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2025/03/05

二つのルールの狭間で

最近、興味深い話を聞いた。子育ての難しさだ。ある母親いわく、子どもがなにかをこぼしたりして粗相をすると、自分で掃除をするように言いつけているという。といっても、せいぜい床や机を拭く程度で、躾としてはごく妥当に思える。まもなくその子は後始末の作法を身につけた。 ある日、母が料理中にうっかり手を滑らせて床を汚してしまった。ちょうど子どもが近くにいたので「代わりに掃除しておいて」と頼むと、その子は頑として言い張った。「自分のことは自分で――」母親が繰り返し言っていた叱責である。結局、掃除は後で母が行った。 Read more

2025/02/25

NeovimからClaude 3.7 Sonnetを使う方法

数あるLLMの中でも僕は一番Claudeが好きだ。話していて謙虚で紳士的な雰囲気がするし、他のLLMよりも独特な世界観を持っている感じがする。開発元のWebページのデザインがセリフ体中心で構成されているところもレトロフューチャーっぽくて気に入っている。 Webデザインの実装がうまいところが特に好きだ。「Tailwind CSSでなんかクールにスタイリングしてくれ」みたいなざっくりした指示でも、それなりにちゃんと見栄えのするものを持ってきてくれる。ChatGPTが大抵どのバージョンでも素組みのHTMLと大差ない代物しか寄越してこない様子を見ると、この分野では明らかに突出していると言える。 Read more

2025/02/17

実装を義務とする

先週末、これを作っていた。mttという名前のnpmパッケージで、個人的にまとまっていると嬉しいファイル操作をコマンド化したものだ。実装はTypeScriptで行っている。 指定する引数によって機能が変わり、mtt -rで$EDITORを呼び出して行う一括リネーム機能、mtt -cでファイルおよびディレクトリを個別に圧縮する機能、mtt -iで画像ファイルを縮小する機能を備えている。npm instal -g @riq0h/mttでインストールできる。 特にエディタを用いる一括リネーム機能は以前から様々なツール(たとえばmmvは有名だ)で世話になっていたこともあり、この機会に自分の手で実装して処理を把握しておきたいモチベが強かった。今回の開発を通して最低限の勘所を掴めたと感じている。 あまり頻繁にリネームをしない人はピンと来ないかもしれないが、GUIベースで数十ものファイルの命名規則を合わせたり一貫性を持たせるのは意外に大変だ。その都度、前提条件に沿ったルールを作成したりいちいちスクリプトを書くのも面倒くさい。しかしエディタを――とりわけVimを――自由に扱えるなら話は別だ。どんなファイル群でもたちまちケリがつく。 Read more

2025/02/09

ファッション・スロットを増やす

先日、三十路を過ぎた身でピアス穴を開けた。ぶすり。いや、ぶすりという感じではなかった。バチンッという音に近かった。耳に穴を開ける道具はパンチ穴を開ける機械と構造が似ている。というより、対象が紙か皮膚かの違いだけで仕組みはほぼ同じなのではないか。ともあれ、そのようにして僕の耳たぶに穴が穿たれたのだった。 こういう経験は学生のうちに済ませておけば話が早かったのかもしれないが、その頃はそうした事柄にさほど関心を抱けなかった。むしろ、どうしてわざわざ痛い思いをしてまで着飾る必要があるのか、と訝しんでいたほどだ。しかし歳をとり相応に視野が広がってくるにつれ、遅まきながらピアッシングが装飾を拡張する実用的な手段だということに気づいたのである。 Read more

2025/01/30

論評「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」:僕はガンダムもエヴァも嫌いだ

あらかじめ言っておくが僕はガンダムもエヴァも嫌いだ。まず、ミリタリーなんだかオカルトなんだか結局よく分からないところが気に入らない。言うまでもなく、ファーストガンダムの革新性は「白衣を着たひげもじゃの科学者だか秘密結社だかが頑張って作った」みたいな解像度に留まっていた”ロボットアニメ”をミリタリー作品の水準に押し上げたことだった。 つまり、”ロボット”――モビルスーツは作中の軍需企業が製造し、資金は政府が拠出している。事前の計画やデータに基づいて設計が行われ、必要に応じて中断や改良、量産化もありえる。殊に量産化の概念は本作の”ロボット”が操縦者の相棒でも友達でもなく、純然たる兵器、道具に過ぎない事実を効果的に打ち出している。 Read more

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