「虹の色、ぜんぶ混ぜると黒になるらしいよ」──あれは確か小学校時代、図工の時間で絵を描いていたときのこと。友人が放ったその言葉に私は「本当に~?」と疑ってかかったのだが、なぜか “実験” をして真相を究明することはなかった。
あれから数十年。どうやら やり残した宿題を終わらせる時が来たようだ……チロルチョコを使って!
・ビッグチロル<レインボーBOX>
一体なにが始まるのか、説明しよう! まずファミリーマートで限定販売されている「ビッグチロル<レインボーBOX>(税込298円)」を入手します。
中にはレインボーカラーのパッケージに包まれた 7種類のチロルチョコが入っているので、コイツらを全部溶かした後、固めて1つのチョコにします。一体どんな色になって、どんな味になるのか? それを確かめてみよう、というのが今回のミッションだ。
一応、7種類のチロルチョコの味をさくっと紹介すると……
まず、赤いのは「あまずっぱ梅」。外側の梅チョコも、中に入っている梅ゼリーもしっかりめの酸っぱさ。普段、あまり梅の商品に手を伸ばさない筆者でも美味しく感じた。
次に、ピンクは「プルルンいちご」。いちごミルクチョコの中に苺ゼリーを包んだ、万人受けするであろう味だ。
オレンジは「きなこチョコ」。一時期、というか今でもコンビニのレジにどかんと箱ごと陳列されていたりするので思わず衝動買いしたことのある人も多いと思う。餅グミの食感が良い。
続いて黄色いのは「フルーティバナナ」。甘い! 中にはマシュマロも入っていて、駄菓子が強い。おいしい、けど甘い!!(2回目)
緑は「もちっと抹茶」。”ミルキーな抹茶” かと思いきや、けっこうちゃんと抹茶の苦さが感じられる。おいしい。
そして青いのは「さっぱりミント」。いわゆるミントチョコですね。これも小さいクセにミント感が強い。
最後は「はじけるグレープ」。コレが個人的には1番のヒット! グレープチョコの中にパチパチと弾ける「ポッピングキャンディ」が入っているので、楽しい&おいしい。
──以上、この個性豊かなメンバーをぜんぶ溶かして、1つの集合体にするぞ。なお、7種類それぞれ各3個ずつ使用する。
・溶かす!
ということでまずは溶かすのだが、やり方は普通のチョコの作り方と一緒。……といっても筆者はチョコを作ったことないので今回が初体験だ。ネットでググって、一番の無難そうな方法で溶かします。
まずは細かく切って、
ボウルに入れて、
さらに大きいボウルに入れ、50度ぐらいの温度で湯せんする。さぁ、いったいどんな色になるのか!?
2分ほど経つと……なんだか芸術的な色になってきたゾ!
そしてどんどんサイケデリックな色に。きれい~
3分経ったころにヘラでちょいと混ぜてやると、まるで『ウルトラQ』のオープニングみたい(例えが昭和すぎ)な色合いに。
やがて茶色さが増し……
いったん、ヘドロみたいな色になってアセるが……
10分が経過した頃にはナゼか茶色……というか、チョコレート色に落ち着いた! というか、どうやら着色料が加熱されたことで溶けて(退色、というらしい)元のチョコレートの色に戻ったようだ。ほほう~。
・固める
次に、このチョコを型に入れたのちに冷やして固める作業。今回は100均で買ったテキトーなアルファベット型のものを使用する。ゼリーや餅グミのせいか、かなりドロっとしているが 多少強引にねじ込みます。
そして冷蔵庫に入れて冷やすこと30分……
完成ッ!!
名付けて『チロルチョコ・レインボー完全体』DA!
「美しい完成度」と言うにはほど遠いが、まぁ生まれて初めてのチョコ作りにしてはいいのではないでしょうか。それに 肝心なのは味よ、味。
・食べてみる
ということで、実食です。ぱくっと食べてみると──
むははっ!(笑)と、思わずヘンな声で吹きだしてしまった。なんだこれ〜、めっちゃ面白い! めっちゃアホな味だ(褒めている)。
まず「おいしいか、おいしくないか?」でいうと、「おいしい」です。”死ぬほどうめぇーッ” というほどではないものの、”まぁおいしいかな” レベルには達している。かなり甘くて駄菓子っぽい味だが、それこそ子どもとかは好きそうな味だ。
それよりも驚いたのが、ちゃ〜んと「全員(7種類の味)いる」ということ。てっきり7種類を混ぜれば互いが互いの味を殺し合って無に帰るか、もしくは8種類目の味が爆誕すると思っていたのだが、フタを開けてみたら7種類全員が生き残っていて、というかケンカしていて、口の中が大乱闘スマッシュブラザーズ状態だ。味覚がバグりそう。
特筆すべきは「バナナの強さ」である。わかりやすく説明すると、ひと口食べたときに体感する「味の順番」は以下のようなカンジだ。
【味の順番】
1.バナナ
2.ミント
3.グレープ
4.バナナ(第2波)
5.ミント(第2波)
6.グレープ(第2波)
7.きなこ
8.抹茶
9.バナナ(第3波)
10.いちご
11.バナナ(第4波)
12.梅
いや、バナナ出しゃばりすぎ(笑)! まるで「私が主役よ!」と言わんばかりに幾度も他の味をスクリーンアウト(押しのけ)し、味覚を襲ってくるのだ。そのふてぶてしさ、図々しさに思わず笑ってしまう。ミントやグレープもなかなかの存在感ではあるが、バナナには遠く及ばず。
ちなみに7種類の中で最弱は……抹茶だろうか。いちごもかなり貧弱だ。ちょ~っとだけを顔をのぞかせるカンジで、意識をしないとその味を認識できない。
一方で、梅の立振る舞いがとても粋(イキ)だ。途中まで「あ、私はイイから」と奥ゆかしく存在感を消しているのだが、最終盤で登場するとしっかりと自分の持ち味(酸っぱさ)を主張し、静かに〆る感じ。この梅のおかげで、どこか上品でサッパリとした後味すら感じる。
食感についても言及しておこう。端的にいうと “キャラメル寄りのチョコ” で、「ぬりぃ」とした感じ。噛んでもパキっと音はしない。おそらく、元々入っていたゼリーやグミなどのゼラチン質がそうさせているのだろう。
あと、「はじけるグレープ」に入っていたポッピングキャンディは湯せんの時にパチパチと弾けまくっていたのでほぼ全て消滅したらしいのだが、その残骸があるのか、時折サクサクとした食感も確認できる。
ただ、いずれも味を損なうほど気になるものではなかった。初期段階でチョコ・ゼリー・グミをもっと細かく切る(砕く)なり、湯せん時間を長くすれば跡形もなく溶かすこともできるだろう。次回はもっと上手くできそうだ! まぁ多分2度とやらないけども(大変だから)。
・ファンキーな味
さて、今回作った『チロルチョコ・レインボー完全体』だが不思議と誰かに食べさせたくなるような魅力がある。おそらく誰も体験したことのないファンキーな味であることは確かなので、興味がある人は自己責任でチャレンジしてみてくれ。
参考リンク:チロルチョコ ビッグチロルレインボーBOX
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.