
ヘイトクライムが全米各地で発生しており、根拠のない情報や個人的な偏見による憎悪や嫌がらせが日本人を含むアジア系住民に向けられる可能性があるとし、列車利用時は、後ろから突き飛ばされることがないよう、背後に注意するともにホーム上の線路側から離れた位置で車両を待つなどの対策を取るよう注意喚起を行なっています。
ここではシアトルで実際に発生している犯罪、トラブルについて紹介します。対策を練るにもまずはどんなトラブルが実際に起こっているかを知る必要があります。
シアトルでまず警戒すべき犯罪は、スリやひったくりです。空港やバスターミナルなど、人が混雑しているような場所では特に多発します。
近年ではスマートフォンを狙ったスリやひったくりが急増しており、カバンごと奪われるケースも後を絶ちません。
日本人はお金を持っていると認識されていることもあり、シアトルでは強盗のターゲットになりやすいです。建物の影に引きずり込まれて金品を奪われたり、銃などを突きつけられて荷物をとられたりという事件が過去に発生しました。
レストランや交通機関の中で、ほんの少し目を離していたすきにカバンを盗まれるといった、置き引きの被害も目立ちます。うっかりカバンを開けっぱなしにしたまま歩いていたせいで中身を抜き取られてしまった、というケースもあるので注意が必要です。
ホテルやレストランの支払いにクレジットカードを利用する際には、カードから個人情報を抜き取るスキミングという犯罪に気をつけなくてはなりません。スキミングはデジタルスキャナや携帯電話を利用してカードの中にあるデータを読み取ることで、個人情報を悪用する狙いがあります。
そのほかにもクレジットカードの支払い明細や、名前や住所が書かれた書類などの取り扱いには気を配る必要があります。金品そのものを狙った犯罪と同様に、個人情報を目的とした窃盗も年々増えてきています。
滞在中のホテルを留守にしたときを狙って、部屋に盗みに入られる恐れがあります。パスポートや通帳などの、重要な書類を盗まれる被害も出ています。
シアトルでは大麻・マリファナは合法なので、薬物を吸っている人を見かけることも少なくありません。特に夜になると大声を出す人や街をうろつき出す人もいるので、下手に関わるとトラブルになる恐れがあります。
上で紹介したトラブルに巻き込まれないためにも、シアトルに滞在している間は以下のポイントを意識するようにしましょう。
スリやひったくりの被害に遭わないためには、音楽を聴きながら歩かないなど、周囲への警戒を怠らないことが重要です。
また車道側にはカバンを持たない、ハンドバッグはしっかりと脇に挟むなどの工夫をすることで、ひったくりの防止につなげることができます。視線はキョロキョロしていると狙われやすいので、落ち着いて行動することも大切です。
ホテルや空港で、電話している最中に足元に荷物を置いたままにしているとすぐに置き引きの被害に遭ってしまいます。何かしなくてはいけないことがあるときでも、荷物をどこかに置きっぱなしにせず、肌身離さず身につけておくようにしましょう。
スキミングでは思わぬところで個人情報を知られ、カードデータを悪用されます。そのため、個人情報を伝える必要がある場面でもなるべく最低限の情報を伝えるようにしてください。
場合によっては、店のスタッフがスキミングをしてくることもあります。そういった場合は支払い時やカードを預けた際に相手が不審な動きをしていないか、さりげなく注意を払っておくことも大切です。
怪しいと思えばカード支払いではなく、現金支払いに切り替えるなどの対策を取る必要があります。
ホテルの部屋に重要な書類を置いたまま出かけるのは望ましくありません。フロントの金庫などに預けてから外出するのがおすすめです。
また、むやみやたらに大量の現金を持ち歩かないようにすることも重要なポイントです。大切なものは預けるか、どうしても持ち歩かなければならないときには目を離さないようにするなどの工夫をするようにしましょう。
シアトルに限らず、アメリカでは薬物を吸っている人がそう珍しくありません。そういった人に絡まれる可能性は昼間であれば少ないですが、比較的治安が良い土地とは言え、夜になれば危険な目に遭う確率がかなり高くなります。
トラブルを避けるためにも、日中でも人通りの少ないところは避けて、夜には外出を控えるのが望ましいでしょう。
シアトルはアメリカ国内でも比較的治安の良い地域ですが、トラブルに遭ってしまったり怪我をしてしまったりする可能性がないとは言えません。いざというときのため、どこに連絡をしたらいいのか事前に確認しておくようにしましょう。
警察、消防、救急の緊急連絡先は「911」になります。
オペレーターは何があったか、どのような状況かについて質問をするので、慌てずに落ち着いて具体的に受け答えすることが大切です。もし緊急ではないが警察に連絡を入れる必要があるという状況であれば、シアトルの警察本部に電話するというのも手段です。
パスポートを無くしてしまったり、シアトル滞在に関わる手続きなどをしなくてはいけなかったりといった場合には、在シアトル日本国総領事館に相談しに行く必要があります。特にパスポートをなくした場合は、アメリカでの滞在資格も失ってしまう危険性が出てくるので、迅速に手続きを進める必要があります。
シアトル警察本部電話番号
(206)625-5011
在シアトル日本国総領事館情報
受付時間 | 月〜金曜 9:00-11:30、13:00-16:30 |
---|---|
電話番号 | (206)682-9107 |
住所 | 701 Pike Street, Suite 1000, Seattle, WA 98101 |
犯罪被害に遭った際の具体的な対応の流れは下記の記事でまとめているので、もしもの時に慌てず行動するために、ぜひあわせて参考にしてみてください。
留学で気をつけたい犯罪は?防犯対策や防犯グッズ、犯罪に巻き込まれた時の対応手順について紹介!
犯罪に巻き込まれないようにする方法は在シアトル日本国総領事館がまとめている「安全の手引き」にて、詳しく紹介しているので、渡航前には必ず確認するようにしましょう。
在シアトル日本国総領事館「安全の手引き」
なお、最新のシアトルの犯罪発生状況を確認したい方は、シアトル警察がまとめている犯罪マップがあるのでそちらをご確認ください。
Seattle Police Department Data Maps
シアトルの中には、特に犯罪に巻き込まれないよう注意が必要なエリアがあります。ここでは3カ所紹介します。
サード・アベニューは、シアトルで一番の観光スポットであるバイクプレイス・マーケットへ行く際に通ることになる道路です。
たくさんバスが通っており、人通りも多く普段はそこまで治安の悪い場所のようには見えません。しかし、2016年に発砲事件が起こっており、死者も出ています。このあたりの地域に常にいるような犯罪者も少なくないため、シアトルに住んでいる人でも警戒している場所となっています。
通行する際には、知らない人に話しかけられても無視する、安易に寄り道はしないなどの配慮が必要です。
パイオニア・スクエアはシアトル発祥の地としても知られ、歴史的価値のある建物などが見られる有名な観光スポットです。飲食店も多いため、観光客に限らずシアトル市民も多く訪れている場所になります。
一方で、パイオニア・スクエアにある公園付近には年中ホームレスが集まっており、逮捕者が出ることも珍しくありません。お金をせびられたり、しつこく話しかけられたりするなどもそうですが、観光客を狙った犯罪に巻き込まれる恐れもあります
。ホームレスのテントや不審な人物を見かけても、近づかないようにしましょう。
チャイナタウンは本来の名前をインターナショナルディストリクトと言い、日本町や中国風のお店などが立ち並ぶシアトルの観光スポットの一つです。中国料理や四川料理、タイ料理やベトナム料理など幅広い文化の食事が楽しめるレストランがあるのが特徴です。
観光地として有名な一方で、あまり治安が良くない場所としても名前が知られています。普段から警察や警備員が見回りをおこなっていて警戒されていますが、それでも盗難被害に遭うことも珍しくありません。
不審な人物から声をかけられるなどの事例も多発する危険な地域なので、夜には絶対に行かないようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
シアトルでは、スリや強盗などのトラブルが実際に発生しています。こういったトラブルに巻き込まれないためには周囲の状況に目を配るや所持品は体から離さないなどの対策とる必要があります。
また、シアトルの中でも特に治安面で注意が必要なエリアはサード・アベニューとパイオニア・スクエアです。
これからシアトルを訪れる予定のある方は以上の点に注意して、安全に現地での滞在を楽しんでください。
なお、留学先としてシアトルを検討している場合には、留学カウンセラーが無料で留学相談に乗っています。
おすすめの語学学校、費用イメージや各種手続きなど、一人ではなかなか検討が進まない留学準備を気軽に進めるなら、ぜひご利用ください。
留学先となる国や都市のイメージを持てたら語学学校選びに移りましょう。ただし、国や都市と違い、語学学校選びはより希望を整理しながら進めていく必要があります。
特に生徒規模や雰囲気、日本人留学生の比率や日本人スタッフの有無などは時期によって変わりやすいので、自分で調べた情報だけで決めてしまうと学校選びで失敗してしまう恐れがあります。
より最新の情報をもとに語学学校を決めるなら、留学エージェントに相談してみましょう。
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留学に対するご質問から、留学プランづくり、事前の英語学習、留学中のサポートまで対応しておりますので、ご相談お待ちしております。
※1...seattle.gov「Crime Dashboard - Police」(参照日:2024-9-15)
※2...Census Bureau Data(参照日:2024-9-15)
※3...FBI「Federal Bureau of Investigation Crime Data Explorer」(参照日:2024-9-15)
※4...警察庁「統計」(参照日:2024-9-15)
※5...在ボストン日本国総領事館「【犯罪被害情報】警察官を名乗る者からの金銭要求詐欺」(参照日:2024-9-15)
※6...在ボストン日本国総領事館「<注意喚起>地下鉄レッドライン車内におけるヘイトクライムの発生について」(参照日:2024-9-15)
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